セカンドスキンの可能性
マーケティングリサーチ会社のTPCビブリオテックの発表によると、2016年度のスキンケア市場は前年度比2.4%増の1兆799億円で、2017年度は前年度比2.3%増の1兆1,044億円(見込み)と、年々拡大しています。特に“シワ”については消費者の肌悩みの上位にあり、資生堂やポーラはシワ改善をうたった商品を発売しています。また、美容液市場は前年度比5.0%増、クリーム(ジェル・ゲル)は4.4%増と大きく伸長する見通し。さらに、近年は大気汚染が問題視されていることを受けて、大気汚染から肌を守ることを前面に押し出した商品も増えていくと見込まれています。そんな背景もあり、このセカンドスキンは、シワやたるみを隠すというアンチエイジング化粧品への応用だけでなく、大気汚染から肌をガードするという目的でも商品化に応用される可能性があるでしょう。
今回の技術取得にあわせて、オリボ ラボラトリーズの研究開発チームは、アメリカにある連結子会社「資生堂アメリカズコーポレーション」へ移籍。資生堂グループとして研究開発を続けていくそうです。塗るだけでシワやたるみが瞬時に消えて、外的環境から肌を守る。人工皮膚の技術を応用した、そんな魔法のような美容クリームが、世の中に出回る日はそう遠くないのかもしれません。