「AI」が衣服の再現に約96%の確率で成功! どうするアパレル業界

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ink_pen 2023/11/29
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「AI」が衣服の再現に約96%の確率で成功! どうするアパレル業界
多根 清史
たねきよし
多根 清史

IT / ゲーム / アニメライター。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)がある。

2023年は生成AIが大きな注目を集めていますが、日常生活に役立つレベルには(まだ)至っていない印象があります。そんな中、AIが衣服の画像を1枚見るだけで、縫製まで再現することに成功したと報じられています。

↑ファッションの近未来にまた少し近づいた

 

この実験を行った研究者らによれば、見せられた服を95.7%もの確率で再現できたとのこと。具体的には、2段階のシステムから構成されています。

 

まずは100万枚の画像と人間のポーズ、体形、縫製パターンを幅広くカバーした「SewFactory」というデータセットの作成。これによりAIを訓練して、どのようにパーツが合わさっているか、どのパターンを使って服を再現できるかを理解させます。

↑AIの服の見方(画像提供/Lijuan Liu, et al.)

 

次に、服の縫製に特化したTransformerネットワーク「SewFormer」を使用。Transformerとは深層学習モデルであり、ChatGPTやGoogle BardといったチャットAIの基礎となった技術です。

 

このSewFormerは縫製パターンの予測が大幅に改善されており、何げなく撮った写真からも、服のパーツやつなげ方を含めて、衣服をデジタルで完全再現できるというわけです。

 

実際にこのAI技術をどこに生かすのか? 研究者らは「ファッションデザイン、仮想試着、デジタルアバター」などを挙げています。

 

つまり、VRヘッドセットをかぶって本物さながらのバーチャル服を着てみたり、現実世界の服をメタバースのキャラに着せてみたり……といったところでしょう。VTuberのアバター制作にはかなりの費用がかかりますが、現実の服をデジタルに取り込めるなら、コストも安くなりそうです。

 

このシステムが実際にメタバースやゲーム業界、あるいはアパレル業界に広く採用されることになるのか、今後の展開は不明です。逆にアニメやゲームの画像を分析して現実の衣服を縫製できるようになれば、コスプレなどさらなる可能性が広がるかもしれません。

 

Source:GitHub,arXiv

via:BGR

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