利便性を高めた据置型テープカッター
モノ同士を接着する道具というのは数あれど、その中でも使い方が最も簡単なのが、セロハンテープだと思う。欲しい分だけスッと引いて、ピッと切って貼るだけ。のり・接着材のように乾燥を待つ手間もなく、テープのりほど繊細な技術を必要としない。透明で、貼った下が透けて見えるのもポイントだ。
ただ、セロハンテープ単体では手で必要量を切ることができないため、“スッと引いてピッと切って貼る”という手軽さを担保しているのは、“台”となるテープカッターの機能によるところが大きいだろう。(実際、「セロハンテープ」と聞いて想像するビジュアルは、テープカッター込みのものだと思う)
このテープカッター、平面に置いて使う“据置型”と、軽量コンパクトな“ハンディ型”の二つに分類できる。どこにでも持って行けるハンディ型ももちろん便利だが、どっしりと安定して片手でテープを引いて切れる据置型の方が、作業効率は圧倒的に高い。
個人的にもテープカッターは据置型に限る! と思っているので、今回は最新の「便利な据置型セロハンテープカッター」を2点、紹介したい。
テープ交換スピードが最速のテープカッター
据置型テープカッターでセロハンテープを交換する場合、基本的に別体のプーリー(リール)をセロハンテープの芯にはめてカッター台に装着する、という作業が必要になる。プラスのテープカッター「TC-401」はその手間を極限まで簡略化した、最速でテープ交換ができるテープカッターである。
構造としては、プーリーを廃して、代わりに本体内部にバネ式のフックを搭載。これにより、テープを本体の上からポンと差し込むだけで装着が完了する。使い終わった芯を取り出す時も、真上に引き上げるだけだ。
実際にテープ交換に必要な時間を計ってみたが、10秒あれば余裕で古い芯を捨て新しいテープを切り始めることができた。まず、これはテープ交換最速ということで間違いないだろう。
ちなみに、バネ式フックのギミックは、かつては他メーカーの製品にも存在したが、現在は廃番のようだ。そのため、現時点ではワンタッチでテープが交換できる選択肢としてはTC-401が唯一ということになる。
機能のキモとなるバネ式フックには、4段の段差がついており、これが12mm・15mm・18mm・24mm幅のセロハンテープ芯にぴったり対応するという仕組み。
ただ、テープを引くときに真っ直ぐ引かないと、フックが上下に揺れることでテープ自体が段差を乗り上げ、ガタガタと不快な揺れを生じることが何度かあった。なめらかにテープが引けないと、手の感覚だけで同じ長さのテープを量産するのが難しい。そもそも感触としても気持ち悪いので、このガタつきは残念に感じた。
据置型テープカッターは自重と摩擦で平面上に固定されるが、TC-401は本体重量が約1.4kgと問題なし。置くだけで問題なくテープを切ることができる。
サイズは幅70mm・奥行き218mmと初見でも「おお、ちょっとデカいな」と感じるが、奥側にペン立てスペースを備えているため、使ってみればそれなりに実用的だ。
オフィスなどでは、据置型のテープカッターは“島”に1台のシェアアイテムとして扱われることが多い。作業をするときには、共有スペースから自席にテープカッターを持って移動することもあるが、そういうときは刃の下部分を握って持つことができるTC-401のハンドルデザインは、なかなか便利だ。
なにせ重量物だけに、変な場所を掴んで手を滑らせると、足の上に落ちてきたりと惨事になりやすい。地味なポイントだが、この形状はなかなか良くできていると思う。