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2020/1/5 19:00

肌の一部になっちゃった! 「人工皮膚」でスマホを超個性派に

ド派手なデザインからユニークなデザイン、芸術風のものまで、個性を自由に表現できるのがスマホケースです。そんなスマホケースに、人間の皮膚に似せた「人工皮膚」を活用したものが発表されました。しかもつねったり、なでたりすると、スマホを操作できるというんです。人工皮膚のスマホケースとは一体どんなものでしょうか?

 

人工皮膚とは、名前のとおり、人工的に作られた皮膚のこと。やけどや手術などで皮膚が欠損したところに貼り付けて、皮膚の再生をサポートするなど、医療分野を中心に研究開発が進んでいます。手触りも人間の肌とそっくりで、触覚や血管なども再現するなど、より人間の皮膚に近い機能を持った人工皮膚が次々と開発されているのです。また、肌と一体化した人工皮膚を形成して、肌の凹凸やしわ、たるみを隠すなど、美容業界で人工皮膚の技術を応用した製品開発の動きもあります。

 

そして、そんな人工皮膚をスマホケースにしてしまったのが、イギリスのブリストル大学とTelecomm ParisTech、フランスのソルボンヌ大学の研究チームです。2019年10月の発表以降、注目を集めているこの人工皮膚は見た目がなかなかリアルですが、プロテクターとしてスマホを覆うだけでなく、スマホの操作もこのケース上からできてしまうのが特徴。

この人工皮膚は3層からなります。一番外側の表面は、押したりつねったりすると、その動作に伴って変化するシリコン製の層。その下は表面の動きを電気で伝える電極層、一番下は皮下組織層で作られています。これによって、スマホケースを手で持つなどの動きを「感じる」ことができるようになり、その位置や強さも検知することができるのです。

 

また、専用のメッセージアプリをスマホにダウンロードすると使い方も広がります。ケースを撫でて笑った絵文字を作り、ケースを軽く叩くと驚いた顔、強くつまむと怒った顔を作ることも可能。

 

この研究チームではケースをよりリアルにするため、人工皮膚に毛を埋め込んだり、人間のように温かくなるような温度機能の開発も進めているそうです。

「なぜスマホケースに、人工皮膚を使ったのか?」という疑問に対して、この研究チームは「皮膚は身近なインターフェースだから、毎日使うデバイスにそれを使わない手はない」と述べています。人とは違ったケースで個性を演出したい方は、こんな人工皮膚のスマホケースを試してみてはいかがでしょうか?