地震発生後、電気・ガス・水道といったライフラインが復旧するまでには、かなりの時間を要する可能性が高くなります。そんな不便な状況下で、あると便利なものをピックアップ。さらに、火災による被害を最小限に抑えるアイテムも要チェックです。
【解説してくれた人】
和田隆昌さん
災害危機管理アドバイザー、防災士。地震災害、気象災害、レジャー災害の対策に精通し、執筆や監修、講演活動など幅広く活動中。
在宅避難の“困った”を減らす日用品の不足をチェック
防災専用グッズは価格が高く、買い揃えるハードルが高いと感じる人も多いはず。しかし、在宅避難で必要なものは、ほとんどが日用品で揃うと和田さんは語ります。
「最優先にコストをかけるのは、“命に関わるもの”です。例えば停電時に使うライトが故障したら移動が困難になりますし、家具を固定する耐震グッズの強度が低ければ下敷きになるかもしれません。これらはいざというときも安心の、信頼できるメーカーを選びましょう。ちなみにライトは、防水、耐ショック、防塵といった機能が付いたアウトドア向けのものがオススメです。
それ以外は、防災セットなどなくても、日用品でほぼカバーできます。ここでは意外と見落としがちなアイテムをピックアップしましたが、家族構成により必要なものは異なるので、ライフラインが途絶えたときを想定して不足がないかを確認しておきましょう」(和田さん)
<100円ショップなどの格安アイテムは賢く活用!>
在宅避難に必要な日用品の多くは、身近な100円ショップで揃えることが可能です。ウェットティッシュや電池、軍手などの消耗品は、まとめ買いしておくと◎。ライトやラジオ、耐震ゴムなどは信頼できる製品を購入しておきましょう。
1.衛生対策
食料以上に重要なトイレをはじめ、ケガや病気を悪化させないための医薬品やマウスウォッシュも常備しておきたいところ。消耗品なので、日常使いしつつも一定数用意しておきましょう。
【携帯トイレ】
トイレに行けない環境でも安心。ニオイが漏れにくく廃棄もしやすい!
エピオス
携帯用トイレ
実売価格194円
特殊な高分子吸収樹脂により、排泄物などを固めてニオイを防ぐ携帯トイレ。災害時のほか、クルマの渋滞や乗り物酔いといった緊急時にも役立ちます。使用後に廃棄しやすい持ち帰り袋付き。
【和田さんコメント】
クルマで使う携帯トイレは災害時も活躍します。用意がない場合は、ビニール袋の中に新聞紙を敷いて用を足し、重曹や粉石けんを撒いて縛ると、ニオイ漏れしにくくなります。
【応急処置セット】
最低限の救急道具が揃い災害時のケガもケア!
LOHACO
オオサキメディカル
基本から考えた救急セット
2678円
厚労省の「労働安全衛生規則」に対応し、これだけで基本的な救急道具が揃う10点セット。包帯・消毒液・ピンセットのほか、絆創膏、滅菌ガーゼもあり、万一の事態にも安心です。
【和田さんコメント】
落下物などでケガをするかもしれないので、応急処置できるアイテムは必須です。また、非常時は体調を崩しやすいので、鎮痛剤や持病の薬などもまとめておくと良いでしょう。
【液体歯みがき】
水が使えないときもこれで口臭&虫歯予防!
ジョンソン・エンド・ジョンソン
リステリン トータルケア ゼロ プラス(500ml)
実売価格753円
歯肉炎や口臭予防、着色汚れ、歯石、ネバつき、口内の不快感に加え、新たに虫歯の原因菌に作用する殺菌成分を配合した液体歯みがき。ノンアルコールの低刺激タイプ。
【和田さんコメント】
水がなく口をゆすげない状況でも、口内のケアができます。免疫力が下がっているときは、口内の不衛生により細菌感染する場合もあるので、清潔に保ちましょう。
2.ガス対策
東日本大震災では、ガスが9割ほど復旧するまでに34日かかっています。カセットコンロで湯を沸かせば非常食の戻し時間を短縮でき、常温よりもおいしく食べられるようになります。
【カセットコンロ】
特許技術で風をさえぎり屋外での煮炊き時に最適!
イワタニ
カセットフー 風まる
実売価格4060円
外側と内側の2段階で風をさえぎる特許技術「ダブル風防ユニット」が特徴のカセットコンロ。風がある屋外でも炎の立ち消えを防ぎ、ケース付きで持ち運びや収納もしやすいです。
【和田さんコメント】
非常時は温かいものが食べられるだけで気持ちが落ち着くもの。カセットガスも合わせて多めに揃えましょう。アウトドア用なら普段はキャンプなどにも利用できます。