ロードバイクのメンテナンスの基礎知識を伝授するコーナー。今回は、「ハンドルの角度調整」についてレクチャーしていきます。ハンドルの角度は、走行中の疲労度、身体へのダメージに影響します。調整走行を繰り返し、ベストの角度を見つけましょう。
【使用する工具】
アーレンキー
【ハンドルの角度が水平】
長時間にわたって同じ姿勢でペダリングし続けるとかなり疲れる。この疲れを軽減するために、3つのハンドリングポイントを備えたドロップハンドルが用いられているのだ。
スピードを出したい場合にはハンドル下部を握り、登りの山道ではブラケットを握るというスタイルは実に理にかなっている。しかし、実は最も疲労軽減につながるのはハンドルの角度である。ハンドル角度は、ハンドルの下部のバーと地面が水平になるのが基本。その角度が手首、腰、そして膝への負担を等分にしてくれるのだ。
1.この位置が基本的なハンドルの角度。地面とハンドルが水平になるようにセッティングしたい。
ブレーキブラケットが基本的な位置にあると、無駄な力がかからない。手首への負担も少なくできる。
【ハンドルの角度が前下がり】
ただし、どんな走行でも、この角度がベストかというとそうではない。走行速度を重視する場合は、空気抵抗を減らすためにハンドル角度を前下がり気味に、前傾姿勢になるように調整をする。これはスピードを求めた角度で、基本姿勢より体重がハンドルを握る手にかかる分、手首への負担は増加する。
2.ハンドルが前下がりの場合、より深い前傾姿勢をとれて空気抵抗が減る。そのため走行速度は速くなるが、そのぶん腕への負担は増える。
基本的な位置に比べ、力を入れてブレーキブラケットを握る必要があり、手首にかかる負担は増す。
【ハンドルの角度が前上がり】
逆に、ハンドルを前上がりにすると姿勢が安定。ハンドルを握る手にはあまり力がかからなくなる。そのかわり、サドルにかかる力が増すので尻が痛くなることがある。また、身体が立つ分、空気抵抗が増してペダリングが重くなるのも覚悟しなければならない。
3.ハンドルが前上がりの場合、姿勢は安定する。しかし、サドルにかかる力が大きいので股の痛みの原因になる。また、姿勢が高いぶん空気抵抗が増す。マウンテンバイクに乗り慣れている人には、こちらのほうがしっくりくるかもしれない。
腕にかかる力は小さくなり、手首への負担は軽減。力を入れてブレーキブラケットを握る必要もない。
【こちらもチェック】
ブレーキブラケットの位置調整
ブレーキブラケットの位置は、ライディングポジションやブレーキングに大きく影響する。そのため、取り付け位置は慎重に決めたい。基本はブレーキレバーの先がハンドルの下部の延長線上になる高さだ。あとはブレーキレバーの引き具合を見ながら調整しよう。