【秋のおトク列車①】函館本線を走る特急ニセコ号が楽しみに
【その①】JR北海道 キハ183系「特急ニセコ号」運行(2020年9月5日〜)
ここからは秋にかけて特別に運行される限定列車の情報を見ておこう。こちらはおトクきっぷと組み合わせれば、鉄道好きにとって、かなり“おトクな気持ちになることができる列車”と言えそうである。まずは北海道から。
JR北海道の「特急ニセコ号」が9月中、8日間限定で札幌駅〜ニセコ駅〜函館駅間を走る。使われる車両はキハ183系だ。キハ183系といえば、2018年3月まで特急「北斗」として走っていた車両。道南での定期運行はすでに消滅し、わずかに残る臨時列車として、たまに姿を見るのみとなっている。羊蹄山を望む函館本線の通称・山線区間を走る姿も楽しみだ。
特急ニセコ号では倶知安駅〜ニセコ駅での車内販売や、余市駅での停車時間中にはホーム上で特産品販売が実施されるというから、こちらも楽しみだ。
【秋のおトク列車②】肥薩線復活を祈りつつD&S列車に乗りたい
【その②】JR九州 「かわせみ やませみ」&「いさぶろう・しんぺい」が連結して運転
(2020年11月までの土・日曜、祝日)
7月の豪雨による球磨川の氾濫により大きな被害を受けた肥薩線。この路線には複数の人気観光列車が走っていた。そのうち「かわせみ やませみ」と「いさぶろう・しんぺい」の2列車が8月8日から8月末、さらに9月〜11月に土曜・日曜・祝日に博多駅〜門司港駅間を走ることになった。
肥薩線応援企画と銘打った同列車の特別運行で、博多駅発が10時40分、戻りは門司港駅15時21分発となる。全車指定席で、車内では人吉・球磨地区の特産品も販売される。もちろんそれぞれの列車のオリジナルグッズの販売もある。通常、この2列車が連結して走ることは無いだけに、気になる列車となりそうだ。いつの日か肥薩線が復旧されることを祈りつつ乗車し、応援したい。
【最後に夏限定企画ですが】3色電車で「加太の元気を届けタイ!」
◆南海電気鉄道 加太さかな線 夏キャンペーン2020(2020年8月31日まで)
最後は8月末までの限定キャンペーンながら、つい暗くなりがちな世情をふきとばすような、元気の良い電車と路線を紹介しよう。南海電気鉄道の加太線(かだせん)。南海本線の紀ノ川駅と加太駅を結ぶ9.6kmの短い路線である。2018年から「めでたいでんしゃ」と呼ばれる電車が走り、路線の名前も通称・加太さかな線と呼ばれる。今は「かい」「さち」「なな」の3色の「めでたいでんしゃ」が走り、インスタ映えすると大変な人気になっている。
そんな加太線が「夏のキャンペーン2020」を開催中だ。「加太さかな線おさんぽきっぷ」(大人710円)、「加太観光きっぷ」(往復版:大人2000円、片道版:大人1420円・期間2021年3月31日まで)、「ぶらりたび加太プラン」(料金はプランにより異なる)のいずれかの企画乗車券を協賛施設や店舗で提示すると「めでたいうちわ」または「ご利益ステッカー」がもらえ、さらに特典をゲットできる。
同キャンペーンのサブタイトルは「加太の元気を届けタイ!」。鯛が名物の加太だから“元気を届け鯛”というわけだ。
今回に紹介できたパス&きっぷ、そして特別列車は、ごく一部でしかない。
まだまだ多くのおトクなきっぷや、商品が鉄道会社から企画されて発売されている。時代を反映したオフピーク時に使えるきっぷや、ソーシャルディスタンスを確保した特急乗車券付きの企画商品も売り出されている。こうした動きを見ていると、コロナ禍や、自然災害に何としてでも負けまいとする、鉄道を運行する人々の熱い思いが見えてくるようで、とても心強く感じられた。