ライフスタイル
2018/12/23 18:30

デジタルの活用はどこまで許される?最新「年賀状」マナー

そろそろ年の瀬の準備をする時季にさしかかってきました。お世話になった方々に向けて、年賀状の用意をしている頃でしょうか。

 

最近では、手紙や書類と同様、年賀状も手書きが減り、SNSで一斉配信する“年賀状”や、スマートフォンで注文から配達まで一貫して行える年賀状作成アプリなど、さまざまなツールが登場しています。その反面、デジタルツールでの挨拶は失礼に当たらないのか、気になるところ。送り主との関係性やツールの使い方、挨拶のマナーについて、マナー講師の石黒真実さんと一緒に、今一度おさらいしておきましょう。

 

年末年始の挨拶はマナーにのっとって

もともと年末の挨拶や年賀状は、「一年間お世話になりました。今後ともよろしくお願いいたします」という感謝の気持ちを伝えるためのものです。今年出会った人、お世話になった人などをピックアップしてみましょう。

 

「ビジネスシーンでは、年末の挨拶は直接訪問して行うのが基本です。予定が合わない場合も、電話やメールなどで挨拶するようにしましょう。その場合、必ず年内に見てもらえるよう、先方の最終営業日の3日前までに送るようにしてください。 なお、近年増えつつあるデジタルツールの利用は、ビジネスにおける年末年始の挨拶では、まだ一般的ではありません」(マナー講師・石黒真実さん、以下同)

年末年始の挨拶は相手によって使い分ける

マナーある挨拶の仕方は、その方々との関係性によって変わってきます。ここでは、どのような関係にある人にどんな挨拶の方法が適切かを教えていただきました。

 

・クライアント
「クライアントへの挨拶は、訪問が基本です。難しい場合は、せめて電話やメールで挨拶しましょう。また、年賀状は会社(担当部署)から会社へ送り、私信ではしないことや、相手の社内の方々など、さまざまな人の目に触れることを忘れないようにしてください」

 

・直属の上司
「年賀状を送る習慣があるかは会社ごとに判断してください。年賀状を送るなら年賀はがきで出しましょう。上司の家族の目に触れることを念頭に、きちんとした文章で書きます」

 

・会社の先輩
「社内に、年賀状を出し合う習慣がある場合は、年賀状は年賀はがきが無難でしょう。LINEなどでの直接連絡では、休暇中の過ごし方によって先方が確認できないこともあります。また、仲のよい先輩であってもプライベートのものとは区別しましょう」

 

・学生時代の先輩
「現在の関係性にもよりますが、年賀状は年賀はがきが無難です。住所がわからない場合、LINE等で直接連絡するよりは、SNS上でのやりとりにプラスして聞くなどしましょう」

 

・恩師
「年賀状は年賀はがきで送ります。先生の年齢や立場にもよりますが、LINE等での直接連絡は、家族からすれば私的すぎると感じられる恐れがあります。どんなに親しくしていてもお友だちではない、という意識を持ちましょう」

 

・後輩や友だち
「頻繁にやり取りをする近しい友人や、これを機にコミュニケーションを再開したい相手にはデジタルツールでも良いでしょう。ただし、休暇中の過ごし方や、相手の受信件数によっては返信がないことも予想されます」

 

・プライベートなおつきあいの友人
「年末年始の挨拶は、このところ疎遠になっている相手とも自然にコミュニケーションを再開 するきっかけにもなります。LINEやメッセンジャーなどでの連絡がメインで、住所がわからない、という相手なら、デジタル年賀状やメッセージ、スタンプの使用が手軽な手段のひとつとなります」

 

注意したいデジタルツールの使い方

職場の上司や取引先、学生時代の恩師などへの年賀状に、デジタルツールが向かないのはどうしてでしょうか?

 

「LINEなど個人の連絡先に直接送信するものは、カジュアルすぎるため不向きだと言えます。また、休暇中の私的な連絡は、公私混同とみなされることもあります。 ただ、FacebookやInstagram、TwitterなどのSNSで繋がっている場合、相手の投稿を目にすることはありますよね。コメントを書く場合は、SNSの特性を理解し、多くの人の目に触れるものだという意識を忘れないようにしましょう。会社員の方は、組織の一員としての自覚を持ち、企業や団体のマイナスになることや誤解を生じさせる表現には配慮してください」

 

アプリを使って外出先からでも年賀状を注文

手書きの年賀状が丁寧だとはいえ、年末の慌ただしい時期に、一枚一枚手書きするのは大変です。でも、スマホアプリを使えば、写真を取り込んだり、宛名や文章を入力したりして、短時間で好みの年賀状を作れます。

 

「年賀状は、できたらそのまま送るのではなく、ひと言で構いませんから感謝の気持ちや近況などを伝える文章を書き添えて出しましょう。手書きでメッセージを添える時間がない場合は、その人だけに宛てた言葉であることがわかるような一文を入れることで、思いが伝わるカードになりますよ」

 

「スマホで年賀状」
https://net-nengajo.jp/service/apps/

1000種類ものデザインテンプレートを用意。最大10点の写真を挿入でき、スマホに貯めた写真もたっぷり活用できます。また、手書きのメッセージを追加でき、心のこもった賀状を作れそうです。

↑「写真つき年賀状が簡単に作れるアプリです。お試し印刷や宛名スキャンが無料ででき、同じデザインの年賀状でも宛先ごとに個別のメッセージが入れられます」

 

