言わずと知れたラベルライターの代名詞「テプラ」。ラベルライターというジャンル名を知っている人のほうが少ないだろう。オフィスにほぼ必ず一台は常備されているから、使ったことがある人は多いだろうし、テプラで表示された注意書きなどは、オフィスに限らずそこらじゅうにあるから、日本国民全員が一度は目にしたことがあるといっても過言ではない(、おそらく)。
それが、発売からとうとう30年の節目を迎えたという。しかも、累計販売台数は1000万台を突破! そりゃみんな知ってるはずだわ。
この度、この30周年&累計販売台数1000万台を記念して、銀杏色づく青山に「テプラカフェ」が期間限定でオープンした。そこではテプラの知らなかった世界を覗けるらしいと聞いて、さっそく行ってみた。
知ってしまった「テプラ」の世界……
1.初号機は黒電話ばりのダイヤル式だった!
テプラがこの世に商品として誕生したのは1988年11月。国内初の、漢字変換が可能なコンパクトなラベル製作機として登場した初号機が、「TR55」だった。
ひとつひとつ手動でエンボッシングしていく米国のラベルメーカー「ダイモ」を想起するひともいるかもしれない。まだまだキーボードが一般的でなかった時代に、操作性に配慮して採用されたのがダイヤル式だったのだ。
2.テプラのTは……名前に深い意味があった!
「テプラ」という名称は「テープライター」から由来する、というのは容易に想像がつくが、実はさらなる決意ともとれる思いも込められていたらしい。
T=Timely
E=Easy
P=Portable
R=Rapid
A=Affix
いつでも、誰でも簡単に、手軽に持ち運んで、その場ですぐに、貼り付けられる――― 30年もの間、新製品がコンスタントに発売されながら、このコンセプトがブレることなく続いているのは、けっこうすごい。
3.テープのラインナップが400種類以上にのぼる!
テプラは、本体で文字など印字する内容を設定、セットしたカートリッジから吐き出されるテープにそれを印字することで使用する。このテープが意外にも、只物ではなかった!
定番のほか、蓄光タイプや転写タイプ、耐熱タイプなど特定の現場やシーンで活躍するもの、またリボンタイプやマスキングテープタイプなどプライベートのシーンで楽しめるものまで、現在シリーズを通じて400種類以上にものぼる。
テプラ本体を一台手に入れれば、テープを新たに追加することによって“機能をアップデートできる”、ともいえる。IoTが当たり前になった現代、インターネットを介してソフトをアップデートするようなものだ。
さて、カフェというからには食事がなくては、そう名乗れない。無論、スペシャルメニューが用意されている。
パスタで、ポークで、クレープで、テプラの“多彩なテープ”をイメージした食事を味わえる。全メニューを試食してみたが、こういった期間限定のコラボメニューとしては驚くほど、味・質ともにクオリティが高かった。ぜひとも賞味してみて欲しい!
知らなかったテプラの世界、4つ目は、事務用品からはかけ離れた発想が生み出したものだ。