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2020/3/17 21:00

横浜に誕生した「トレイルアドベンチャー・よこはま」で最新のe-MTBに爆乗りしてみた

横浜の観光名所のひとつ、よこはま動物園ズーラシアに隣接する自然共生型アウトドアパーク「フォレストアドベンチャー・よこはま」に、子どもから大人までが楽しめるトレイルコース「トレイルアドベンチャー・よこはま」がオープンしました。同施設は、横浜市が管理する自然豊かな里山を活かしたMTBやe-MTB専用のトレイルコース。緩やかな傾斜を利用した自然あふれる3つのコース(初級/中級/上級)が用意され、誰でも楽しめるレイアウトになっています。

 

MTBフリークに朗報!気軽に楽しめる注目スポット

整備されたコースは初心者が楽しめることを基本に設計され、攻略性のあるアップダウンが大きな魅力になっています。森のなかを駆け抜ける爽快感はMTBならではの楽しさ。コースのなかには連続するコブやバンクの付いた急カーブも設けられ、腕に自信のある上級者も楽しむことが可能です。

↑トレイルアドベンチャー・よこはまは走行コースを決め、その場所だけ走行することで環境への負荷を最小限にしています

 

今回の試走では全てのコースを走ってみましたが、初心者をターゲットというよりも、’80年代のMTBブームを経験したミドルエイジにオススメしたい設計になっていました。その理由はアップダウンを楽しみながらも、コースの長さが絶妙だということ。3つのコースを制覇しても1㎞程度と短く、コースの途中で力尽きても簡単にスタート地点に戻ることができます。短いコースだけに何度も周回することで攻略する楽しさが何度も味わえ、仲間たちとタイムトライアルを楽しんだり、自分のラップタイムの短縮を目指すこともできるショートコースならではの魅力が満載。攻略性に富んだ本格的なコースは、MTB本来の楽しさが満喫できる内容に仕上がっていました。

↑ 整備されたコースは3種類。初級(グリーン)、中級(ブルー)、上級(レッド)に区分され、初心者でも攻略できるように設計されています。どのコースも排水性を重視し、多少の悪天候でも快適なライドが楽しめます

 

施設内にはMTBや最新のe-MTB、ヘルメットのレンタルサービスもあり、「MTBや話題のe-MTBに乗ってみたい……」という人にオススメです。もちろん自転車の持ち込みもOKなので、テクニックを磨く場所としても魅力的。利用料金は3時間で2500円。レンタル費用はMTBが2300円、e-MTBが3800円となり、お得な「e-BIKEパッケージ」も用意されています。隣接するズーラシアや自然と共存できるアスレチック施設を楽しみ、アトラクションのひとつとしてMTBやe-MTBを満喫するのもオススメです。

↑ トレイルの基本料金は3時間で2500円。MTBの持ち込みも可能なので愛車を使ったライドも楽しめます

 

都心からもアクセスが近く、家族や仲間でワイワイと楽しめるトレイルコース。高性能なMTBを所有していても「走らせる場所がない」と嘆くフリークにとって、魅力的なスポットになることは間違いなさそうです。

↑レンタルバイク(MTB/e-MTB/子ども用電動バイク)やヘルメットも用意されているので手ぶらで体験することも可能

 

新たに誕生したトレイルコースで試す最新e-MTBの実力!

今回、新たにオープンされた「トレイルアドベンチャー・よこはま」を舞台に、ボッシュが主催する2020年注目のe-MTB試乗会が開催されました。会場にはアメリカが誇るメジャーブランド「トレック」から、本格派ライダー向けに開発されたフルサスe-MTB「Rail 9.7」とソリッドな乗り心地を発揮する「Powerfly 5」、ドイツの工業哲学が凝縮された注目ブランド「コラテック」から「E-POWER X VERT CX-P」という計3モデルが用意され、トレイルコースを心ゆくまで走り回れるという試み。

↑ 今回の試乗会にはボッシュの最新ユニットを搭載したモデルが用意され、各メディアの担当者がライドを体感。コラテックからはショーモデルとして製作された特別色を纏うE-POWER X VERT CX-Pも用意され存分に試乗することもできました

 

どのモデルにもボッシュ製の新型ユニット「Performance Line CX」が搭載され、その魅力を存分に味わうことができました。このユニットはボッシュがe-MTB専用に開発したもので、コンパクトなボディと悪路を走破するトルク感が大きな特徴。ライダーの踏力を検知してアシストを行う「eMTBモード」も搭載しています。

