企業の規模が大きくなればなるほど、現場と経営陣のギャップは大きくなるものかもしれません。そんな溝を埋めるためか、先日、欧州の大手航空会社のトップが空の現場に出向き、社員と共に働いたことが海外の航空業界専門メディアで注目されています。
ルフトンハンザドイツ航空は、グループ全体の従業員数は10万人を超える大手企業。その最高経営責任者(CEO)を務めるイェンス・リッター氏が先日、フランクフルトからサウジアラビアの首都リヤド、そしてバーレーンまでを結ぶ国際線に搭乗しました。
同CEOが乗ったのは、乗客としてではなく、客室乗務員のアシスタントとして。行きはビジネスクラスで、帰りはエコノミークラスで乗客にサービスを行ったのです。
この経験について、CEOは自身のLinkedInに投稿。「私はルフトンハンザグループで長年働いていますが、客室乗務員として働く機会は一度もありませんでした」と、初めて現場に出たことを明らかにしました。そして、「メニューに記載されている食事と、機内に積み込まれた食事が合わないなど、計画通りに行かないことがいかに多くあることかと驚いた」と、社員たちが直面する現場での苦労や課題について身をもって体感したようです。
このCEOは、以前パイロットとして勤務していた人物。そのため、フライトの現場でのことはある程度経験して知っていることも多かったでしょう。それでも、夜の飛行時は睡魔と闘ったりするなど、たくさんの発見があったよう。「びっくりするほど多くのことを学べた」と言うCEO。「現場に出たことで、今後オフィスで決定を下す際は変わってくると思う」
単なるPR活動に終わらず、実際にルフトハンザのサービスがより良くなることに期待しましょう。
【主な参考記事】
One Mile at a Time. Lufthansa CEO Works Trip As A Flight Attendant. Aug 21 2023
LinkedIn. https://www.linkedin.com/feed/update/urn:li:activity:7098227992987852800/