家電
炊飯器
2018/2/23 17:00

このレビュー、ガチすぎる! 話題沸騰の「糖質カット炊飯器」家電ライターが7項目で徹底的に検証したら?

近年、糖質を制限した食事がダイエットに効果があると注目を集めています。「主食抜き」ダイエットを実践している中高年男性や女性も多く、なかでも、ごはんは糖質が多い食品として、目のかたきにされることも。

 

ごはんの糖質を33%カットする炊飯器の味と使い勝手を徹底検証!

……という世の風潮を肌でひしひしと感じつつ、「でもやっぱりごはんは食いたい!」という人は多いはず。実は筆者もそのひとり。1日1食はごはんがないと、どうにも身体が落ち着きません。そんな根っからのごはん好き&メタボ男性(予備軍含む)にとって、“救世主”ともいえる家電が登場しました。それが、2月下旬に発売するサンコーの「糖質カット炊飯器」(2万9800円)です。

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↑サンコーの「糖質カット炊飯器」

 

サンコーといえば、PC周辺機器から各種便利グッズ、おもしろグッズを企画・販売する「サンコーレアモノショップ」で有名。最近は「シワを伸ばす乾燥機 アイロンいら~ず」が話題となったほか、「お一人様用 ハンディ炊飯器」が「会社で炊きたてごはんが食べられる」と好評で、好調な売り上げを続けています。そんな同社が発売する「糖質カット炊飯器」は、「糖質を約33%カットできる」ということで、テレビ番組をはじめ、各種メディアが取り上げたことで、発売前から認知度が急上昇。これなら、「毎食ごはんはお茶碗に軽く一杯」といわれている人も、「お茶碗にしっかり一杯」食べることができそうです。

 

とはいえ、やはり気になるのはその味。糖質を無理せずカットできても、ごはんが美味しくないようでは魅力が半減です。さらに、実際の使い勝手はどんなものなのか、前もって知っておきたいところ。そこで今回は、メーカーから製品をお借りして、ごはんの「味と食感の傾向」(「炊きたて」「冷やごはん」「冷凍・再加熱」の3パターンを検証)および、「食感炊き分け(「やわらかめ」「かため」を検証)」「保温・温め直し」を行った際の味と食感の変化をチェック。さらに「操作性」「メンテナンス性」「設置性」から「独自機能」を検証し、本機の長所と弱点を徹底的に洗い出してみました。

 

【検証する機種はコチラ】

米の糖質が溶け出した煮汁を捨て、糖質33%カットのごはんを炊く

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サンコー

糖質カット炊飯器 LCARBRCK

2万9800円

独自の機構で、通常の米から低糖質なごはんを炊き上げる炊飯器。米を炊く際に煮汁に溶け出した糖質を一度排出し、新たな水で改めて「蒸す」ことで、食物繊維の量はそのままに糖質を33%カットします。タイマー機能は一度水をタンクに貯め、炊飯開始40分前に釜に自動注水。米を水に浸したままにしないので夏場も衛生的に予約炊飯ができます。蒸気でごはんを温め直す「再加熱機能」、肉や魚、野菜の「蒸し料理」モードも装備。

SPEC●炊飯容量:1~6合●炊飯方式:蒸気炊飯式●炊飯時消費電力:860W●食感(硬さ)炊き分け:5通り●予約炊飯:1時間~24時間(30分刻み)●コード長:103cm●サイズ/質量:W280×H330×D400mm/6.9kg

 

【テストその1  味と食感の傾向は?】

今回は茨城県産コシヒカリを使ってテスト。米2合を硬さ「ふつう」で炊飯し、「炊きたて」の味や食感をチェックしました。また、お弁当やおにぎりを想定した「冷やごはん」の味、作り置きする際に気になる「冷凍・再加熱」したごはんの味も確認しました。

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<炊きたての場合>

しゃっきりとした甘みの強いごはんで満足度は高い

スイッチを入れて38分で炊き上がり。取扱説明書には、10~15分ほど蒸らすよう書かれていたので、15分そのまま保温してから、しゃもじで全体をほぐしました。

 

炊きたての香りはやや弱めですが、ツヤと白さは十分。ひと口食べるとしゃっきりとした食感で、やや硬めながら、ふっくら感も感じられます。そして何より驚いたのはその味。糖質を33%も捨てているので、うまみもかなり抜けているのでは? と心配していましたが、思いのほかしっかり甘みが感じられます。ごはんを噛むたびに甘みが強くなり、満足感もかなりのもの。さすがに10万円前後する高級炊飯器にはかないませんが、一般的な炊飯器とほぼ遜色ない炊き上がりでした。糖質オフでこの味なら、何の文句もないでしょう。

