【ド腐れ文具野郎 古川 耕 の文房具でモテるための100の方法】
No.97
プラチナ万年筆
キュリダス
7000円(税別)
キャップのないノック式万年筆。ペン先収納部に採用した柔らかな材質が気密性を高め、さらに気密空間を狭くすることでインクの蒸発を抑えています。ノック式ならではの機構が見える透明ボディを採用。
透明軸の万年筆で実用的にモテる
初めてインターネットで目にしたときに面食らい、店頭で実物を手にしても面食らい、日々使っていても、いまだに面食らっています。プラチナ万年筆から今月1月に発売されたノック式万年筆「キュリダス」は、いわばそのくらい類例のない万年筆なのです。
キャップのない「ノック式」と「スケルトン軸」、それぞれを採用した万年筆は過去にもいくつかありました。しかし、このふたつが組み合わさるとなると……いや、というより、それぞれの“チューニング”がまずもって異質なのです。
例えば同じ透明軸でも、昨今流行りのインクを愉しむような透け感ではなく、まるで20年前のデジタルガジェットのような、内部機構を誇示するためのスケルトン。また、パイロットの「キャップレス」やラミーの「ダイアログ3」といった(ノック式万年筆の)先行品にあったエレガンスさはなく、あくまで実用重視の無愛想な外見。どちらかといえば、同じくプラチナ万年筆の「プレピー」のような低価格万年筆の延長線上に置いたほうがしっくりくるでしょう。このクオリティで7000円(税別)という驚異の低価格も、そう考えれば腑に落ちます。
スチールのペン先は書きやすく、インクの渇きも最小限。いつでもサッと取り出して書き出せる、本当に身軽な万年筆として、気付けばレギュラーペンの一角に入っていそう。やはり、面食らってしまいます。
【これもモテ文具】
パイロット
キャップレスLS
3万5000円(税別)
ノック式万年筆「キャップレス」の最新モデル。つまみを回してペン先を収納する「ツイスト機構」も搭載します。ボディ中央のリングには、宝飾技術のダイヤカットが施され、エレガントな佇まいです。
「ド腐れ文具野郎 古川 耕 の文房具でモテるための100の方法」バックナンバー
https://getnavi.jp/author/koh-furukawa/