提供:株式会社TCL JAPAN ELECTRONICS
液晶テレビは大型化が進んでおり、以前ならプロジェクターでなければ手に入らなかった60型オーバーの画面サイズも、手の届きやすい価格の製品が多数登場してきています。
しかも、単にサイズが大きいというだけでなく、コントラスト比の高さ、明るさ、色再現性、滑らかな表示といった映像としての美しさも年々向上。これらは多くの技術によって実現されていますが、とくに注目しておきたいのが「QD(量子ドット)」や「Mini LED」でしょう。

Mini LEDは、バックライトに無数の極小LEDを敷き詰めることで映像を表現する技術。画面を細かな領域に分割して個別制御する「ローカルディミング」と組み合わせ、明るい部分では輝度を上げ、暗い部分では輝度を下げることができるため、単一バックライトと比べコントラスト比を高めやすいというメリットがあります。
現在はLEDと量子ドットを使用する「QD-Mini LED」(量子ドット Mini LED)や、光源としてR(赤)G(緑)B(青)のLEDを使用する「RGB-Mini LED」などがあり、どういった技術を採用するのか、各社が工夫しているところです。
なかでも気になるのは、量子ドットを用いた技術開発を積極的に行っているTCLが今年発表した、QD-Mini LEDをさらに進化させたという「SQD-Mini LEDテレビ」です。この最新技術を採用した同社の最新プレミアムモデル「C8L」がどんな製品なのか、その魅力に迫ってみましょう。
目次
従来と何が違う?「SQD-Mini LED」が実現する高画質とは
まずはTCLの次世代テレビ向け技術であるSQD-Mini LEDについて、簡単に解説していきます。
従来のQD-Mini LED方式は、一般的な液晶パネルに比べてエネルギー効率が高くて明るく、色再現性も高い点が魅力です。C8Lに搭載されているSQD(スーパー量子ドット)は、TCLの独自技術により、この強みをさらに進化。これまで発光素材と保護層によって作られていた量子ドットフィルターの材料を見直し、高効率発光素材、高密度電子層、合金バリア層、高度保護層、高純度スペクトルとすることで、69%もの色再現の精度向上を実現しています。
さらに豊かな色を再現できるようになったことで、より洗練されたのがSQD-Mini LEDと言っていいでしょう。

ところで現在、もうひとつの次世代テレビ向け技術として注目されているのが「RGB-Mini LED」です。こちらは赤・緑・青の3色の独立したMini LEDを活用することで色再現性を高める技術ですが、なぜあえてRGB-Mini LEDを採用せず、独自のSQD-Mini LED方式に挑戦したのでしょうか?
RGB-Mini LEDパネルは赤・緑・青の各色を混ぜ合わせて色を作りますが、実は「LEDの色ごとに発光効率が大きく異なる」ため、それぞれの輝度にはばらつきがあります。たとえば混色で白色光を作る場合、輝度を低い色に合わせて落とさなければならないことから、画面の最大輝度が制限を受けるのです。本来であればもっと明るくできるはずなのに、輝度が低い色が足を引っ張ってしまうわけですね。また、画面全体が赤っぽくなるというような、いわゆる「色かぶり」の状態が起こる場合もあります。
これに対し量子ドットフィルターを使うSQDは、元の光源が単一なので、どの色も高輝度で発光できるというのが強み。さらに、量子ドットの粒子は桁違いに細かく、各色を近くに配置できることから、白色光への合成距離を短くできます。これにより、本体の薄型化が容易になっています。
また、青色のスペクトルが強く出がちなRGB-Mini LEDと比べ、ブルーライト強度が抑えられている、というのもSQD-Mini LEDのメリットと言えるでしょう。色再現性以外にも複数のメリットがあるため、今回のプレミアムモデルではSQD方式を採用している、というわけです。

もうひとつ、色域を高めるのに採用された技術が、新開発のカラーフィルターです。
C8Lに採用されている「WHVA 2.0 Ultraパネル」では、使用する染料の分子サイズを従来の12分の1にまで小さくし、より純度が高く、透過率も高いフィルターとなっているのが特徴。これにより、従来比で33%も広い色域となっているというのだから驚きです。

