いきなりステーキ
バーでは何時間もカウンター前に立ったままお酒を飲むのに、「立ち食い」には馴染みがないアメリカで、いきなりステーキは「椅子のないレストラン」ということで話題になりました。2017年2月にニューヨーク最初の店舗をオープンし、1年で既に5店舗に拡大しています。ただ、「ステーキの立ち食い」はあまりアメリカ人に好まれなかったようで、各店舗にそれぞれ立ち食い用テーブルの他に椅子の席も用意されています。
味だけではない「付加価値」――独自コンセプトと日本特有のサービス
ニューヨークで働く著者が見る限り、日本食チェーンブームの要因の1つとして、近年のラーメンブームで「日本食は寿司だけではない」という認識がアメリカ人に広がったことが考えられます。それに加え、多くの地元メディアが報じているように、「椅子のないステーキレストラン」や「仕切りがあり、一人ずつ会話せずに食べるラーメン屋」など、普通とは違う「ユニークなセッティング」も好奇心旺盛なニューヨーカーの興味をそそるように見えます。
また全店共通して、口コミサイトのレビューで「サービスの良さ」が多く言及されています。日本とアメリカのチェーン店において、サービスのレベルの違いが、日本チェーン店の人気に一役買っていると言えるでしょう。ウエイターは必ずしも日本人ではありませんが、トレーニングをしっかりと受けていることが分かる丁寧さや、知識の深さも共通して見られます。日本のおもてなしがアメリカでは大変驚かれ、好印象を残すのでしょう。