↑口に入れた食感は、見た目以上にふっくら。口の中でホロっとほぐれるさっぱり系の味わいですが、甘みは十分です
↑口に入れた食感は、見た目以上にふっくら。口の中でホロっとほぐれるさっぱり系の味わいですが、甘みは十分です

 

<冷やごはんの場合>

モチっと食感が出ておにぎりや弁当に使っても文句なし

冷やごはんは、炊きたてをおにぎりにしてラップにくるみ、5時間室温で冷ましてから試食しました。5時間というのは、朝7時にお弁当・おにぎりを作ってお昼12時に食べる、というスケジュールを想定した時間です。口にしてみるとしゃっきり感は弱まり、より柔らかく、モチっとした食感に。ややベタつきも出はじめています。ただ、ラップをしたせいもあり、硬くなった印象はなし。味は炊きたてのときと同様、甘みをしっかり感じます。

↑多少粘りが出てきたものの、これはこれで「あり」な食感。おにぎりやお弁当に持っていっても十分満足できる味でした
↑多少粘りが出てきたものの、これはこれで「アリ」な食感。おにぎりやお弁当に持っていっても十分満足できる味でした

 

<冷凍・再加熱した場合>

炊きたてのふっくらしたおいしさが蘇り、後味はよりさっぱりに

次に、炊きたてごはんをラップに包んで冷凍保存し、1日経ったものを電子レンジで再加熱して試食しました。炊きたてと比べると柔らかく、もちもち感も出始めていますが、冷やごはんと違い、口の中でほどける食感は残っています。また、炊きたてのふっくらした香りが蘇っているのも印象的。甘みはやや弱くなりましたが、ふだんおかずと一緒に食べるぶんにはそれほど気にならないと思います。後味もさっぱりしていて、好印象でした。

↑冷やごはんよりさらにもちもち感がアップしつつ、しゃっきり感もあって美味。普通に食べていたら誰も“”糖質カット”したごはんだと気づかないと思います
↑冷やごはんよりさらにもちもち感がアップしつつ、しゃっきり感もあって美味。普通に食べていたら誰も糖質カットしたごはんだと気づかないでしょう

 

【テストその2 食感を炊き分けた場合の味は?】

本機は、食感(ごはんの硬さ)を「やわらかめ/少しやわらかめ/ふつう/少しかため/かため」の5段階に炊き分けられます。今回は、「やわらかめ」と「かため」で2合のお米を炊飯し、「ふつう」で炊いたときとの食感と味の違いをチェックしました。

 

<「やわらかめ」で炊飯した場合>

 ふっくら感が強まり、糖質カットしていないごはんと遜色なし!

「やわらかめ」だと、炊飯ボタンを押して41分で炊き上がり。口の中に入れると、炊きたて特有のふわっと広がる香りがしっかり感じられます。ごはんは確かにやわらかめで、「ふつう」で炊いたときよりふっくら感がより強く感じられます。なおかつしゃっきりさっぱりとした味わいが、この炊飯器の個性といえそうです。

↑ふっくら感としゃっきり感のバランスがよく、正直、糖質をカットして炊いているのを忘れるほどのおいしさ。個人的にはこの「やわらかめ」で炊いたごはんが最も“好み”でした
↑ふっくら感としゃっきり感のバランスがよく、正直、糖質をカットして炊いているのを忘れるほどのおいしさ。個人的にはこの「やわらかめ」で炊いたごはんが最も好みでした

 

ちなみに、「やわらかめ」でも冷やごはんと冷凍・再加熱を試食。冷やごはんは、「ふつう」のときよりもちもち感とベタつきが強くなりましたが、炊きたてに近い甘みが感じられ、お弁当やおにぎりにして食べるには問題ないおいしさでした。「ふつう」で炊いたときと同様、炊きたてのふっくら感が感じられるのはうれしいポイントです。一方、冷凍・再加熱するとしゃっきり感はなくなり、もちもち感がより強く感じられる食感に。

 