インターネット上で送り合うデジタル年賀状

紙での年賀状以外にも、挨拶の方法はさまざま選ぶことができます。FacebookやインスタグラムなどのSNSを使ってフォロワーに向けて挨拶を送ったり、LINEやメッセンジャー、メールなどで個別にメッセージを送ったり、送る相手との距離感に合わせて選んでみましょう。メッセージだけを送る方法もありますが、下のようにインターネット上の“はがき”で画像を送るのも、年賀状の新しいかたちです。

 

「デジタルはがき」
https://digital-hagaki.yu-bin.jp/

写真やテキストを編集できるさまざまなテンプレートがあり、完成したデジタルはがきの URL をコピ—すると、Twitter、FacebookのDMやLINE、メールなどのツールを使って送れます。SNS上のみの付き合いや、リアルで面識がない相手でもDMを送り合える仲なら、気軽に挨拶できそうです。

↑デジタルはがきと一緒にギフトも送ることができますから、日頃の感謝の気持ちや、応援の気持ちなど、プチギフトを添えて送るのもおすすめです

 

好感度の高い年賀状にするための3つのルール

年賀状はたくさんの方から同時期に届くものですから、記憶に残ることが書かれていないと、すぐに忘れ去られてしまうもの。せっかく送るのですから、相手の記憶に残るように書いてみましょう。

 

1. その人に向けたエピソードを入れる

お互いが知るエピソードを入れることで、「その人のためだけに書いた」という気持ちが伝わるカードになります。「コピーペーストで作った文章は、読み手にもわかるもの。旧年中の共通の話題を入れるなど、“自分だから書ける相手へのメッセージ”を添えましょう」

 

2.自分の最新情報を報告する

年賀状に、今年一年どんなことをしてきたのか、どんなものに興味を持っていたのかなどを具体的に書いてみましょう。遠くに住んでいたり、なかなか会えなかったりする友だちにも、あなたの「今」が伝わる年賀状になります。「年賀状のみのつきあいになっている相手には、近況報告を書くのがよいでしょう。何をどれくらいした、などの数値を具体的に示すと、相手がイメージしやすくなります 」

 

3. 使う写真はあなたの「今」がわかるものにする

プライベート用の年賀状では、ペットの写真や子どもの写真、風景の写真……、さまざまな画像のチョイスができますが、もっともよいのは、今のあなたが伝わる画像をセレクトすることでしょう。「プライベート用の年賀状に使う写真は、旧年中の旅行先での一枚や、新たにはじめた習いごとに関連するものなどが興味を持たれやすいでしょう。自分の写真を載せる場合には、 そうした旅行や趣味の写真の他、その年の干支の動物と一緒に撮ったものもおススメです」

 

「LINE Camera」
http://camera.line.me/ja

自分の顔写真を載せたいときは、盛りすぎず、ナチュラルな美肌加工ができるLINE Cameraがおすすめ。

↑大人の女性にも使いやすく、文字を入れたりコラージュしたりする加工も簡単にできます

 

復習しておきたい正しいマナー

せっかく年賀状を送ったのに、その正式な挨拶状で正しい言葉が使えないのは残念なことです。特に目上の方に送る場合、尊敬語や謙譲語などの使い分けができていないと、かえって評価を下げてしまいます。よく見る文言の中にも、実は間違っている表現がありますから、確認してみましょう。

 

1. 「新年あけましておめでとうございます」はNG

「あけまして」は、旧年があけることを指しますから、冒頭に新年とつけてしまうと重複した表現になってしまいます。「あけましておめでとうございます」または「新年おめでとうございます」が正しい表現と言えます。

 

2. 目上の人に対しての賀詞は四文字で

賀詞は四文字で使うのがていねいな表現です。「寿」「賀正」「迎春」など、一文字や二文字の賀 詞には敬意表現が含まれないため、目上の方には使えません。 目上の方には、「謹賀新年(謹んで新年をお祝い申し上げます)」や、「恭賀新年(うやうやしく新年をお祝い申し上げます)」を使いましょう。

 

3. 添え書きには賀詞が重複しないように

2のような賀詞を使ったら、添え書きには賀詞を書かないようにしましょう。「謹賀新年」の後に「あけましておめでとうございます」と書くのは重複表現になってしまいます。

 

4.「、」「。」をつけない

句読点には「切る」という意味があります。そのため、慶事には使わないのがマナーです。たとえば「今年も、よろしくお願いいたします。」とするのではなく、「今年もよろしくお願いいたします」と句読点を省いて書きます。見にくい場合は改行やスペースを空けるなどして、読みやすく書いてみましょう。

 

5.「HAPPY NEW YEAR」に「A」は不要

英語では挨拶表現に冠詞をつけません。「A HAPPY NEW YEAR」と書くのは間違いですから、気をつけましょう。ただし、クリスマスカードに添えて書くときや会話の中では、「Have a happy new year」「I wish you a happy new year」と、「a」が必要になります。

 

大人として、マナーのある文面で挨拶状を書けるようにしておくことは、ビジネス上でも役立つものです。慌ただしい時期に年賀状を準備するのは大変ですが、今年一年を振り返り、出会った人や疎遠になってしまった人など、いただいた名刺やメールなどを見返して人間関係を改めて確認するよい時期になりますから、今から積極的に準備しましょう。

【プロフィール】

コミュニケーション・マナー講師 / 石黒真実

大手企業の営業・人事担当を経て CATV キャスターに転身後、講師活動を開始。元人事担当ならではの、組織も個人も活かす視点や、キャスター経験を踏まえての「気づき」を引き出す研修は、受講者・クライアントからの信頼が厚い。
Puente https://www.office-puente.com/

 

GetNavi webがプロデュースするライフスタイルウェブメディア「@Living」(アットリビング)

at-living_logo_wada

TAG
SHARE ON