文房具
2018/11/3 16:15

オメデタ続きのキングジム「テプラ」を祝うテープだらけのカフェで知ってしまったこと

言わずと知れたラベルライターの代名詞「テプラ」。ラベルライターというジャンル名を知っている人のほうが少ないだろう。オフィスにほぼ必ず一台は常備されているから、使ったことがある人は多いだろうし、テプラで表示された注意書きなどは、オフィスに限らずそこらじゅうにあるから、日本国民全員が一度は目にしたことがあるといっても過言ではない(、おそらく)。

 

それが、発売からとうとう30年の節目を迎えたという。しかも、累計販売台数は1000万台を突破! そりゃみんな知ってるはずだわ。

↑10月29日に発売を開始した最新モデル「ラベルライター『テプラ』PRO SR370」(1万4800+税)。液晶を大きく、キーピッチにゆとりをもたせたことで操作性を向上させたほか、豊富や書体や連続して印刷できる機能などを追加しながら価格帯を抑えた、オフィス向けのエントリーモデル

 

この度、この30周年&累計販売台数1000万台を記念して、銀杏色づく青山に「テプラカフェ」が期間限定でオープンした。そこではテプラの知らなかった世界を覗けるらしいと聞いて、さっそく行ってみた。

↑紅葉の名所、青山の銀杏並木入り口に“テプラカフェ”が登場

 

知ってしまった「テプラ」の世界……

1.初号機は黒電話ばりのダイヤル式だった!

テプラがこの世に商品として誕生したのは1988年11月。国内初の、漢字変換が可能なコンパクトなラベル製作機として登場した初号機が、「TR55」だった。

↑1988年11月に発売された、記念すべき初代テプラ「TR55」

 

ひとつひとつ手動でエンボッシングしていく米国のラベルメーカー「ダイモ」を想起するひともいるかもしれない。まだまだキーボードが一般的でなかった時代に、操作性に配慮して採用されたのがダイヤル式だったのだ。

↑カフェの入り口には、この初号機をはじめ、歴代のエポックメイキングな名機が展示されている

 

↑来店し、後述するスペシャルメニューを注文した人先着100名には、テプラの最上位モデル「SR970」を象った精巧なミニチュアが進呈される。現行モデルはキーボードタイプが採用されている

 

2.テプラのTは……名前に深い意味があった!

「テプラ」という名称は「テープライター」から由来する、というのは容易に想像がつくが、実はさらなる決意ともとれる思いも込められていたらしい。

 

T=Timely
E=Easy
P=Portable
R=Rapid
A=Affix

いつでも、誰でも簡単に、手軽に持ち運んで、その場ですぐに、貼り付けられる――― 30年もの間、新製品がコンスタントに発売されながら、このコンセプトがブレることなく続いているのは、けっこうすごい。

↑テプラカフェ発表の場では、このコンセプトがあらためて披露された

 

3.テープのラインナップが400種類以上にのぼる!

テプラは、本体で文字など印字する内容を設定、セットしたカートリッジから吐き出されるテープにそれを印字することで使用する。このテープが意外にも、只物ではなかった!

↑おなじみのテープカートリッジ

 

定番のほか、蓄光タイプや転写タイプ、耐熱タイプなど特定の現場やシーンで活躍するもの、またリボンタイプやマスキングテープタイプなどプライベートのシーンで楽しめるものまで、現在シリーズを通じて400種類以上にものぼる。

 

テプラ本体を一台手に入れれば、テープを新たに追加することによって“機能をアップデートできる”、ともいえる。IoTが当たり前になった現代、インターネットを介してソフトをアップデートするようなものだ。

 

↑使用例の一部(写真はISOTのもの)。カフェの入り口には、歴代テプラだけでなく、機能性テープの一部も使用例とともに展示されている

 

↑テプラカフェでは、カラフルな店内装飾で種類豊富なテープをイメージ

 

さて、カフェというからには食事がなくては、そう名乗れない。無論、スペシャルメニューが用意されている。

 

パスタで、ポークで、クレープで、テプラの“多彩なテープ”をイメージした食事を味わえる。全メニューを試食してみたが、こういった期間限定のコラボメニューとしては驚くほど、味・質ともにクオリティが高かった。ぜひとも賞味してみて欲しい!

↑「マッシュポテトと帆立のグラタン『テプラ』スタイル」は、野菜をスライスし、テープに見立てた。炙ったホタテとしっかりとした味のソースと、シャキシャキとした食感でさっぱりした野菜がマッチ。たっぷりのマッシュポテトもなめらか

 

↑「『テプラ』テープの巻き巻きポルチェッタ」は、カートリッジに収められた巻きテープを、ローストポークで表現。ジューシーな肉の大ボリュームに、満足感が高い

 

↑「『テプラ』テープフィットチーネとフンギクリームパスタ」は、平打ちパスタでテープをイメージした。濃厚なクリームにたっぷりのきのこで、飽きがこないおいしさ

 

↑「『テプラ』ルーラード」は、チョコと巻き込んだクレープとトッピングしたテープ状の生クリームでテープを表す。フレッシュなベリーやいちじく、マスカットなどフルーツも盛りだくさんだ

 

↑フルーツの皮がテープのような「マイタイ KINGJIM スタイル」は、キングジムのコーポレートカラー=ブルーを取り入れた。飲むときは2層を混ぜて。ノンアルコール

 

知らなかったテプラの世界、4つ目は、事務用品からはかけ離れた発想が生み出したものだ。

 

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