ネット動画をテレビで観るなら「Chromecast」「Amazon Fire TV」「Apple TV」のどれを選ぶべき?

ink_pen 2021/4/7
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ネット動画をテレビで観るなら「Chromecast」「Amazon Fire TV」「Apple TV」のどれを選ぶべき?
村元正剛
むらもとまさかた
村元正剛

iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

動画配信サービスの普及によって、テレビでネット動画を見るためのセットトップボックス(STB)を使う人が増えています。最近は、HDMI入力端子に直接挿せるスティック型端末が増えて、「ストリーミングメディアデバイス」や「ストリーミングメディアプレーヤー」などと呼ばれることも。この記事では、ボックス型もスティック型もまとめて「ストリーミングメディアデバイス」と呼ぶことにします。

 

そのストリーミングメディアデバイスですが、Amazonの「Fire TV」、Googleの「Chromecast」、Appleの「Apple TV」が主流。どの製品を選んでも、「Netflix」「Amazonプライム・ビデオ」「Hulu」など、人気の動画配信サービスは観られます。遊べるタイトルには差があるものの、ゲームが楽しめるのもポイント。

 

今年の2月から、Fire TVとChromecastもアップルの動画配信サービス「Apple TV」(注:Appleはデバイスにもサービスにも「Apple TV」という名称を使っています)に対応しました。つまり、ふだんiPhoneで「Apple TV」を観ている人は、同社の「Apple TV」ではなく、他社のデバイスを選んでも「Apple TV」を観られるようになったわけです。

 

各社のデバイスは、スペックが異なる複数のモデルを用意。主な違いはビデオ解像度ですが、それ以外にも違いはあります。購入に際して、チェックすべき違いをまとめてみました。

 

Fire TV Stickの2モデルはほぼ共通の機能

まず、AmazonのFire TVシリーズですが、現在は「Fire TV Stick(第3世代)」「Fire TV Stick 4K」「Fire TV Cube」の3モデルが販売されています。スペックの違いは下記の通り。

Fire TV Stick(第3世代) Fire TV Stick 4K Fire TV Cube
価格 4980円 6980円 1万4980円
最大解像度 フルHD(1080p/60fps) 4K(2160p/60fps) 4K(2160p/60fps)
HDR規格 HDR10、HDR10+、HLG HDR10、HDR10+、HLG、Dolby Vision HDR10、HDR10+、HLG、Dolby Vision
Dolby Atmos
プロセッサ クアッドコア(1.7GHz) クアッドコア(1.7GHz) ヘキサコア(最大2.2GHz)
メモリ(RAM) 1GB 1.5GB 2GB
ストレージ 8GB 8GB 16GB
音声リモコン
ハンズフリー操作 × ×
スマート家電を操作 × ×
内蔵スピーカー × ×
本体サイズ 86×30×13mm 99×30×14mm 86.1×86.1×76.9mm
重量 32.0g 53.6g 465g

Fire TV Stick(第3世代)とFire TV Stick 4Kは、どちらもスティック型です。両モデルは、解像度を除けばほとんど差はありません。4Kのテレビを持っている人や近いうちに買う予定がある人はFire TV Stick 4Kを選ぶべきですが、テレビがフルHDならFire TV Stick(第3世代)を選んだほうがお得です。なお、Fire TV Stick(第3世代)は2020年9月に発売されたモデルで、それ以前のモデルはHDRおよびDolby Atmosには対応していません。メルカリなどで買う場合は注意しましょう。

 

↑Fire TV Stick(第3世代)

 

↑Fire TV Stick 4K

 

Amazonはボックス型の上位モデル「Fire TV Cube」も販売しています。4K対応で、ストリーミングメディアプレーヤーとしての性能はFire TV Stick 4Kと同等。加えて、「Amazon Echo」のように、スマートスピーカーとしても使えます。価格は高めですが、1台2役の便利なデバイスです。

↑Fire TV Cube

 