<「かため」で炊飯した場合>

「かため」にすると米にやや芯が残る炊き上がりに

「かため」モードでは、スイッチを入れて31分で炊飯終了。試食すると、かなり硬めでしゃっきりした食感となっており、米にやや芯が残っていたのが残念です。香りもやや弱め。味自体は甘みがしっかりあって悪くないだけに、食感の部分が惜しまれます。

↑「ふつう」で炊いたときのごはんより、米粒の保水が明らかに少ないのがわかります
↑「ふつう」で炊いたときのごはんより、米粒の保水が明らかに少ない印象

 

また、冷やごはんにも当然ながら芯があり、おにぎりやお弁当には向いていないです。冷凍・再加熱すると、若干芯はなくなりますが、代わりに強めの粘りが出てきました。ただし、ごはんの味自体は悪くありません。

 

【テストその3 保温・温め直しした場合の味は?】

本機には24時間の保温機能が付いていて、炊飯後はそのまま保温モードに切り替わります。また、ごはんを蒸気とともに再加熱して、炊きたての状態に戻す「あたため」機能も搭載しています。

↑ごはんの温め直しや肉まんの温めなどには、「あたため/蒸し調理」機能を使います、操作パネル左側の「あたため/蒸し調理」ボタンを押すと、約8分間蒸気が出てごはや食材を温めます
↑ごはんの温め直しや肉まんの温めなどには、「あたため/蒸し調理」機能を使います、操作パネル左側の「あたため/蒸し調理」ボタンを押すと、約8分間蒸気が出てごはや食材を温めます

 

<「保温」した場合>

ごはんはしっかり温まったが独特のニオイがやや気になる

ここでは、家庭で奥さんと子どもが夜7時に夕食を取り、旦那さんが残業で遅くなり、午後10時にひとりで夕食をとる、というシチュエーションを想定し、3時間保温したあと「温め直し」をしてみました。

 

温度は「熱々」とまではいきませんが、しっかり温まっています。食感はかなり柔らかくなり、ややべチャッとした印象も出てきています。

↑3時間保温した影響か、米粒の表面がややグズっと崩れ始めています
↑3時間保温した影響か、米粒の表面がやや崩れ始めています

 

筆者が少し気になったのは、やや炊飯器のニオイというか、プラスチック臭のようなものがごはんに感じられたことです。甘みはしっかりあって、おかずと一緒に食べれば気にならないかな、という程度ではありますが、ごはん好きなら気になるかもしれません。

 

ちなみにこのニオイは、炊きたてごはんや、炊きたてをすぐに取り出した冷やごはん、冷凍ごはんでは感じませんでした。長時間炊飯器の中にごはんを入れておいたり、保温モードで温め続けることで、ニオイ移りしているのかもしれません。

 

【テストその4 操作性は?】

準備にやや手間がかかるほか、水量の目盛りがもう少し見やすければ……

まず、炊飯前の操作性=炊飯前の準備を見ていきましょう。本機はごはんの糖質をカットするため、炊飯の途中で一度お湯を抜く仕組み。そのため、水を貯めておく外釜とざる型の内釜の二重構造になっており、炊飯前の準備が通常の炊飯器と違っています。そのため、炊飯設定をする前に、①炊飯器に外釜をセットして水を張る→②米を洗ったら水を切って内釜に入れる→③外釜の中に米の入った内釜をセットする、という手間が必要になります。

 

細かい点ですが、外釜の給水用の目盛りが見にくいのには困りました。目盛りに凹凸をもう少ししっかりつけるなどして、簡単にしっかり水の量が計れるようにしてほしかったです。

↑外釜に付けられた水量の目盛り表示。凹凸をもっとしっかりつけるか、目盛りの色を変えるなどしてほしかったです
↑写真奥にうっすら見えるのが水量の目盛り。凹凸をしっかりつけるか、目盛りの色を変えるなどしてほしかった……

 

操作はシンプルでわかりやすいが、タッチパネルの感度が惜しい

操作ボタンは9つありますが、炊飯モードや調理モードはそれほど多くないため、操作自体はシンプルです。

↑液晶パネルを囲むように配置した操作ボタン。ボタンと対応する各液晶表示と位置が近いので、わかりやすいです
↑液晶パネルを囲むように配置した操作ボタン。ボタンと対応する各液晶表示と位置が近いので、わかりやすいです

 

