TCLエアコン「Pシリーズ」は買いか?デザインから機能、快適性まで 冷え性の“家電のプロ”が徹底チェック

ink_pen 2026/6/30
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TCLエアコン「Pシリーズ」は買いか?デザインから機能、快適性まで 冷え性の“家電のプロ”が徹底チェック
近藤 克己
こんどうかつみ
近藤 克己

1966年生まれ、福島県出身。大学では考古学を専攻。主に生活家電を中心に執筆活動する家電&デジタルライター。レビューや検証記事では、オジさん目線を大切にしている。得意分野は家電流通・家電量販店。趣味は、ゴルフ、ギター、山登り、アニメ、漫画、歴史、猫。

提供:TCL

今年の夏は全国的に気温が高く、9月以降も残暑が厳しくなると予想されています。そのような中、既に30℃を超える気温を記録した場所もあり、家電量販店のエアコン売り場も活気を呈している状況です。

とはいえ、店頭には数多くのエアコンが並んでおり、どれを選んだらよいのか分からない状態。「値段が高いモデルのほうがいいの?」「それほど高くなくても大丈夫?」……こればっかりは実際に試してみないと分かりません。

そこで、TCL JAPAN ELECTRONICS(以下、TCL)が今年日本で初めて発売したエアコン「AI節電シリーズ TAC-P2225I-W」(6畳タイプ)を、実際、自宅に取り付けて快適さと省エネ性を両立する「AI節電」の効果などを体感しました。

「TCL AI節電シリーズ エアコン」

TAC-P2225I-W(6畳用)

能力:冷房2.2kW(0.6~3.3kW)/暖房2.5kW(0.5~3.8kW)
畳数の目安:冷房6~9畳/暖房6~7畳
消費電力:冷房415W(150~1150W)/暖房490W(140~1200W)
期間消費電力量:631kWh
通年エネルギー消費効率(APF):6.6
省エネ基準達成率:100%(目標年度2027年度)
サイズ:室内機W798×D285×H250mm/室外機W728×D257×H551mm

悪目立ちせず、部屋に自然に溶け込むデザイン

同モデルは、販売店や時期によって異なるものの、実売で10万円を切るケースもある6畳用スタンダードモデル。「2027年度目標省エネ基準達成率」は100%と、新基準をクリアした省エネモデルでもあります。電気代が高騰する昨今、省エネ性も確かに重要ですが、エアコンの本質的な性能がもっとも気になるところ。果たしてその実力のほどはいかに?

↑スッキリしたデザインで明るい部屋によくなじむ「AI節電シリーズ TAC-P2225I-W」

今回、エアコンは妻の寝室に取り付けました。妻が就寝前にテレビを見たり、スマホを見たりしてリラックスするスペースであるとともに、在宅ワークの筆者も時々、気分転換のためにこの部屋で仕事をしています。

この部屋は東側と南側に窓があり、とても明るい部屋なのですが、TCLのエアコンは光沢感のないマットな質感なため、自然に部屋に溶け込み、視界の邪魔をしません。シンプルなデザインが生活空間によくなじんでいます。

↑マットな質感と曲線を多用したフォルムによりホワイト系の壁紙に溶け込み、視界の邪魔をしないのも好印象です

もっともよく使うリモコンは、比較的大きめに造られており、各種ボタンが大きくて押しやすいのが特長。エントリーモデルながら多機能なエアコンではありますが、各種の付加機能はリモコンのスライドカバー内に収められているので、冷暖房の運転といった主要な操作に迷うことはないでしょう。

↑リモコンの液晶表示、基本機能ボタンが大きく、見やすくて操作がしやすいです。付加機能用のボタンはスライドカバー内に設置されています

なかでもとりわけ使いやすいなと感じたのが、基本操作ボタンに付けられた絶妙な突起。一般的にエアコンのリモコンには、夜間の暗がりの中などでも手触りだけで操作できるようにボタンに小さな突起が設けられているものはよくありますが、TCLエアコンの場合、左側の冷房ボタンには左上に突起、右側の暖房ボタンには右上に突起、停止ボタンには下側に棒状の突起が付いており、とても分かりやすいのです。一度、ボタン配置を覚えてしまえば、リモコンを見なくても手探りだけで操作できます。

