3.手触りが心地よいコンクリートのペン
デザイン部門で惜しくもグランプリは逃したものの、注目を集めていたのがピージーデザインの「Kuramae Concrete Pen(クラマエ コンクリート ペン)」。なんとその名の通り、軸がコンクリートで作られた、かなり特殊なボールペンと専用ペンスタンドのセットである。
コンクリートとアルミのコンビ素材で、ペン重量が29g(一本差しのスタンドは50g)。スタンドから抜くと、指にかかるズッシリ感に最初はかなり面食らうだろう。一般的なボールペンが10g前後なので、約3倍。スリムなルックスにこの重量は、かなりの違和感だ。
ところが書こうとして握ってみると、あら不思議。確かに重いのは重いのだが、それが手に気持ちよく馴染む。これは重心がペン先に来るように上手くバランスが取られているからで、かなりしっかりと調整されているのではないだろうか。
ちなみに中には標準で三菱鉛筆の「ジェットストリーム」リフィルが入っているとのこと。互換性の高い芯径なので、この重量軸に合う書き味のリフィルを探して交換するのも楽しそうだ。
そしてなにより気に入ったのが、コンクリート製グリップの手触りだ。表面がかなりなめらかに仕上げられており、サラッと硬い感触が本当に気持ちいい。この手触りはちょっと他のペンでは得難いものだろう。コンクリート自体の持つひんやり感も相まって、夏場に握るのが楽しい一本だと思う。
残念ながらグランプリと優秀賞では、メディア露出の量がかなり違ってくる。正直、天と地の差と言ってもいいぐらい。とはいえ数多くのエントリーの中から優秀賞に選ばれるだけでもかなりすごいこと(すごい製品)なのは、本記事でもなんとなく分かっていただけたのではないだろうか。
今後もし店頭で「日本文具大賞 優秀賞」と書かれたPOPを見かけたら、ぜひ手にとってみてほしい。確実に、優秀なんだから。