さらに、7000:1のコントラスト比、画面への光の反射率0.5%、178度という広い視野角を実現しているほか、明るい部分の光が暗い部分に漏れてしまうハロー現象を抑える技術「TCL全領域ハロー制御テクノロジー」を採用するなど、画面を美しく見せる工夫がこれでもかというほど投入されています。
このWHVA 2.0 UltraパネルとSQD-Mini LEDとを合わせて採用することで、BT.2020色域100%カバーを達成。単色が美しいだけでなく、様々な色が絡み合う映像においても、安定した美しい表示が可能となりました。
ちなみに、C8LのSQD-Mini LEDは最大6000nitsと高輝度になっているだけでなく、ローカルディミング(Mini LEDを部分駆動する分割数)のゾーン数は最大4000分割以上。これまでの最上位モデルにも迫るスペックとなっています。
暗部の表現は圧巻。細部まで抜かりない映像は映画もゲームも文句なく楽しめる

実際にC8Lの画面を見て驚いたのは、明るい部分から暗い部分まで、細部に滲みやボケを感じない映像となっていたこと。とくに暗部の表現力が高く、通常であれば黒く潰れてしまうような部分まで、しっかり表示されていました。


といっても、淡く表現されるべき部分がくっきり表示されてしまう、という話ではありません。目にしたのは、花びらの根本から先にかけて変化する色のように、注意して見なければ気づかないような繊細な部分が、繊細さそのままに表示されている、というものです。このおかげで画面に立体感や奥行きが生まれ、よりリアルな、没入感の高い映像体験が可能になります。
スポーツやニュースといった番組では気になりませんが、画作りにこだわりのある映像では、この差はかなり大きく感じそうです。とくに、映画やゲームを4Kで楽しみたいという画質重視の人には、かなり刺さるのではないでしょうか。
では、解像度が低く、圧縮によるディテールの劣化やノイズが目立ちがちな、YouTube動画や地上波デジタル放送ではどうでしょう。素直に考えれば宝の持ち腐れになってしまいそうですが、アップスケーリング機能やノイズ除去技術の進化により、かなりキレイに表示してくれます。
もうひとつ、ゲームをプレイする人にうれしいのが、高リフレッシュレート表示に対応していること。4Kで144Hz表示ができるほか、フルHD解像度までなら最大288Hz表示にも対応しています。

さらに、FreeSync Premium Pro認証を取得していることも見逃せません。これは、リフレッシュレートをゲーム画面の描画タイミングに同期させ、画面のズレやカクつきを解消するというもの。PCを接続して大画面でプレイしたい人はもちろん、PS5でVRR(Variable Refresh Rate)を使いたいという人にもうれしいですね。
また、FreeSync Premium Proには、低遅延、HDR表示のサポートなども含まれているので、タイミングがシビアなリズムゲームや対戦格闘、FPSを始め、画面の美しさをウリにしているRPGやアクションなどにも向いています。レースゲームであれば、眼前に広がる景色を視界いっぱいに映せるため、かなりの臨場感あるゲーム体験ができるでしょう。
サウンドも充実。Bang & Olufsen監修の音響システムで際立つ音の透明感
映像作品をフルに楽しみたいのであれば、画面の美しさはもちろんですが、臨場感や迫力のある音も重要です。ですが、とくに薄型のテレビではスピーカーを内蔵するスペースが限られてしまうため、どうしても音は犠牲になりがちでした。

しかし、C8Lでは音響にもこだわり、世界的なオーディオブランド「Bang & Olufsen」が監修した音響システムを搭載。チューニングによる繊細な音の表現と、立体的な音場の再現を可能にし、内蔵スピーカーながら満足いく高音質を実現しています。
実際に聞いてみて驚いたのは、内蔵スピーカーにありがちな「くぐもった音」といった印象がまったく感じられないことです。音の透明感、抜けの良さが際立っており、長時間聞いていても疲れない、自然な音だという印象をもちました。それでいて音の広がりもあるので、映画やスポーツから、音声メインのニュース番組まで、ジャンルを問わず気持ちよく聞くことができます。
立体音響としてはDolby Atmos、DTS:Xをサポート。テレビ内蔵とは思えないほど立体感のある音が楽しめます。
壁掛けにも対応の薄型・狭額縁デザイン

