ヘルスケア
睡眠
2019/2/20 21:15

眠いのに寝付きが悪い…質の良い睡眠をとるための方法って?

仕事に家事に育児……毎日へとへとなのに、いざ布団に入るとなかなか寝付けない。朝起きても、どうも疲れは取れていないし、最近話題の“睡眠負債”が溜まっていそう! 寝不足が続くと心も体も不安定になるから、どうにか睡眠の質を高めたいんだけど……。

ということで、眠りと入浴の専門家・小林麻利子さんに、良い眠りのための秘訣を聞きました。

 

眠いのに眠れない! 寝付きが悪い人の特徴や習慣とは?

———毎晩、夜中に何度も起きてしまうんです……。どうしてなんでしょうか?

 


小林さん「それはつらいですね! 夜中に起きてしまうなど、眠りの質が低下している理由は、“眠りに最適な体温”になっていない場合が多いんですよ」

 

———眠りに最適な体温……それって何度ぐらいなんでしょうか? どうして睡眠に影響するんですか?

 


小林さん「表面の体温ではなく体内の“深部体温”が上がることで、より短い時間で深い眠りに入ることができます。深部体温は37度がベスト。手足が冷えたままだと深部体温が上がらず、よい睡眠がとれなくなるんです」

 

———では、体内の体温を上げるにはどうすれば?

 


小林さん「お風呂の入り方に気をつければ、良い睡眠をとることができますよ! 40度のお湯に15分間つかると、深部体温が0.5度上がると言われています。湯船で体をゆっくりと温めるだけで、より深く眠ることができます」

 

———そうなんですか! ただ、子どもがいるとお風呂に入ってもゆっくり湯船に浸かっていられないんですよね……。

 


小林さん「それでは、1回目はお子さんと一緒に入り体をしっかりと洗って、2回目は、お子さんが寝た後にゆっくりと湯船に浸かるのはいかがですか? 入浴は15分以下でもダメですし、それ以上でも効果はあまり変わらないので15分を目安にしてください。忙しい日は、炭酸系入浴剤を入れると短い時間でも同じ効果が期待できますよ。逆に温度が高すぎると、交感神経が活発になり興奮状態になるので逆効果。それから入浴後は深部体温が下がらない1時間以内、寒い季節は30分以内にお布団に入るといいですね」

 

———子どもたちが寝た後の15分なら実践できそうです! 湯船につかることが重要だということはわかったのですが、それ以外に注意するべきことはありますか?

 


小林さん「脳が覚醒してしまうので、寝る前にあまり考え事はしないように。SNSのチェックも同様に覚醒してしまうので厳禁です! モヤモヤしてしまい、なかなか眠れなくなったり、深い眠りにつけなくなったりしますよ。ただ、ネットで調べごとをしたり、動画を見ることでリラックスする方は、短時間であれば問題ないと思います」

 

———では、良い睡眠をとるために寝室はどのようにととのえたらいいでしょうか?

 


小林さん「室温は16~19℃、湿度は50%がベスト。冬場は加湿と暖房が必須ですよ! でも寒いからといって、高温にしすぎるのも体に良くありません。外気と室温の寒暖差が大きすぎるのも体に負担ですので、暖房のつけすぎにも気をつけてください」

———部屋を温めすぎるのもNGなんですね。寝室のエアコン設定を見直さないと! でも、夜中目が覚めて寝付けないときは、どうしたらいいですか?

夏の最適なエアコン設定は
寝苦しいのは湿気のせいだった! 猛暑の夏を快適に眠るための方法とは?
https://getnavi.jp/healthcare/279348/

 


小林さん「自律神経を整えるために深呼吸するといいですよ。3秒吸って、2秒止め、5秒かけて吐く、これを6セットやるとちょうど1分なので、試してみて下さい。それから、ラベンダーの精油を一滴枕にたらすだけでリラックスして眠れます。ただ3歳未満のお子さんにアロマテラピーは刺激が強いので、赤ちゃんがいるご家庭では行わないようにしてくださいね」

 

———最後に、朝、目覚めをよくする習慣はあるでしょうか?

 


小林さん「アラームのスヌーズ機能を使わないことです。二度寝防止にスヌーズ機能を使うと、深い眠りの徐波睡眠(ノンレム睡眠)のタイミングで無理に起きようとするので、逆効果になってしまうんです。また、寒くて起きられない人は、起床時の室温も適温にタイマー設定をしておくといいですね。さらに、起床したら1時間以内に朝食を摂ってください。“噛む”ことで体内が目覚めますよ

 

———毎朝スヌーズ機能を使っていました……。忙しくて睡眠を犠牲にしていたけれど、質のよい眠りを心がけないといけないですね。

 


小林さん「理想の睡眠時間は6時間半から8時間。ところが、日本人の女性は、年齢層によっては6時間未満が5割超えというデータがあります。夜の家事は後回しにしてでも睡眠時間を確保してほしいですね」

 

まとめ

眠りの質を高めて、体調をととのえよう

20代のころは、不眠にも悩まされていたという小林さん。でも生活習慣を見直したことで心も体も健康になり、今では睡眠の専門家に。入浴後は家事を控えて早めに眠る、アラームのスヌーズに頼らず起きるなど、小林さんのメソッドはちょっとした心がけで実践できそうなものばかりなので、さっそく今晩から試してみてください。

 

眠りとお風呂の専門家/小林麻利子さん

眠りとお風呂の専門家・睡眠改善インストラクター・パーソナルボディトレーナー。「美は自律神経を整えることから」を掲げ、生活習慣改善サロンFluraを開業。最新のデータ、研究をもとに、睡眠や入浴、運動など日々のルーティンを見直すことで美人をつくる“うっとり美容”を指導している。
http://www.s-d-m.jp/talents/kobayashi-mariko/

 


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