文房具
2017/5/8 18:00

“字が汚い族”の共通点は「ペンの持ち方」にあった! 正しい握りを身に付ける矯正用文房具3選

先日、なかなか興味深い本を読んだ。編集者の新保信長さんが、手紙を書く際に「自分の字があまりに汚い!」と絶望するところから始まる、手書き文字をめぐるルポ「字が汚い!」(文藝春秋)だ。

画像出典:文藝春秋 BOOKSより
画像出典:文藝春秋 BOOKSより

 

自分の字が大人っぽくないことに挫け、味わいのある字と悪筆がどう違うのか悩み……と、同じく字が汚いコンプレックスの人には色々と刺さる内容でとても面白い。作中、新保さんがペン字教室に通ったり書き取りテキストを取っ替え引っ替えして字の上達を目指すくだりがあるのだが、さらに雑誌の文房具特集「きれいな字が書けるペンはこれだ」を読んで、ペンにも何かあると気付く。

 

「今まで普通の油性ボールペンで書いていたのを水性ゲルインクのものに替えてみたら、格段に書きやすくなったのだ。(中略)『弘法筆を選ばず』と言うけれど、弘法じゃない人は筆を選んだ方がいい」

[第2章 練習すれば字はうまくなるのか?]より抜粋

 

これはまさにその通りで、“100汚い”ぐらいの人でもペンを替えるだけで“85汚い”までは持っていけると思うし、そういう趣旨のペン紹介をGetNavi webでも何度かやっている。しかし、残念ながらペンだけでは根本的な解決にまでは至らないのもわかっている。ちょっとマシにはなるけど、それだけじゃ駄目なのだ。

 

実は以前から気にはなっていたのだが、筆者は筆記具の持ち方が少し間違っている(ような気がしている)。それもおそらく悪筆の原因になっているのではないか。ということで今回はこれまでとアプローチを替えて、ペンの持ち方を矯正する専用文房具にチャレンジしてみたい。

 

ぷにゅっと柔らかく鉛筆の持ち方を教えるグリップ

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クツワ プニュグリップ (右手用)/4本入り 129円

まずはシンプルに、正しい鉛筆の持ち方をそっと教えてくれる補助グリップ「プニュグリップ」だ。グミキャンディーのような柔らかさで、製品名通り“ぷにゅぷにゅ”とした弾力のあるエラストマー製の補助グリップ。そのぷにゅっとした外周に、指がきちんと納まるようにくぼみが彫り込まれている。

 

プニュグリップを鉛筆に装着し、くぼみに合うように指を沿わせることで、美しい字を書くための正しいポジションが学べる、というものだ。なお、同じプニュグリップでも矯正機能のないタイプがあるので、購入時は「右手用」もしくは「左手用」と入ってるものを探して欲しい。

↑グリップ前側の△マークを親指と人差し指で挟むように持つとポジションが決まる
↑グリップ前側の△マークを親指と人差し指で挟むように持つとポジションが決まる

 

下記の写真は、プニュグリップなしとありでペンの持ち方を比較してみたところ。筆者のそのままの持ち方では親指と人差し指が密着しているが、プニュグリップを使うと親指・人差し指・中指の3点でホールドするようになっているのがわかる。

↑左がグリップなし、右がグリップあり。前者は親指が覆い被さるようになっている
↑左がグリップなし、右がグリップあり。前者は親指が覆い被さるようになっている

 

なお、正しい鉛筆の使い方は……

●上向きの線は、中指で押し上げる

●下向きの線は、人差し指で下げる

●左右の線は、手首を動かす

 

筆者の従来の持ち方では親指の圧力が強すぎて、中指で上向きの線を引くのが難しい。確かに3点でホールドしたほうが、スムーズに先端をコントロールしている感がある。

↑グリップなし(上)とあり(下)で文字を比較。低レベルではあるが、あきらかにマシな字にはなっている
↑グリップなし(上)とあり(下)で文字を比較。低レベルではあるが、あきらかにマシな字にはなっている

 

慣れないポジションだけに、動かすときに指周りが若干窮屈な印象もあるが、プニュグリップ自体が柔らかいからか、そんなに辛くもない。また、この柔らかさのおかげで、筆圧が強い人は長時間の筆記でも指先に負担がかからないし、汗で鉛筆がすべることもない。とりあえず鉛筆を使って字を書くなら、装着しておいてなんのデメリットもないだろう。

↑マシな字が書けると愛用している「シグノRT-1 0.38mm」とプニュグリップのコンビ。最近はこの組み合わせをヘビーに使っている
↑マシな字が書けると愛用している「シグノRT-1 0.38mm」とプニュグリップのコンビ。最近はこの組み合わせをヘビーに使っている