デザイン面での大きなトピックは、ベゼルがわずか数ミリという極細になっていることでしょう。今までも、ベゼルが目立たないほど細いモデルはありましたが、C8Lではさらに、液晶の非表示領域が0mmとなっているのがポイント。つまり、ベゼルのギリギリまで映像が表示されているのです。

ここまでベゼル+非表示領域が細いと、テレビという表示機の存在が薄れ、空間にいきなり「映像がある」という方がしっくりくるほど。本体の厚みが薄いため、壁掛けで使うとその印象はいっそう強くなります。


ちなみに、C8Lのスタンドはサイズによって異なり、98V型は左右2つに細い足があるタイプ、85V型~55V型は中央1つで幅のあるタイプとなっています。このスタンドは、30mmとわずかですが、高さ調整が可能。下げた位置で隙間を減らし、整然とした雰囲気にするのもいいし、上げた位置で隙間を広げ、リモコンなどを置きやすくするのもいいでしょう。
快適な視聴体験をサポートする接続性とTCL AI
テレビ機能としては、地上波デジタル、BS4K/110度CS4K、BS/110度CSのチューナーを装備。それぞれ視聴用、録画用が独立しているので、裏番組の録画で困ることはありません。
また、4K 144Hz入力に対応するHDMI入力が3系統あるので、BDレコーダーやゲーム機、PCなど複数の機器を接続したいときでも安心です。

Google TVを搭載していることもあり、Fire TV Stickなどを用意しなくても、数多くの動画配信サービスが利用できます。複数のサービスと契約していても、テレビ本体の機能だけですべて視聴できるというのが便利です。
現在はまだ搭載されていませんが、夏ごろのアップデートでGeminiへの対応も予定されています。情報を探し、まとめるAIアシスタントとして期待したいところですね。
なお、C8Lに搭載されている映像プロセッサー「TSR AiPQ」でもAIを活用。奥行き情報から立体的な映像として調整する「Ai-コントラストマスター」でコントラストの最適化を行なっているほか、「Ai-カラーマスター」ではよりリアルな色彩への最適化、「Ai-クラリティマスター」ではノイズの低減とディテールの向上、「Ai-モーションマスター」では動きを予測した揺れやボケの軽減処理などが行なわれています。

面白いのは、テレビを映像表示機としてではなく、絵画のように、雰囲気を作るインテリアとして扱えるようにするアプリ「T-Exhibition」を搭載していること。このアプリでは、世界の名画を集めた「アートギャラリー」、生成AIアートの「”AI”Art」、美しい風景と心地よい環境音を楽しめる「リラックスタイム」、手元の写真を鑑賞できる「ローカル画像」が利用できます。

これ1台で満足できる高画質&高音質
SQD-Mini LEDによる高画質と、Bang & Olufsenの音響システムによる高音質で、映像体験が大きく向上しているというのがC8Lの最大の魅力でした。映画やゲームといった4Kコンテンツを最高の環境で楽しみたいと考えているのであれば、この基本性能の高さはまさに待ち望んだ1台と言えるでしょう。
また、性能だけでなく機能面でも魅力が多く、動画配信サービスを楽しみたい、インテリアとしてテレビの画面を活用したい、という人にもピッタリです。
ここ数年、大型テレビへと買い替えたいと考えている人が増えていますが、どうしても高価な買い物となるため、少しでも安く手に入れたいというのが本音でしょう。しかし、価格を下げるため性能に妥協し、機能を省いた製品を選んで満足できるかというと……難しいのではないでしょうか。

しかし、C8Lなら55V型モデルが26万円前後と、プレミアムモデルとしてはコストパフォーマンスの面でも優れています。それ以上のサイズになっても、65V型モデルが35万円前後、75V型モデルが45万円前後、85V型モデルが60万円前後、98V型モデルが100万円前後と、まずまずお手頃な価格です。
さらに、通常1年保証が多いテレビにおいて、標準で3年保証となっているのが心強いところ。洗練された長く使える1台を探しているなら、必ずチェックしておきたいモデルです。
撮影/ヒゲ企画