テレビが4K非対応でも “with Google TV” を選ぶのが得策

Googleは、スマートフォンまたはスマートスピーカーから操作してテレビでコンテンツを再生できるChromecastを販売しています。シンプルな操作性で人気があるデバイスですが、昨年、このChromecastが大きな進化を遂げました。「Google TV」という機能が追加されたのです。

↑Chromecast(第3世代)

 

Google TVは、Googleのスマートテレビ向けOS「Android TV」と同じプラットフォーム。最新の「Chromecast with Google TV」をテレビに挿してインターネットに接続させれば、ネット動画非対応のテレビをスマートテレビのように使えるわけです。従来のChromecastとは異なり、付属のリモコンだけで操作が完結するようになりました。

 

Googleのストリーミングメディアデバイスは、2021年4月現在、フルHDの「Chromecast(第3世代)」と、4K対応のChromecast with Google TVの2択です。

↑Chromecast with Google TV

 

Chromecast(第3世代) Chromecast with Google TV
価格 5072円 7600円
最大解像度 フルHD(1080p/60fps) 4K(2160p/60fps)
HDR規格 × Dolby Vision、HDR10、HDR10+
Dolby Atmos ×
音声リモコン ×
Google TV ×
スマート家電を操作 ×
本体サイズ 162×51.8×13.8mm 162×61×12.5mm
重量 40g 55g

 

両モデルは解像度やHDR対応のほかに、機能においても大きな違いがあります。Chromecastは、スマホで見たいコンテンツを表示させて、テレビにキャスト(切り替える)する使い方が主流です。一方、Chromecast with Google TVでもキャスト操作はできますが、スマホが手元になくても、リモコンで操作が完結します。また、Google TVに対応しているため、テレビ画面に最適化されたインターフェイスで、アプリをダウンロードして楽しめるのもポイント。

 

両モデルの価格差は2528円。自宅のテレビが4Kに対応していなかったとしても、Chromecast with Google TVを選ぶのが得策でしょう。ただし、コストを優先するなら、Chromecast(第3世代)を選ぶのもアリ。「Googleフォト」に保存した写真や動画をテレビの大画面にキャスト、といった操作はChromecastでも同じようにできます。

 

Apple TVは「テレビの解像度」で選べばOK!

Appleの動画配信サービス「Apple TV」だけでなく、「Apple Music」「iCloud写真」などのサービスを利用している人には、「Apple TV」が便利でしょう。Apple TVは、高性能チップと大容量ストレージを備えているなど高性能ですが、他社のデバイスよりも割高になるので注意。

↑Apple TV HD(第4世代)

 

2021年4月現在、アップルが販売しているApple TVは2モデル。解像度がフルHDまでの「Apple TV HD(第4世代)」と、4K対応の「Apple TV 4K」です。両モデルの主な違いをまとめてみました。

↑Apple TV 4K

 

Apple TV HD(第4世代) Apple TV 4K
価格 32GB:1万7380円 32GB:2万1780円
64GB:2万3980円
最大解像度 フルHD(1080p/60fps) 4K(2160p/60fps)
HDR規格 × HDR 10、Dolby Vision
Dolby Atmos ×
プロセッサ A8チップ A10X Fusionチップ
音声リモコン
本体サイズ 35×98×98mm 35×98×98mm
重量 425g 425g

 

2モデルの違いはシンプル。解像度とHDR、Dolby Atmosへの対応の有無。チップの違いは、そのまま処理速度の違いと捉えていいでしょう。テレビが4K非対応で、性能よりも価格を重視するならApple TV HD(第4世代)、テレビが4K対応ならApple TV 4Kを選ぶべきです。

 

なお、アップルは2017年9月にApple TV 4Kを発売して以来、新モデルを発表していません。そろそろ発表されるのでは? と噂されている最中です。Apple TVの購入を考えている人は、ちょっと様子を見たほうがいいかもしれませんね。

 

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