液晶パネルは黒地に白の文字で、選択したモードが黄色く光ります。欲をいえば、パネル内の文字がもう少し大きければ……といったところ。液晶パネル周りの操作ボタンには、タッチセンサーを採用しています。センサー感度はそれほど高くなく、ボタンに触れるとひと呼吸置いて反応する、という印象。……かと思うと、予約ボタンは逆に反応が早すぎるなど、ボタンごとにクセがある印象です。この辺りは、使いながらコツを掴む必要がありますね。

 

基本的に、操作ボタンはタッチすると、そのボタンのモードに切り替わりますが、「炊飯メニュー」ボタンと「予約」ボタンのみ、複数回押すことで設定を変える仕組みになっています。例えば「炊飯メニュー」は、最初に押すと「やわらかめ」になり、もう1回押すと「少しやわらかめ」という具合に、液晶パネル表示の右側に移動していきます。

↑選択したモード表示が黄色く光るのはわかりやすいですが、選択していないモードは光っていないぶん文字が見えにくいです。そうなると文字の小ささが気になります
↑炊飯メニューを押したとき。押すたびに「やわらかめ」→「少しやわらかめ」というように、表示が右側に移動していきます。選択していない表示は光っていないぶん文字が見えにくく、パネル内の文字の小ささが気になります

 

ちなみに、本機は操作の途中で何もしない状態が30秒続くと、設定がリセットされる点に注意。使い始めの操作に慣れていない時期はややストレスがたまりましたが、操作に慣れればスムーズにセットできるようになります。

 

【テストその5 メンテナンス性は?】

二重の釜など独自の構造のため、手入れにはやや手間がかかる

本機は糖質カットのために、二重の釜など独自の機構を採用。よってお手入れも、他の炊飯器と比べて手間がかかるようになっています。

↑写真下左が外釜、右が内釜。写真上左から内ぶた、蒸気出口、排水タンク
↑写真下の左が外釜、右が内釜。写真上の左から内ぶた、蒸気出口、排水タンク

 

洗うのがやや面倒だったのが二重構造の釜。特に内釜は穴が多数開いたザル形状なので水がたまらないうえ、ごはん粒が穴の中に入ると取り除くのが大変です。そこで筆者は外釜と内釜をセットにして水を張り、しばらく放置したあと、外釜に入れたまま内釜の内側を亀の子タワシでご飯粒などの汚れを落とし、その後内釜を取り出してスポンジで洗うようにしていました。ちなみに外釜はフッ素加工が施されているため、金属製のタワシやブラシは使わないほうがいいそうです。

 

また、排水タンクは糖分が溶け出した水を貯めるため、炊飯後は必ず水を捨てて中を洗う必要があります。排水タンクの上ぶたはかなり固いですが、着脱が可能。冬であれば通常は水洗いで、2~3回に1回洗剤で洗う、という洗い方でも問題ないでしょう。ただし、暖かくなってくると、糖分を含む水を貯めているだけあってカビや雑菌の繁殖が気になります。面倒でも、毎回中までしっかり掃除したいところですね。また、釜の外側の枠の部分にはかなりつゆがたまります。ここも炊飯後は毎回拭き取っておく必要があります。

↑排水タンクは炊飯終了ごとに取り外して、中の水を捨てます。勢いよく取り外すと中の水がこぼれるので、注意が必要です
↑排水タンクは炊飯終了ごとに取り外して、中の水を捨てます。勢いよく取り外すと中の水がこぼれるので、注意しましょう

 

↑排水タンクのふたを外して、中までしっかり洗います
↑排水タンクのふたを外して、中までしっかり洗えます

 

↑炊飯器の枠部のつゆ受けにはかなりつゆがたまります。ここも炊飯終了後は毎回しっかり拭き取る必要があります
↑釜の外側の枠にはかなりつゆがたまります

 

そのほか、本機には「クリーニングモード」が搭載されています。これは本体内部の水の通り道を洗浄する機能で、週に一度のクリーニングが推奨されています。

↑外釜に水を張って「クリーニング」ボタンを押すと内部洗浄を開始。特に沸騰している様子もなかったので、単純に水で水路を洗い流す機能のようです
↑外釜に水を張って「クリーニング」ボタンを押すと内部洗浄を開始。特に沸騰している様子もなかったので、単純に水で水路を洗い流す機能のようです

 

ちなみに、蒸気出口を外ぶたに付けるときに、「カチッ」とはまる感覚がなく、なんとなくググッと差し込んだだけの状態なのが気になりしまた。実際、炊飯中に蒸気出口が半分浮いているのに気がつき、慌てて押し込んだ……ということも。できれば、カチッとはまって軽くロックされるような機構を蒸気出口に取り付けてほしいところです。

