GetNaviの「文房具総選挙」選考委員としてもおなじみ、いまテレビや雑誌などでも引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さんの連載が、GetNavi webでスタートします。
巷にあふれる文房具のなかから、菅さんの視点で選び、自腹を切ってまで手に入れた文房具を紹介していただきます。果たして、菅さんのお眼鏡に適ったのはどういったものなのでしょうか?
「ノック式で素早く使えて、見栄えのするボールペン」で辿り着いた最強セット
第一回は、「スーベレーン・ボールペン」(ペリカン)と「ジェットストリーム」(三菱鉛筆)の替芯のセットです。
展示会や取材など、仕事柄立った状態で筆記することが多いため、ノック式で素早く使えて、見栄えのするボールペンを探していました。
ドイツの有名筆記具メーカーであるペリカンの、代表作ともいえるスーベレーンは、万年筆がよく知られていますが、以前からノック式の美しいボールペンにも注目していました。
しかし、なかなか購入できずにいたのです。なぜなら、書き味が私の好みよりやや重たい印象だからです。
格好いいボールペンを使いたいけれど、書き味にもこだわりたい。どうしたらいいものかと悩んでいたところ、2018年2月になんと、三菱鉛筆からジェットストリームシリーズの替芯「SXR-600」が発売されました。
ジェットストリームといえば2009年に発売され、今では世界で年間1億本以上販売されているボールペンです。油性ボールペンながら、他にはない滑らかな書き味でファンを虜にしています。
“ヨーロッパタイプ”や“G2規格”と呼ばれるこの形状の替芯は、多少のサイズの違いはあるものの、ペリカンを始め、パーカーやシェーファーなど一部海外筆記具メーカーの替芯と互換性があるんです。(上記メーカーの中にも互換性のない形状があります)
このスーベレーンのボールペンには、もともとM(中字)の替芯が入っていましたが、私は細めの線が好きなので、ジェットストリームの0.5mm径の芯に入れ替えました。筆記線だけでなく、芯先の形状が異なるため、ペン先が出ている状態の見た目も違います。ペリカンの純正芯はやや丸みがあり、ジェットストリームの芯は純正芯よりも直線的ですっきりとしています。
書き味だけを替えるつもりで購入しましたが、このすっきりとした印象も気に入り、見た目も書き味も自分好みにできました。
海外筆記具の書き味を変えたい……と悩んでいる方は、ぜひ他メーカーの替芯も試してみてください。(※ただし、故障の際はメーカー保証対象外になりますのでご注意を!)