 

鉛筆専用ということで公式には対応しないが、弾力があるのでボールペン軸にもなんとか装着することは可能。個人的にも「きれいな字を書こう!」と意気込んでいるときには、写真の組み合わせがお気に入りだ。

 

ダブルでがっつり矯正! 本格的な持ち方おけいこセット

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トンボ鉛筆 もちかたくん・ユビックス(右手用)/378円 ※もちかたくん(左)とユビックス(右)のセット

前述のプニュグリップは、やはり鉛筆グリップとしての性能が第一で、持ち方矯正はあくまでもオマケ要素に過ぎない。対する「もちかたくん・ユビックス」は、本気で筆記具の持ち方を矯正するのに使うおけいこ道具である。

 

なんせ使おうとするなら、まず親指の中心にわかりやすく線を引くところから始めねばならない。このあたりが本気のツールであるという所以だ。あとはその親指の爪の線を、鉛筆に装着したもちかたくん上の線に合わせるようにすると自然に正しいポジションがピタッと決まる、という仕組みである。

↑まずは持ち手の親指の爪中央に線を引く
↑まずは持ち手の親指の爪中央に線を引く
↑もちかたくんの基準線に爪の線を合わせると、そこがベストポジション
↑もちかたくんの基準線に爪の線を合わせると、そこがベストポジション

 

複雑な形状をしているため、ぱっと見では使い方がよくわからないが、爪の線さえ合えば正しく鉛筆が持てる。つづいては、人差し指と中指の間にユビックスを装着。この状態で鉛筆を持つと、軸がユビックスの縁に当たることで正しい持ち方の角度(50~60°)をキープできるようになる。

↑ユビックスは人差し指と中指で挟むように装着
↑ユビックスは人差し指と中指で挟むように装着
↑ユビックスの背に鉛筆を乗せると、ちょうど良い角度に
↑ユビックスの背に鉛筆を乗せると、ちょうど良い角度に

 

もちかたくんにより「正しい持ち方」を、ユビックスにより「正しい角度」を練習できるということで、この二つを同時に装着しての書き取り練習が効果的だ。

↑慣れていない持ち方なので、しばらくは指の筋肉が痙(ひきつ)りそうになる
↑慣れていない持ち方なので、しばらくは指の筋肉が痙(ひきつ)りそうになる

 

これだけビシッとポジションを固められてしまうと、使い始めはかなり窮屈さを感じてしまうが、30分も装着していればなんとなく力みも抜け「あー、こんな感じで持てばいいのか」という自然な指の位置がわかってくる。さすがに専用のおけいこ道具だけあって、じっくり使えば学習効果は高そうだ。

 

子どものために、まず大人が学ぶ持ち方矯正具

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北星鉛筆 大人のもちかた先生/734円

子どもの鉛筆の持ち方を正すには、そもそも大人がちゃんと正しい持ち方をしていないと駄目じゃないか! というごもっともな発想から作られたのが、補助軸タイプの大人用鉛筆持ち方矯正具「大人のもちかた先生」だ。

 

 

まずどこが大人用かというと、セットとして同梱されているのが鉛筆ではなく、鉛筆タイプのボールペン。筆記具の持ち方矯正というとだいたいは鉛筆用なので、ボールペンで持ち方矯正ができるというのは、大人としては確かにありがたい。

↑軸の穴に指を乗せてポジション決め
↑軸の穴に指を乗せてポジション決め
↑フック状のパーツを人差し指の背に乗せることで、角度も適正に
↑フック状のパーツを人差し指の背に乗せることで、角度も適正に

 

緑色のプラ製ハードグリップには親指・人差し指・中指の位置がそれぞれくぼんでいて、これまでのアイテム同様に持ち方が決まる。さらに、塩ビ管でカバーされたフックを人差し指の背に乗せることで、正しい鉛筆の角度も素早くキープ。このフックの位置合わせさえできていれば、握っただけでピタッとすべてが正しい位置におさまるので、書き出しで「えーと、角度がこうで、握りがこうで……」のようにモタつかず実用的だ。

↑もちかたくんと同様に慣れるまではかなり窮屈。でもすぐに慣れる
↑もちかたくんと同様に慣れるまではかなり窮屈。でもすぐに慣れる

 

持ち方を矯正する強度では、今回紹介した3点の中で最もがっちり固める感じ。どうしても窮屈な感じは否めないが、これも慣れ。しばらく使っているうちに、わりと自然な持ち心地に落ち着いた。このまましばらく使い続けてみたら、もう少しきれいに字になるのだろうか……。