↑製品カットの撮影中も、ふと気がつくと蒸気出口が浮いていました。これくらいの“浮き”が炊飯にどの程度の影響があるのかわかりませんが、できればスッキリ改善してほしいです
↑製品カットの撮影中も、ふと気がつくと蒸気出口が浮いていました。この「浮き」が炊飯にどの程度の影響があるのかわかりませんが、できればスッキリ改善してほしいです

 

【テストその6 設置性は?】

本体サイズが大きく、水蒸気も多いため設置場所は選ぶ

本機は横幅28cm、奥行き40cm、そして高さが33cmと、他の高級炊飯器と比べても、サイズがひと回り大きくなっています。特に高さは、本体下部に排水タンクを設置しているぶん、他機種より10cm近く大きく、キッチンに置いたときにはかなりの迫力があります。

↑三菱電機 本炭釜KAMADO NJ-AW108との比較。特に高さの違いが際立っています
↑三菱電機 本炭釜KAMADO NJ-AW108(右)との比較。特に高さの違いが際立っています

 

↑対面キッチンのカウンターに置いてみましたが、その威圧感はなかなかのものでした
↑対面キッチンのカウンターに置いてみましたが、その存在感はなかなかのものでした

 

また、炊飯中は放出する水蒸気がかなりのもの。後半のごはんを蒸している時間より、中盤の煮ている時間帯に多くの蒸気を出します。また、蒸し調理の際は、蒸している間ずっと蒸気が出続けるため、蒸気の放出量はさらに増えます。

↑炊飯中の蒸気。圧力式炊飯器のように、蒸気が勢いよく放出されることはありませんが、放出量は多いです
↑炊飯中の蒸気。圧力式炊飯器のように、蒸気が勢いよく放出されることはありませんが、放出量は多いです

 

したがって、本製品を設置する場所は、十分な高さがあって上部に濡れるものがないところ、なおかつレンジフードが近くになるなど、換気しやすいところが最適。さらに、電源コードの長さが103cmと短めなのも設置場所を限定する要素に。キッチンやダイニングで空いている場所に置くというより、本機を設置する場所をしっかり考えておく必要があります。

 

ちなみに、炊飯直後に外ぶたを開けると、内ぶたにたまった水分が本体後方から外に少量こぼれてしまいます。下が濡れるのがイヤなら、あらかじめふきんなどを敷いておいたほうがいいでしょう。

 

【テストその7 独自機能は?】

糖質カット炊飯のほかに肉や魚、野菜の蒸し調理ができるのがユニーク

独自かつ中心となる機能といえるのが、糖質カット炊飯機能。米の糖質を大幅カットする炊飯器は、現在のところほかにないだけに、こうした機能を求めている人には唯一無二の製品ということになります。

 

また、本機は最後に米を「蒸す」ため、その技術を利用した「蒸し調理」機能も充実。「蒸し魚」「蒸し肉」「温野菜」の3つの調理モード、さらに「あたため・蒸し調理」モードを搭載しています。

 

今回は、試しに温野菜の調理をやってみました。取扱説明書には詳しい使い方が載っていなかったので、手探りでの使用。温野菜調理モードは、沸騰後に25分間蒸気が出続けます。沸騰中にふたを開けても、加熱が中断することはなかったので、火の通った野菜は先に取り出すことが可能。また、途中で別の食材を入れることもできそうです。結果、固いにんじんにもしっかり熱が入り、うまみの濃い温野菜ができました。

↑「温野菜調理」ボタンを押すと、すぐに加熱スタート
↑「温野菜調理」ボタンを押すと、すぐに加熱スタート

 

↑ブロッコリーとにんじん、じゃがいもを蒸し調理しましたが、すべて25分加熱したために、ブロッコリーにはやや火が通り過ぎてしまいました
↑ブロッコリーとにんじん、じゃがいもを蒸し調理しましたが、すべて25分加熱したらブロッコリーにやや火が通り過ぎてしまいました。火の通りやすい食材は、時間差で入れてもいいでしょう

 

通常の蒸し調理は、大きな蒸し器やせいろを使う必要があり、なかなか大変。冷凍ごはんを食べる日など、炊飯器を使わないときに、火加減を気にせず蒸し調理ができるのは便利だと思いました。欲をいえば、レシピごとに蒸し時間をボタン操作で調整できるとうれしいですね。