↑基本操作ボタンの絶妙な突起により、夜の暗がりでも手探りだけで基本操作ができます

AIが冷やしすぎを抑え、快適さと節電を両立する「AI節電」が本命機能

この製品名にもなっている「AI節電」は、AIが室温の変化を先読みし、運転を自動でコントロールしてくれる機能。特別な操作をしなくても、必要以上に冷やしすぎたり暖めすぎたりするムダを減らし、知らないうちに電気代をカットしてくれるのが大きな魅力です。

実際の使い心地も、ただ強く冷やすのではなく、部屋全体を自然に整えてくれるような感覚です。冷えすぎるということがなく、体に負担がかかりにくいので、就寝時や長時間の在宅ワークでも快適に過ごせました。

また、ネット接続などの複雑な設定は一切不要です。電源を入れるだけでAIが自動で最適な運転をしてくれるので、意識しなくても電気代を節約できるのが助かります。温度・風量・風向きは自由に調整ができるため、好みの快適さを保ったままでムダだけ削減できるのもポイントです。

ちなみに、メーカーの検証によると、最大約18.1%の電気代削減効果が確認されているとのこと。電気代が気になる昨今、毎日使用するエアコンとして家計にもやさしい一台になると思います。

↑室内機にAIを内蔵。電源を入れるだけで、温度変化を先読みし、快適さと省エネを両立した最適な運転を実行。複雑な設定や操作は不要です

独自ルーバーが実現する冷房が苦手な人にも“やさしい風”

筆者は実は冷房の風が苦手です。身体に冷気が直接当たると肌が乾いた感じになり不快になるとともに、脚のスネやつま先に当たると下半身が冷えてお腹を下してしまうのです。

そのため、これまではエアコンのルーバーを壁の方に向けて冷気を回避していましたが、それでも冷気が回り込んできて不快に感じることが多々ありました。

そんな冷え性の私にとって“これはいい!”と思ったのが、「やさしい風」機能。2枚あるルーバーのうちの上のルーバーとエアコン本体の間から、スリットの入ったフラップがせり出して風を拡散させるとともに、下のルーバーが上向きに動いて、風がより上方向に吹き出せるようにするものです。

↑スリットが入った「やさしい風フラップ」により冷気が拡散されて肌当たりのよい風になります。下のフラップも上に動き、人に当たらないよう風を上方に誘導します

このやさしい風機能をオンにすると、明らかに風の質が変わるのが分かるのです。名前のとおり、やさしい風が拡散し、部屋全体がゆるやかに冷えていく、そんな感触に包まれていきます。


なお、やさしい風運転は冷房モード時のみ利用可能。自動/暖房/除湿/送風モードでは利用できず、運転中は上下・左右風向の調整はできません。

↑やさしい風などの付加機能ボタンはリモコンのスライドカバー内に収納されています

もう朝日の暑さで目覚めなくていい!朝までぐっすり快眠サポート機能が優秀

「室温パトロール機能」も便利でした。この機能をオンにしておくと、夏は室温が28℃以上になると冷房運転を開始し、冬は14℃以下になると暖房運転を自動的にスタートしてくれます。また、一定の室温条件に達すると自動で停止するため、つけっぱなしになりにくいのも安心です。

設置した部屋は東向きなので、朝日が上ると急激に室温が上がり、暑さで目が覚めてしまいます。昨年までは、暑くて目が覚めたら自分でエアコンをオンにして二度寝する、ということを毎日繰り返していましたが、「今年はこの機能のお陰で暑さで目覚めることなく朝までぐっすり」と妻が喜んでいます。

さらに「おやすみモード」を使うと、設定温度に合わせて冷房・暖房を自動で調整してくれます。表示ランプも約10秒で消灯し、風量は「しずか」運転に切り替わるため、就寝時の光や音が気になりにくいのも好印象です。

日中、仕事をしているときにも、部屋が暑くなったら自動的に冷房が動き出すので、集中力を切らすことなく仕事に没頭できます。これはいい。

↑やさしい風、AI節電、室温パトロール、パワーセーブなどの付加機能をオンにすると、液晶にアイコンが表示されるのも分かりやすいです

オール電化家庭の強い味方!電流約50%で運転する、冬の夜の電力ピーク時にも心強い「パワーセーブ」機能

もう一つ、これは便利かもと思ったのが、「パワーセーブ」機能。夏場は活躍するシーンが少なそうですが、冬の夜に重宝しそうです。

というのも、わが家はオール電化家庭のため、深夜になるとエコキュートが動き出します。そのときに、各部屋でエアコン暖房を使い始めると、ブレーカーが落ちることがあります。気をつけていても、何度も落ちました。

