近い将来、兵士はジェットスーツを身につけて、アイロンマンみたいに空を自由に飛ぶかもしれない——。そんな未来が間近に迫っていることを感じさせるイベントが、先日イギリスで行われました。
2021年11月、イギリス軍の関係者が出席する「アーミー・ピープル・カンファレンス」で披露されたのが、イギリスのベンチャー企業「Gravity Industries」のジェットスーツです。重さ約25㎏のジェットスーツには、ガスタービンが左右の腕に2個ずつ、背中に1個搭載されており、灯油を燃料にして1000馬力以上の出力で空を飛ぶことが可能です。最高時速は時速80マイル(129㎞)以上になり、飛行高度は12000フィート(3658m)に達するそう。飛行時間は最大8分と限られていますが、ジェットスーツを着るだけで高速で空を自由に飛び回ることができます。
↑アーミー・ピープル・カンファレンスにおけるGravity Industriesのジェットスーツの実演(動画提供/デイリー・メール紙)
今回のイベントでは、Gravity Industries創業者のリチャード・ブラウニングが実際にジェットスーツを着用し、観客の前を飛行する様子が披露されました。ブラウニング氏はイギリス海兵隊の予備兵を6年間勤めていた経験があります。2021年の前半にはイギリス海軍が、同社のジェットスーツを使った海上パトロールのテストを行っていますが、陸軍も同様に軍事作戦の一環としてこのジェットスーツを使用することを検討していると報じられています。
航空工学にイノベーションを起こしているGravity Industriesのジェットスーツ。私たちは近い将来、アイアンマンのような兵士が誕生するのを目撃するかもしれません。