ソニーは、他社に先駆けて35mm判フルサイズ仕様のミラーレス一眼カメラを開発・販売。コニカミノルタから受け継いだ既存の一眼レフの流れを汲むAマウント製品もあるが、注目度が高いのはEマウントのミラーレス一眼だ。エントリーユーザーにも使いやすいAPS-Cサイズ機から、プロやハイアマが注目するフルサイズ機まで、ニーズに合わせた幅広いシリーズ展開も魅力。ここでは、そうしたソニー製ミラーレス一眼の現行ラインナップの代表機種を「上級機」「中級機」「入門機」にわけて紹介。その特徴について解説する。
【上級機】レンズの性能をフルに生かす4240万画素機
上級機としては、α7シリーズが該当する。なかでもα7RIIは、有効約4240万画素の35ミリ判フルサイズ裏面照射型CMOSセンサーを採用する、高画素タイプのフルサイズ機。高解像感が得られるローパスフィルターレスセンサーを採用し、同社が誇るツァイスやGマスターなど高性能レンズの能力を最大限に引き出せる。
信号処理システムを一新した「α7R III」もまもなく発売
秒間約20コマ連写が可能なα9も登場
【中級機】像面位相差AFなど注目機能“全部入り”小型機のα6500
中級機としては、APS-Cサイズセンサーを搭載した小型ボディに、光学式5軸ボディ内手ブレ補正や425点の像面位相差AFなどを採用したα6500を用意。AF/AE追従で最高約11コマ/秒の高速連写も実現している。高画質な4K動画撮影にも対応。センサーサイズ以外は上級機に近い、いわば“全部入り”の中級機となっている。
【入門機】初心者に最適なタッチパネル採用のα5100
エントリーユーザー向きの小型軽量APS-Cサイズ機としてはα5100がある。連写が6コマ/秒で動画もフルHDまでだが、179点像面位相差AFセンサーの採用によって速くて正確なファストハイブリッドAFを実現。タッチ操作に対応したチルト可動式液晶モニターなど、初心者にも使いやすい機能を持つ。
【αシリーズ5つの特徴】機種ごとに特徴的な機能を備えるのが魅力
αシリーズの場合、機種ごとに得意ジャンルが設けられている。例えば、α7RIIは有効約4240万画素の高画素、α9は秒間約20コマの高速連写、といった具合。そのため、特徴ある最新機能を全部入れた機種というのは存在せず、APS-Cサイズのα6500が全体のバランスがいい機種といえる程度で、機種ごとの魅力が際立っている。それを前提に5つの機能について紹介する。
特徴1/最先端なセンサー
α7RⅡとα9は、裏面照射型35ミリフルサイズCMOSセンサーを搭載。センサーの配線層をフォトダイオードの下に配置する構造で、高画素でも高いダイナミックレンジが得られる。加えて、α9はメモリー一体積層型センサーとすることで、高速データ読み出しも可能だ。
特徴2/ボディ内5軸式手ブレ補正に対応
最新のαシリーズミラーレス一眼は、ボディ内に5軸手ブレ補正機構が搭載されている。一般的なレンズ内補正式では対応できるのは角度ブレのみだが、ボディ内5軸式採用により、回転ブレなどにも対応。その補正効果は最高約4.5段分(α9は5.0段分)となっている。
特徴3/高速連写
高速連写に強い機種が多く、中級機のα6500でも約11コマ/秒、高画素なα7RIIでも約5コマ/秒の連写に対応する。なかでもα9は、読み出し速度が高速なメモリー一体積層型CMOSセンサーを採用し、電子シャッター使用で約20コマ/秒の連写を実現。しかも、ファインダー像が撮影中も途切れない、ブラックアウトフリー仕様となっている。
特徴4/高感度
α7SIIでは画素数を約1220万画素に抑え、徹底した低ノイズ設計とすることで最高ISO感度409600を実現。このほかのモデルも、裏面照射型構造を採用するなどして、α9は常用感度ISO51200を達成。センサーの小さなα6500も常用ISO25600、拡張ISO51200で撮影できる。
特徴5/4K動画
4K動画撮影機能も高性能。6K相当で映像を取り込んで高画質化を図ったα9やα6500、α7RⅡやα6500で可能な、センサーの24×14mmの部分を用いるSuper35㎜時の全画素読み出しで画素補完のない質の高い動画など、高解像で階調再現に優れた撮影が行える。