パワーセーブ機能は約50%の電流で運転するもので、複数の部屋でエアコンを運転したり、他の家電製品と併用したりするときに、ブレーカーが落ちるリスクを抑えるのに役立つとのこと。冬場は恩恵に預かれること間違いないでしょう。

ここまで細かい機能を見てきましたが、肝心の冷房能力はというと、当たり前ですが、問題なくちゃんと冷えます。0.5℃刻みで室温設定できるので、自分好みの室温を維持できます。動体センサーは搭載されていないので、自動で人当て・人避け気流はできないものの、上下・左右のルーバーはリモコンで操作できるため、思い通りの風が送れます。もちろん、上下・左右ともに自動スイングも可能です。


また、梅雨時期や室内干しの多い季節に便利なのが「快適除湿」です。16〜31℃の幅広い温度帯で、0.5℃単位の細かな温度設定ができるため、冷えすぎを抑えながら、じめじめ感をやわらげられるのも使いやすいポイントです。

↑上下ルーバー・左右ルーバーの向きはリモコンで好きな位置に設定できます
↑ルーバーの“自動”はオートスイングの意味。冷気・暖気が拡散されて室温のムラがなくなります

冷房後の乾燥運転とアイス洗浄で、ニオイや汚れの原因を抑える

エアコンを購入するときに個人的にもっとも重要視しているのが、エアコンを清潔に保つ機能です。

エアコンは冷房・除湿運転をすると、熱交換した際に発生する湿気が熱交換器や風路などに付着し、それがホコリと合わさるとカビが発生する原因となります。

そのため、冷房・除湿運転した後は、エアコン内部をしっかりと乾かすことが必要になります。この機能がTCLのエアコンにも搭載されている「内部クリーン」です。

以前使っていたエアコンには内部クリーン機能が搭載されていなかったのですが、買い替え時に取り外して内部を見たら、熱交換器も風路もすべてがカビで真っ黒でした。エアコンからカビが吹き出される中で毎日を過ごしていたのかと思うと、恐ろしくなったものです。

TCLのエアコンでは、あらかじめ内部クリーンモードをオンにしておくと、自動・冷房・除湿モードで30分以上運転した後、停止と同時に自動的にエアコン内部の乾燥運転をスタートしてくれます。約90分かけてしっかり乾燥させ、カビが繁殖しにくい環境づくりをサポートしてくれるので安心です。

↑内部クリーン運転中はエアコン本体の表示部のクリーンランプが点灯

さらに、「アイス洗浄」モードも搭載されています。フィルターによりエアコン内部にホコリが侵入することを防いでいますが、それでも細かいホコリは侵入し、熱交換器に蓄積されていきます。前述のように、これがニオイや汚れの原因につながることもありますが、アイス洗浄は、強制的に熱交換器を結露→ホコリや汚れと一緒に凍結→溶かして洗い流す→57℃の高温乾燥、という工程によりホコリ・汚れを洗浄します。公式情報によると、アイス洗浄は結露・霜付着・洗浄・高温乾燥の工程を自動で行い、約35分で洗浄が完了するとのことです。

↑アイス洗浄前の通常の状態
↑アイス洗浄をスタートすると熱交換器が徐々に霜で覆われていき、その後、一気に溶けてホコリや汚れを洗い落とします

さらにこのとき、室外機はファンが逆回転して熱交換器に付着したホコリや汚れを吹き飛ばし、熱交換効率の低下を抑えてくれるそうです。

↑アイス洗浄中は室外機もファンを逆回転して、熱交換器のホコリや汚れを吹き飛ばしてくれます


カビやニオイが気になる季節だからこそ、清潔機能は重視したいポイントです。エアコンの清潔機能は、夏を快適に過ごすうえでもっとも重要なポイントの一つです。

↑シンプルな構造なのでフィルターが外しやすい。冷暖房効率を落とさないために、シーズンごとのお手入れが重要になります

コスパに優れた6畳用スタンダードモデル!手に入れやすい価格帯で快適空間を

エアコンはただ冷えればいい、暖かくなればいいというものではありません。夏の熱中症対策や冬の低体温リスクへの備えとして、暮らしを支える重要な存在になっています。冷暖房性能もさることながら、快適性と清潔性にも目を向けてエアコンを選んでほしいと思います。

↑蒸し暑い日でも快適な部屋の中で仕事に没頭できる!

撮影/鈴木謙介