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2020/4/4 18:30

「駅そば」もロボット化! 時代とともにハイテク化する日本の駅

ロボットやAIなどの最新テクノロジーを導入する動きが様々な業界で進んでいますが、駅の中にある立ち食いそば店でもそんな最新ロボットを利用する試みが始まっています。東京都内の駅の構内にあるそば店で、自動調理ロボットによる実証実験が4月15日までの期間限定で始まりました。

 

労働力の確保と従業員の負担軽減

↑駅そばロボットを実証実験している東小金井駅の「そばいちnonowa東小金井店」

 

駅で電車を待つわずかな時間で、さっと食べられる立ち食いそば。短時間で美味しい料理を提供するためには、効率的に調理することが不可欠です。そこでJR東日本グループでは店舗効率化を目指して、駅そばロボットの実証実験をJR東小金井駅にある「そばいちnonowa東小金井店」で開始しました。

↑ロボットがそばを茹でて、洗い、冷水で引き締める

 

この駅そばロボットが行うのは、そばを茹でて、洗い、冷水で引き締めるまでの3つの工程。アーム状のロボットが、麺を茹でるときに使うザル「てぼ」を3つ同時に持ち上げ、茹で上がったらぬめりを取り、冷水で引き締めるという工程を順番に進めます。このロボットは1時間で40食を作ることができて、店舗全体ではおよそ8時間の作業時間削減につながるそう。1日8時間といえば、従業員一人分の労働時間に匹敵。人出不足の問題が生じる中で、労働力の確保と従業員の負担軽減にもなります。東日本グループでは、この実証実験結果を踏まえて、本格的に駅そば店舗への導入を進めていくそう。

 

ホームやコンコースの掃除もロボットに

↑人の手が必要な時もあるロボット洗浄機

 

駅そばのほかにも、駅の構内で最新テクノロジーの利用が始まっています。京王グループでは、自立走行できる床面洗浄のロボットを2020年2月より京王線新宿駅構内で利用しています。ホームや駅構内で歩行者や障害物があれば、センサーで認識して回避しながら清掃可能で、走行中には周囲にいる人に向けて音声やウィンカーなどで注意喚起することもできます。ロボットの外観は、京王線5000系車両をイメージさせるデザインで、自動走行するときには京王ライナーの車内BGMやホーム進入時に流れるメロディを流すなど、京王線の電車にちなんだ演出も施されています。

 

高輪ゲートウェイ駅にはAI搭載型自販機

↑4か国語を操る「AIさくらさん」

 

3月14日に開業したばかりの山手線の新駅「高輪ゲートウェイ駅」にも、各種の最新技術が使われています。そのひとつが、AIを搭載した飲料自販機。この自販機では対話型接客システム「AIさくらさん」が搭載され、バーチャルアニメーションを表示しながらタッチパネルの操作方法を案内します。また顔認識システムで利用者の性別や年齢などの情報を把握。これに気温や時間帯をプラスしておすすめの商品も紹介します。

 

さらに日本語のほかに英語、中国語、韓国語にも対応しているので、自販機の利用になれていない外国人旅行者にとっても利用がわかりやすくなるほか、天気予報や乗り換え案内も情報提供可能です。この実証実験は高輪ゲートウェイ駅を皮切りに、東京駅・新宿駅・上野駅・秋葉原駅でも順次導入されていく予定とのこと。

 

昔の改札では、駅の係員が乗客の切符にハサミを入れていましたが、いまでは日本全国の多くの駅で自動改札が設置されるようになりました。そんなふうに、今後もさらに新しい技術が活用されていき、駅のなかの景色は時代とともに変わっていくことになるのでしょう。