前回の記事では、ノート、ヤリス、フィットをガチ採点したが、国産コンパクトカーの注目モデルはそれだけにとどまらない。本記事では、自動車評論家の清水草一さんに登場いただき、最新モデルから登場から10年近く経つモデル末期のものまで、現行車種の中から、コンパクトカー十傑をピックアップした。
※こちらは「GetNavi」 2021年2月号に掲載された記事を再編集したものです。
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【ハッチバック編】
サイズに制限のあるコンパクトカーでも後席を倒して多くの荷物を積め、高い実用性を誇る。サイズ感もつかみやすく運転しやすい。
【その01】トヨタの定番小型ハッチバックは欧州で人気アリ!
トヨタ
カローラ スポーツ
216万9000円〜284万1000円
ワイド&ローのスポーティなシルエットのボディに用意されたパワーユニットは、ハイブリッドと1.2Lターボの2種。1.2LターボにはiMTと呼ばれるMTも設定。同社のコネクティッドカーとしての顔も持つ。
【ココがスゴイ!】バランスは抜群! 基本性能の高さに納得
カローラというと、日本ではツーリングが人気だが、欧州では断然コレ。ガソリン車にMTが用意されているのも欧州風味でイイ!(清水)
【その02】ホンダのEVは原点回帰のシンプルデザイン
ホンダ
Honda e
451万円〜495万円
ホンダの新型EVはタウンユースを強く意識し、1充電あたりの走行距離は最長283km。それまでのEVと違い走行距離を伸ばすよりも、短時間の充電で走れる距離を重視。その結果、わずか30分の充電で200kmを走行可能だ。
【ココがスゴイ!】後輪駆動ゆえの小回り性能に驚愕
航続距離は短めだが、それはシティコミューターに徹しているから。軽より小回りが利いて感動! デザインはシンプルの極致で美味だ。(清水)
【その03】スズキらしい個性が光る隠れた傑作!
スズキ
イグニス
142万3400円〜203万600円
クロスオーバーSUV風のコンパクトカー。軽自動車並みの3.7mの全長は街なかで扱いやすいサイズだ。今年の仕様変更ではデュアルカメラブレーキサポートや助手席のシートヒーター、オートライトが全車標準装備となった。
【ココがスゴイ!】室内の広さよりも走りとデザインを優先
やんちゃな顔つきに大地を踏ん張る台形のフォルムは、いかにも走りそう。インテリアはイタリアの小型車みたいでセンス抜群だぜ!(清水)
【その04】クラス唯一のクリーンディーゼル搭載で我が道を行く
マツダ
マツダ 2
145万9150円〜266万7500円
デミオから改称された同車は、パワーユニットは直噴ガソリンエンジンとディーゼルエンジンをラインナップ。特にディーゼルモデルはクラス唯一の搭載車種で、その静粛性能には定評がある。落ち着いたデザインも好評だ。
【ココがスゴイ!】唯一無二を掲げるマツダの真骨頂
ディーゼルエンジンを積んだコンパクトカーは、世界的に貴重になりつつある。豊かなトルクとしっかりした足周りは長距離向きだ。(清水)
【その05】痛快! そして便利! 国民車にもなれる万能型ホットハッチ
スズキ
スイフト スポーツ
187万4400円〜214万1700円
エスクード用のエンジンに専用チューンを施した140PSを誇る1.4L直噴ターボを搭載。MT比率が比較的高いのも特徴のモデル。後席も使える実用性と軽快な走りは多くのユーザーが認めるところ。200万円以下からという価格設定も魅力だ。
【ココがスゴイ!】走りが楽しい! それでいて弱点なし
1.4L直噴ターボエンジンの加速は痛快そのもの。6速MTはもちろん、6速トルコンATでも十分楽しめる。広さや燃費にも不満ナシさ。(清水)
【その06】モデル末期でも魅力が褪せないハイブリッドカー
トヨタ
アクア
181万8300円〜219万8900円
2011年デビューのハイブリッド専用車。車両価格も手の届きやすいハイブリッドカーとしてロングセラーに。パワートレインは2代目プリウスをベースにし燃費面でも高評価。低重心で、シャープなハンドリングも意外な魅力だ。
【ココがスゴイ!】登場から10年でも売れ続けるモンスター
ものすごくフツーのクルマに見えて、実は重心が低く、曲がるのが得意。ハイブリッドバッテリーの重量配分の妙だ。いまだに魅力アリ!(清水)
【SUV編】
SUVは魅力的だけれども、大きなボディはちょっと……と考えるユーザーにはピッタリのコンパクトカー。その視界の良さは特筆モノだ。
【その07】無敵の小型オフローダーは世界中で大ヒット
スズキ
ジムニー シエラ
179万3000円〜205万7000円
クロカンモデルらしい武骨なスタイリングやラダーフレームなど多くの“本格”装備を持つクルマ。ミッションは信頼性の高い5MTと4ATを設定する。欧州にも輸出されるモデルなので、高速走行も構えることなく巡行可能。
【ココがスゴイ!】無骨なデザインが走破性能とマッチ
“ミニGクラス”ともいえる武骨なデザインが、シンプルで実にカッコイイ。悪路の走破性能は世界の一級品。無敵の小ささも強力な武器だ。(清水)
【その08】ゴツい顔した優しいヤツ、地味だけど憎めないね
ダイハツ
ロッキー
170万5000円〜236万7200円
ダイハツのクルマづくりの新コンセプト、DNGAに基づいたSUV。エンジンは1Lの直3ターボで98PS。組み合わされるミッションはCVTのみで、すべてのモデルに4WDが設定されている。トヨタ・ライズとは兄弟車。
【ココがスゴイ!】走りも居住性も満足のコンパクト
目立ったところはゼロだが、走りも乗り心地も居住性も適度に満足。SUVだと構えずに、フツーの小型車として買って間違いなし。(清水)
【その09】ヤリスに足りない部分をすべて満足させました
トヨタ
ヤリス クロス
179万8000円〜281万5000円
ヤリスとメカニカルコンポーネンツを共有するSUV。コンパクトな分類に入るが全幅で1700mmを超えるので3ナンバーサイズだ。パワーユニットは1.5Lガソリンエンジンとハイブリッドの2本立てで先進安全装備も充実。
【ココがスゴイ!】コンパクトだけれど押し出し感は十分さ
大ヒット中のヤリスの弱点は、後席の狭さ。でもヤリス クロスならまったく問題ナシ。見た目もカッコイイし、4WDも選べるぜ。(清水)
【その10】オシャレな都会派ながらキラリと光るスバルイズム
スバル
SUBARU XV
220万円〜292万6000円
現行モデルは2017年登場。2020年9月に大幅な改良が加えられた。基本メカニズムはスバルの伝統、水平対向エンジンにシンメトリカルAWDを組み合わせたもの。スバルの先進安全装備アイサイトを全モデルに標準装備。
【ココがスゴイ!】オシャレSUVだが走りは本物
XVに乗っていると、オシャレでアクティブな遊び上手に見えるから不思議だよね。もちろんスバル車だけに、走りは地味に本物さ。(清水)
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