屋根の上には危険がいっぱい――ドローンで日本の屋根を安全に管理する「日本屋根ドローン協会」が発足

ink_pen 2018/3/9
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屋根の上には危険がいっぱい――ドローンで日本の屋根を安全に管理する「日本屋根ドローン協会」が発足
岡安 学
おかやすまなぶ
岡安 学

ゲーム雑誌の編集者を経てフリーライターとして活動中。近年は、デジタルから家電までオールジャンルを網羅して執筆を行なう。近著に「INGRESSを一生遊ぶ!」(宝島社)。また、家電コンシェルジュの神原サリーさん、ITジャーナリストの一条真人さんとメルマガを配信中 http://www.mag2.com/m/0001643378.html

先日、都内にて「日本屋根ドローン協会」の設立発表会が開催されました。日本屋根ドローン協会は、ドローンを使って屋根の点検を円滑に行えるように、屋根の点検補修をするリフォーム業者や瓦業者など屋根事業のスペシャリストとドローンアプリ開発会社、大学、弁護士などドローン技術に関わる有識者が理事を務める団体です。

 

日本屋根ドローン協会発足の理由としては、点検の安全性と人員不足の解消が挙げられています。一般に、屋根の点検は職人が屋根にハシゴをかけ屋根にのぼり、目視で確認します。このとき、命綱などを付ける慣習はなく、屋根から転落する事故が起きているとのことです。その数、年間846件もあり、そのうち40件が死亡事故となっています。

↑屋根点検は命綱や足場もなく屋根を歩いて点検をしなくてはならない

 

さらに職人の数は1997年をピークに右肩下がりで減っており、現在はピーク時から28%も減ってしまっています。

↑年間40件もの死亡事故が発生。また、職人のなり手も少なくなっています

 

そこでドローンの出番というわけです。実際にドローンで屋根の点検をすると屋根にのぼる必要がないので、安全に点検ができるようになります。また、点検作業もこれまで2時間近くの時間がかかっていましたが、ドローンであれば約10分で完了することもあるそう。さらに屋根から人が撮影したよりも上空から撮れるので、屋根全体を撮影することができ、側面などさまざまな角度から撮影でき、より細かい点検作業ができるようになるわけです。お客さん側からしても、すべての点検場所が確認できるので、ちゃんと点検できているか、余計な場所の補修まで見積もりに入っていないかといった確認もできます。

↑屋根の点検を行うドローン。カメラの性能やドローンの安定性などを考慮し、DJIのファントムが推奨されています

 

↑アプリはドローン専用のものではなく、屋根の点検のために新たに作成されたもの。今後は映像から屋根のサイズが測れるような機能も搭載していくとのこと

 

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