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2018/7/4 17:30

自販機が人々の安全を守る? キリンが「みまもり自動販売機」を発表

町を歩いていてふと見上げると、そこには防犯カメラがあります。今では当たり前のことになりつつありますが、「見られている」と感じる人も多いですよね。

 

キリンビバレッジバリューベンダーと警視庁西新井警察署は7月3日、「防犯活動に関する覚書」を締結しました。その地域防犯の取り組みの一環として、防犯カメラを搭載した「みまもり自動販売機」が西新井警察署管内に設置されます。

↑実際のみまもり自販機。隣のディスプレイにはカメラが記録した映像が映し出されている

 

 

防犯カメラを内蔵する自動販売機

キリンビバレッジバリューベンダーは、自動販売機に関わる清涼飲料水や食料の企画・販売を行うキリンのグループ会社。これまで、乳がん検診を推進するピンクリボン活動を支援する自動販売機や、飲酒運転撲滅を啓発する自動販売機などの取り組みを行ってきました。

 

今回発表されたみまもり自動販売機は、ただカメラを内蔵しているだけではありません。下の写真がみまもり自動販売機ですが、どこにカメラがあるかわかりますか?

↑一見するとカメラは見当たらない

 

↑よく見るとサンプルに小さな穴が空いている

 

実は、この商品サンプルにカメラが内蔵されているんです。従来の防犯カメラは、自動販売機の上に取り付けられるのが一般的で、上からの視点になり、画角も狭くなりがちでした。みまもり自動販売機はカメラをサンプルに内蔵することで、視点が目線の高さになり、約120度の広角で映像を収められるようになっています。

↑内蔵されるカメラは、ペットボトル半分ほどの高さ

 

記録した映像はmicroSDに保存され、西新井署の専用パソコンでのみ閲覧できる仕様です。また、閲覧時はデジタルズームも可能。不審者の顔や、手に持っているものを拡大して確認できます。

↑テスト映像をズームしたもの。手にモデルガンを持っていることが確認できる

 

 

年内に30台の設置を目指す

この取り組みは、西新井警察署管内において、年内に30台の設置を目指しています。まずは通学路、そして女性や子どもが多く集まる公園、その他の公共施設、駅や都営住宅の周辺にも設置していく方針です。

↑キリンビバレッジバリューベンダー株式会社執行役員営業統括本部本部長の新井裕明氏(左)と西新井警察署の福山隆夫署長(右)。署長は「町に死角をなくしたい」とコメント

 

今後は30台で実際の効果や影響を検証し、効果があるとわかれば、設置台数の増加や他のエリアへの設置も検討していくとのことです。

 

みまもり自動販売機のほかにも、特殊詐欺撲滅活動に向けた啓発活動として、啓発ポップを取り付けた商品を西新井警察署管内で開催されるイベントにて配布する取り組みも行っていきます。

↑啓発ポップが取り付けられた商品

 

従来の威圧的な見た目の防犯カメラとは異なり、ほとんど目立たないため、監視されていると感じる人も少ないのではないでしょうか。普段何気なく見かける自動販売機が、町の人々の安全を守る日が来るかもしれませんね。