乗り物
クルマ
2020/1/1 17:00

2019年の「国産車」で本当に乗ってよかったクルマは? モータージャーナリストが厳選!

新元号“令和”を迎えた2019年も数々の国産車がデビューしました。本稿では数ある国産車の中から、モータージャーナリスト岡本幸一郎氏が2019年登場した国産車の中から実際乗ってみて良かったクルマを選出しました。

 

【トヨタ】RAV4

日本カー・オブ・ザ・イヤー2019-2020の栄冠に輝いた「RAV4」は、さすがは栄冠に輝いただけのことはあり、魅力満載のクルマでした。まず、力強さを前面に押し出したデザインがイイ。走りの仕上がりも上々。燃費がよく快適なハイブリッドから、後輪にトルクベクタリング機構を備え俊敏なハンドリングを楽しめる「アドベンチャー」まで多彩に選べ、内容のわりに価格もリーズナブル。国内外でトヨタの予想をはるかに超えるヒット作になっているというのも納得です。

 

【マツダ】マツダ3

↑マツダ3ファストバック

 

↑マツダ3セダン

 

スカイアクティブで躍進してきたマツダの新世代商品群の第1弾として登場したのが、アクセラから改名した「マツダ3」です。グローバルネームになり中身も心機一転しました。「魂動デザイン」をさらに極めたスタイリングや、ひとクラス上の質感を実現したインテリアなど内外装は上々。硬さを感じる乗り心地や、静かで振動も小さいもののトルク感に乏しいディーゼルなど改善の余地は残るものの、新開発のシャシーや独自の「Gベクタリングコントロール プラス」による人馬一体の走りはマツダならでは。画期的なスカイアクティブ-Xにも注目です。共通性の高いコンパクトSUVの「CX-30」もすでに発売されています。

 

【トヨタ】ライズ/【ダイハツ】ロッキー

↑ライズ

 

↑ロッキー

 

全長4m未満、全幅1.7m未満の、あるようでなかった5ナンバーサイズに収まるコンパクトSUVとして登場した「ライズ/ロッキー」は、小さいながらも広い室内空間と荷室を備えているのがたいしたものです。ツートーンカラーがよく似合う力強い外観と、ちょっと武骨なインテリアデザインも好印象。走りは全体的に粗削りな印象も残るものの、コンパクトクラスとはいえSUVであることを念頭に悪路走破性を高めるべく、4WDに電子制御カップリングを備えてているのも特徴。価格も控えめて、いかにも売れそうな内容が満載のニューモデルです。

 

【三菱】デリカD:5

大がかりな改良を実施した「デリカD:5」も注目の1台です。数ある箱型ミニバンの中でも、世界で唯一の「オールラウンダーミニバン」を名乗るだけあって、少々の悪路や雪道でもものともしない走破性を誇り、乗り心地も3列目まで快適そのもの。押し出しの強いフロントマスクや高級感のあるインテリアにキルティング柄のシートなどプレステージ性を感じさせる内外装も魅力的。三菱車で初となる尿素SCRシステムを採用した最新のディーゼルはパワフルで静粛性にも優れます。荒れた路面でもしなやかな乗り心地とフラットな姿勢を保ち、コーナーでのロールも小さく抑えられていて、大柄なクルマながら軽快に走れるところも良かったです。

 

【日産】デイズ/【三菱】eKシリーズ

↑デイズ

 

↑eKワゴン(左)、eKクロス(右)

 

2019年は「デイズ/eKシリーズ」、「タント」、「N-WGN」と、軽自動車を手がける4大勢力のうちの3つが主役級のニューモデルを送り出しました。それぞれよくできていた中でも、特に個性的なデザインと走りのよさでキラリと光るのがデイズ/eKシリーズです。軽自動車の既成概念を打ち破る質感の与えられた内外装や、軽自動車初のブラシレスモーターを用いた電動パワーステアリング等による良好なハンドリングに、あのGT-Rの開発メンバーがかかわったというシャシーの仕上がりなど、目を引く要素が満載。

 

その他、2019年の国産車トピックスをおさらい

自動車の電動化と自動化がますます重視される中、2019年を象徴する先進技術としては、やはりハンズオフドライブを実現した日産の「プロパイロット2.0」の市販化が最大のトピックスといえるでしょう。市販車の動向においては、全体としてトヨタの強さが目立った1年でもありました。RAV4以外にも「スープラ」や「カローラ」のような話題性の高いニューモデルが出た上、さらに2020年には「ヤリス」の発売も控えています。

逆に大変だったのがホンダ。せっかくの新型車がご存知のとおりのような状況に陥ったのが惜しまれます。「N-WGN」は完成度の高さにおいてはかなり評価が高かったにもかかわらず、パーツ供給の問題で販売休止せざるをえなくなったわけですが、年明けには再開される見込み。また、2020年の早い時期にフィットの発売が控えているので、期待して待つことにしましょう。既存車種では、新顔「クロスター」を追加した「フリード」や、「ヴェゼル」にコンプリートカーの「モデューロX」が加わったのがニュースでした。

↑ホンダ/N-WGN

 

一方で、既存車種でも印象に残るものがいくつかありました。中でも日産は、EVの「リーフ」には高性能版の「e+」が追加されたほか、件の「プロパイロット2.0」を搭載した「スカイライン」や、ミニバン界の雄「セレナ」が新しくなるなど、印象的なものが多かったです。三菱は「エクリプスクロス」にディーゼルモデルを追加したほか、「RVR」や「アウトランダー」を改良。スバルは「インプレッサ」のマイナーチェンジを行ないました。

↑日産/リーフe+

 

さらにダイハツ 車でありながらトヨタブランドを名乗り、両社同一の車名で販売する「コペンGRスポーツ」の登場も注目を集めました。同車はドライバビリティの仕上がりも素晴らしく、すでに高く評価されています。

↑ダイハツ /コペンGRスポーツ

 

【フォトギャラリー(GetNavi webにてご覧になれます)】