 

さらに内部構造の最適化を図り48%のダウンサイジング化に成功し、重量も29kgとなりe-MTBの軽量化にも貢献しています。ケース寸法を極限まで落とすことで、MTB本来の性能を引き出すことが可能となり、特にケース後端を薄くすることで、クランクの中心から後輪までのスケールが短くなり、ショートホイールベース化が実現できるようになりました。ショートホイールベース化によるメリットは、悪路を走るMTBならではのクイックなコーナリングやリニアな動きが再現できることです。

↑ 2019年に登場したボッシュ社製の新型ドライブユニットPerformance Line CXはトレイルライドに向けて開発された専用設計。ギアを変速することなくスポーティな走りを可能とし、75Nmの最大トルクを発揮します

 

今までのモデルはアシストモーターが大きかったことで、クランクの中心からモーター後端までの距離が必要となり、大きさが決まっている後輪の軸を後ろに設計しなければなりませんでした。これによってチェーンステーと呼ばれるフレームが長くなり、回転性能が求められるMTBでは大きなデメリットになっていたのです。その点を踏まえて臨んだ試乗会のレポートをお届けします。

↑3台のバイクをどんな味付けだったのでしょうか……

 

トレックの最新e-MTBは体験したことのない領域!

まず、最初に試乗したのはアメリカ最大級の自転車メーカーとして人気の高いトレックのRail 9.7。ツールドフランスにもバイクを提供する総合ブランドはロードバイクだけでなくe-MTBの世界でも注目を集め、同モデルはトレックのラインナップの中でも上位機種として憧れの存在。軽量なカーボン素材を使ったフレームにボッシュ製の新型ユニットを搭載。フルサスと呼ばれる前後サスペンションが与えられたハイエンドe-MTB。その価格は79万円と簡単に手が出せる存在ではありませんが、ライド感は価格を超える素晴らしさを披露してくれました。

↑ 本格的なマウンテンバイカーのために作られた最新モデルのRail 9.7。サイズはS、M、L、XLとなり、価格は79万円(税別)です

 

フルサス仕様のサスペンションは、凹凸の続くコースではしっかりと衝撃を吸収し、パニックになりそうなシーンでも快適かつ的確にバイクを操ることが可能。カーボン素材を使ったフレームも快適な柔軟性があり、バイク全体で凹凸を乗り越える感覚が楽しめます。

 

また、オリジナルで開発されたリアショックはペダリング時に制御が働き、しっかりと踏力が路面へと伝わるのでパワーロスがないのは大きな味方になってくれるはず。

 

スタイルはバッテリーを内蔵したダウンチューブデザインとなり、e-MTBでありながらもすっきりとしたメカメカしさが男心を刺激してくれます。最新のPerformance Line CXは脚力の衰えたミドルエイジには心強すぎる対応を見せ、グイグイと悪路のアップヒルを制覇することができました。唯一、気になる点としては大きなコブを飛び越えるようなシーンでは車両重量を感じてしまったこと。それなりに速度を上げてコブに挑める上級者ならば問題はなさそうですが、同モデルは初心者にはオーバースペックなのかもしれません。

 

 

初心者から上級者までを満足させるオールマイティなハードテールモデル

同じくトレック社からリリースされた2020年モデルPowerfly 5は、以前にもレポートをお届けしたようにスタイリッシュなフレームインバッテリーが大きな魅力。前回は街中での試乗でしたが、今回はトレイルコースでの試乗となり胸がときめきます。ファットなダウンチューブにバッテリーを内蔵し、シャープなデザインを実現。Performance Line CXを搭載した注目のe-MTBです。

↑ 120mmのトラベル量を持つロックショック社製のフロントフォークを備えたハードテールモデルPowerfly 5。フレームサイズはS、M、L、XLの4種類で、価格は46万円(税別)

 

まず、驚いたのがトルク出力の安定感。整地されているとはいえ凹凸の激しいコースでもグイグイと加速して登坂してくれるサポート力は貧脚ミドルエイジには見えざる手に押されているような頼もしさがありました。アシストの切り替えに用意されているeMTBモードにセットしておけばほとんどギアチェンジをする必要がなく、オートマチック的なイージーさで上り坂をクリアできます。

 

ギアの選択は自らの踏力をセレクトするのではなく、快適に漕げるケイデンス(漕ぐ回転数)に合わせて選ぶような感覚。そうなると「MTBの楽しさがないじゃない」と思うのが人情ですが、上り坂でギアをシフトする手間がない分だけコース取りやブレーキングに集中することができ、コースの攻略が楽しく感じられました。