 

【テストのまとめ】

炊きたての味は文句なし! 一方、保温時のニオイ移りが気になる

まず、味と食感に関して、「炊きたて」は予想以上に良好でした。ややしゃっきりめながら、ふっくら感のある炊き上がりで、心配していた甘みも思いのほかしっかり残っています。特に「やわらかめ」で炊いたごはんは、通常の炊飯器と何ら遜色のない味わい。これで糖質が33%もカットされているのですから、言うことありません。一方、「かため」で炊いたごはんは、やや米の芯が残っていたのが残念。硬めのごはんが好きな人は、「少しかため」で炊くか、水の量を調節してベストな炊き上がりを探っていく必要があります。

↑口に入れた食感は、見た目以上にふっくら。口の中でホロっとほぐれるさっぱり系の味わいですが、甘みは十分です
↑「ふつう」の炊きたては、ふっくらしていて甘みは十分

 

「冷やごはん」と「冷凍・再加熱」のごはんに関しては、もちもち感が強くなり、少々ベタつきも出ますが、普通におかずと一緒に食べるぶんには、何の不満も感じませんでした。

 

一方、保温に関しては、長時間釜の中に入れていると、やや炊飯器のニオイが移ってしまうのが残念。何度か使っているとニオイが弱くなったので、しばらく使い続けると問題なくなるのかも。とはいえ、最初からニオイ移りなく保温できるよう、ぜひ改善してほしいです。というわけで、個人的には余ったごはんは保温せず、さっさと冷凍してしまうのがオススメ。冷凍・再加熱したごはんも十分おいしいですし、電気代の節約にもなりますよ。

 

タッチパネルの操作性や洗いやすさの点ではいま一歩

個人的な意見ではありますが、「使い勝手」に関しては、やや「作り込みの甘さ」が気になりました。炊飯設定などの操作自体はシンプルで問題ないのですが、タッチパネルの感度は改善の余地ありです。

 

メンテナンス性については、排水タンクを設けたり、外釜と内釜の二重構造としたり、構造が複雑なぶん、手入れが面倒になっています。もっとも、これは糖質カット炊飯の実現とトレードオフの関係ともいえるので、ある程度は受け入れるしかないでしょう。また、排水タンクのふたは密閉性を維持しつつ、もう少し着脱しやすい形状になっていると助かります。蒸気出口がカチッとはまりにくく外れやすいのも、改善してほしいポイントですね。

↑写真下左が外釜、右が内釜。写真上左から内ぶた、蒸気出口、排水タンク
↑外釜(左下)に水を入れ、米を入れた内釜(右下)を沈める形で炊飯するため、2つの釜を洗う必要があります

 

設置性については、大きく高さもある本体、蒸気の大量放出など、正直、「良好」とは言えません。ただ、これも糖質カット炊飯の実現と不可分なので、その点、ユーザーは了解して使うしかないのかな、と思います。

↑対面キッチンのカウンターに置いてみましたが、その威圧感はなかなかのものでした
↑高さがあるので、存在感はなかなかのもの

 

独自機能では、肉や魚、野菜の蒸し調理機能に注目。炊飯と蒸し調理を同時にやることはできませんが、日によって作り置き冷凍したごはんをレンジ加熱して食べる場合や、パスタやパンなどを主食とする場合は、温野菜などに積極的に使えるでしょう。

↑ブロッコリーとにんじん、じゃがいもを蒸し調理しましたが、すべて25分加熱したために、ブロッコリーにはやや火が通り過ぎてしまいました
↑蒸し器として使えるのは便利です

 

課題はあるが、ごはんの味と価格を踏まえれば検討の価値がある

と、いろいろ課題点も指摘してきましたが、重要なのは本製品が、現時点で唯一の「糖質カット炊飯器」であるということ(3月下旬にタイガーから低糖質ごはん用の炊飯器が発売されますが、これはタピオカやこんにゃくを使った白米の代用食品を使うモデル。ターゲットはやや異なるはず)。炊きたてごはんの味はほぼ文句なしですし、蒸し器として使えるのも便利。保温性能や使い勝手に多少の難があっても、「おいしいごはんを食べながら糖質制限したい」という人は、購入する価値が十分にあります。実売価格は2万9800円とお手ごろなので、その点のバランスも踏まえて検討してみてください。

 

協力:楽天市場