文房具
2025/4/9 21:00

今までの不便は何だったんだ…ミドリ「OPPテープカッター」を使いたくなる目からウロコの仕掛けとは?

ここ数年で「ちょっと変わったな?」と感じるのが、梱包用テープの事情である。もう少し具体的に言えば、ダンボールの梱包に透明なOPPテープ(ポリプロピレンのフィルムに粘着剤を塗布したテープ)を使う人がずいぶん増えてきたのではないか、と感じている。もちろん、昔から流通の現場では定番の存在だった。しかし近ごろでは、会社の荷送りだけでなく、我々一般ユーザーもネットフリマなどで荷物を送る際に、OPPテープを使うケースが増えているように思う。

 

クラフトテープからOPPテープへのシフト

一昔前は、家庭からの梱包といえばクラフトテープ(いわゆるガムテープ)か布粘着テープが主流だったはずだ。だが「耐水性やコスト面を考えると、OPPテープが最適解」という認識が広まりつつあるのかもしれない。

 

実際、100円ショップでもOPPテープの取り扱いが確実に増えているし、さらにいくつかの文房具メーカーがコンシューマー向けのOPPテープ専用カッターを発売し始めている。これはOPPテープの普及が広がっている証拠と言えるだろう。

 

OPPテープのコスパの良さと課題

OPPテープの最大のメリットは、なんといってもコストである。たとえば100均で梱包用テープを選ぶ場合、50mm幅のクラフトテープが50m巻、布テープが10m巻、そしてOPPテープはなんと80m巻。どれも110円で売られていることを考えると、この物量差は非常に大きい。しかも粘着力は申し分なく強く、耐水性も抜群。プロの現場で使われている時点で、その性能の高さは折り紙付きだ。

 

ただし、手で切れないうえに粘着力が強すぎて扱いづらいため、専用のテープカッターが必要になる。この点が、コンシューマー市場での普及の壁となっていた。

 

ミドリの「OPPテープカッター」に注目!

ミドリ
OPPテープカッター
1500円(税別)

 

そんな中でミドリから登場したのが、誰にでも扱いやすい工夫が詰まった「OPPテープカッター」だ。ミドリは3年前に「クラフトテープカッター」を発売しており、外観はほぼ同型。しかし、今回のモデルはOPPテープ専用に設計されており、細部のつくりはまったくの別物である。

 

誰でも楽に装着できる、目からウロコの仕組み

OPPテープは粘着力が強いため、一度切った端がロールに戻ってしまうと、再び剥がすのがとても大変。しかもテープ自体の透明度が高く、切り端を探すには爪で表面をカリカリとこすりながら探す必要がある。これがなかなか面倒だ。そのため、OPPテープ用カッターには、切ったテープの端が戻らないようにする「ローラー」や「テープガイド」といったパーツが付いていることが多い。

 

↑透明度が高いOPPテープは、端を見つけるのが一苦労!

 

↑ローラーが切ったテープを浮かせてくれるので、もうカリカリする必要なし。

 

このローラー、無ければ困るレベルで便利なのだが、装着時にはテープ端をこの隙間に通す必要があり、これが慣れないと難しい。筆者のような不器用者だと、無理に通そうとしてテープがよじれたり、粘着面に指紋をベタベタつけて台無しにしてしまうことも。

↑ただし従来のカッターは、ローラーにテープを通す作業がひと苦労。

 

そこで「OPPテープカッター」は、ローラーを開閉式にすることで装着のしやすさを大幅に改善している。

 

まず底部のクリップで紙管を固定し、ローラーのロックを解除してパカッと開く。あとはテープ端を持ち上げた状態でローラーを閉じ、再びロックすれば装着完了だ。

↑装着はバネ付きのクリップアームで紙管を挟んで固定。

 

↑側面のレバーを引けばロック解除。

 

↑ローラーを開いた状態で通せば超簡単。なんで今まで誰もこれを作らなかったのか!

 

↑これでセッティング完了。今までの苦労が嘘のようだ。

 

ベタベタの強粘着テープを細い隙間に通すストレスを思えば、これはもはや画期的。筆者も初めて装着したときは「あれ?もう終わり?」と拍子抜けしたほどだった。

 

サクッと切れ味&安全性もしっかり確保!

装着の手軽さは画期的だが、使い方は従来のOPPテープカッターと同じ。テープ端をダンボールに貼り付け、必要な長さまで引き出し、カッター刃でカットするだけだ。

↑テープカッターとしての使い方は従来通り。必要な分だけテープを引き出して……

 

↑巻き込む方向にカッターを押し当て、少しねじるようにすればサクッとカット。

 

このカッター刃にはセーフティカバーが装備されており、普段は刃が露出しない設計だ。万一触れてもケガを防げるようになっている。

↑カバーがあるので、うっかり触れても刃は露出せず安心。

 

「OPPテープカッター」がユニークなのは、そのセーフティーの解除方法だ。とはいえ使う側でなにか作業を行う必要はなく、ただテープを切ろうとするだけでなぜかサクッと切れてしまう。カバーは指で押しただけではロックがかかっていて動かない。だが、テープがカバーに当たって少し浮いた状態になると、そこから押し込むことで刃が露出し、テープが切れる仕組みなのだ。

↑テープに押されて刃が露出。離れるとカバーが自動で戻ってロックがかかる。特別な操作なしで安全性を確保できるのは嬉しいポイントだ。

 

面倒に聞こえるかもしれないが、実際には“テープを切る”という自然な動作の中でこれが完結しているため、ユーザーが意識することはない。逆に、それ以外はどうしたってカバーが動かないので、安全性はとても高いのだ。

 

↑アップで見ると、従来の刃よりかなり鋭いことがわかる。

 

さらに刃そのものも従来品とは別物。従来のカッター刃は大きなギザギザでテープを破るような切れ味だったが、「OPPテープカッター」は極細のギザ刃で、端からスーッと裂いていくスタイル。切れ味は鋭く、音も「バリッ」ではなく「サクッ」と軽快だ。もちろん、切るときの力も少なくて済む。

 

両刃仕様で交換も簡単

この刃は両面使用可能で、切れ味が落ちたらカバーを外して前後を入れ替え、再利用できる。刃が細かいため消耗は早そうだが、そのぶん2倍使えるのはありがたい仕様。もちろん替え刃も別売で用意されている。

↑刃はネジを外せば交換可能。両面使えるのも嬉しい。

 

↑ストラップ穴付き。紐を通して吊るしておくと管理しやすい。

 

テープカッターとしてはやや高価だが、装着作業の簡単さや梱包作業の快適さを考えれば、十分に導入の価値がある。ネットフリマやオークションなどで荷物を頻繁に送る人には特におすすめ。従来型のOPPテープカッターを使っていた人なら、一度試しただけで、進化した使い勝手に感動するのではないだろうか。