 

同モデルはリアサスペンションを持たないハードテールと呼ばれる構造が与えられたシンプルな構造。リアの動きがリニアに感じることができ、初心者でも扱いやすいのが大きな魅力になっています。とはいうものの、フレームとファットなブロックタイヤが衝撃を吸収してくれるので乗りやすさも抜群。本格的なダウンヒルコースではフルサスモデルに軍配が上がりますが、一般的なトレイルコースやタウンユースではリジッドなハードテールの良さが大きなメリットになるはずです。

 

 

ドイツ×ドイツの最強コンビはe-MTBの世界に嵐を巻き起こす!

最後に。E-POWER X VERT CX-Pで実際にトレイルコースを走ってみた感想は、ハードテールらしいソリッドさを持ちながらも安心感を与える優れた操作性でした。バンクの付いた下り坂のコーナーや連続するコブを走破する場合、体を使ってフロントを抑え込む必要があるのですが、同モデルはフレーム自体が自動的に対応してくれるような扱い易さを発揮。日本人に合わせたジオメトリーへと再設計された車体は操作性に優れソリッドな乗り心地が大きな特徴です。

↑ ドイツ生まれのコラテックがリリースするE-POWER X VERT CX-P。同じドイツ製のボッシュPerformance Line CXを採用したハードテールモデル。フレームは39cm、44cmの2サイズ。重量は22.2kg(39cm)。価格は39万8000円(税別)

 

今回、試乗会に帯同していたグローブライドの社員でもあり、ライダーとしても活躍する兼岡邦旭さんにお聞きしたところ、「E-POWER X VERT CX-Pはヘッドアングルを66度まで寝かせ、チェーンステーを短くすることでハンドリングと旋回性をギリギリまで向上させています」とのこと。扱いやすい秘密はフロントフォークの角度が決め手になっているようです。

↑ コラテックの正規代理店であるグローブライドの兼岡さんはMTBライダーとしても活躍するアスリート。その品質の高さに太鼓判を押します

 

また、チェーンステーの短縮化に貢献したのはボッシュ製の新ユニットのコンパクトさ。25%の軽量化と、48%の小型化を実現したボッシュ製のPerformance Line CXはe-MTBの新たなる進化をサポートする新時代のユニットになっているようです。

 

ドイツ生まれのコラテックとボッシュの出逢いによって生まれたマニア好みの最新モデル。質実剛健な味付けはメルセデスやBMW、アウディなどのドイツ車が好まれているように、コラテックは日本市場におけるe-BIKE人気の起爆剤になりそうです。本製品は2020年5月発売。

 

 

2020年を境に始まったe-MTBのトレンドはフレーム内蔵バッテリーと本格的な走破性!

今回の試乗を終えて感じたことは2020年を境としてe-MTBのスタイルが大きく変わったこと。これまでは子乗せ電動アシスト自転車と同様、フレームに無理やりバッテリーを搭載した武骨なスタイルが一般的でしたが、新たなトレンドとしてバッテリーをダウンチューブに内蔵したスタイリッシュなデザインが主流になり始めています。今回、試乗した3モデルもバッテリーをフレームに内蔵したデザンが与えられ、スポーツバイクらしいスマートさが際立っていました。

↑フレーム内にバッテリーを完全にインサート。後付け感のないスッキリしたスタイル

 

また、スタイルの進化と共に本格的な悪路での走破性を高めていることも見逃せないポイント。本家のMTBを凌駕する実力を伴うことで『電動アシスト』という最大のメリットが何倍にも発揮できるということ。時速30~50㎞で巡航することの多いロードバイクの場合、日本の道路交通法によりモーターアシストが効くのは「時速24㎞まで」と定められ、高速での巡航時にはモーターやバッテリーは邪魔な重量物になってしまいます。しかし、低速で悪路や不整地を走るMTBの場合、電動アシストのサポート力が大きな武器になるということ。今後は更なる進化を遂げ、熾烈な争いが予想されるe-MTBの世界。その根本を支えるボッシュの最新ユニットPerformance Line CXが今後の鍵を握っていることは間違いなさそうです。

 

 

■トレイルアドベンチャー・よこはま

住所:神奈川県横浜市旭区上白根町1425-4
TEL:090-4750-0720
営業時間:9:00~17:00 (季節により変動あり)
※ 駐車場は17:00まで。車でご来場の際は注意。

 

 

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