ストリーミングとMQAに対応した未来派思考のFiiO「M11 PRO」
AKMつながりでは、FiiO「M11 PRO」の方には「AKM AK4497」がデュアルで搭載されました。こちらの押しも押されもせぬハイエンドDACチップで、Astell&Kern「SP1000」も採用しています。バランス出力は4.4mmと2.5mmの両方に対応、アンバランスは3.5mmです。サイズは130mm×70.5mm×15.5mmで重さ220g、バッテリー容量を増やして連続再生は13時間以上になりました。DSD256のネイティブ再生、PCM384kHz/32bitに対応します。
シャープでエッジが立った音で、解像度重視のFiiOらしさを受け継いでいます。低域はタイトで中高域をマスクしません。ワイドレンジで情報量が多く、音の分離がよく音場感も出ます。まさにハイレゾ音源向きのプレーヤーですが、女性ボーカルに癒されたいという用途に向かないかもしれません。BluetoothはaptX HDとLDACの両方に対応、MQAにも対応した最新スペックをハイコスパで使えるモデルだけあり、試聴には長蛇の列ができその注目度の高さを実感しました。
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ハイコスパ高音質ヘッドホンアンプの決定版iFi Audio「ZEN DAC」
低価格で高音質、高性能を実現するイギリスのiFi Audioから登場する「ZEN DAC」(1万8000円)はU2万円で驚異のハイスペックを叩き出した。DACチップは同社の得意とするBarBrownを使いDSD256ネイティブ再生、PCMは384kHz/24bitまでをサポートします。またMQAのデコード機能も備えました。
アナログ回路にはゲイン切り替えがあり、イヤホンやヘッドホンの種類によって最適の音量が得られます。また、DSPを使った独自の低域の増強回路TrueBassは中高域に干渉することなく深く沈み込む低音を実現します。そしてバランス出力対応。これも画期的です。出力端子は4.4mmですが、純正アクセサリーでXLR変換ケーブルが発売される予定です。
スマホやDAP用に高音質なイヤホンやヘッドホンを入手した人は、次にこのヘッドホンアンプを導入すれば、さらなる高音質を使用中のイヤホンから引き出すだせるに違いありません。ボリュームが付いているのでDACプリとして、またボリュームを固定してUSB/DACとしても使えます。
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漆黒の闇から音が浮かび上がるOJI Special「BDI-DC44B-R EX Limited」
ヘッドフォン祭には、普段は聞く機会のないハイエンドモデルに出会える楽しみがあります。特に注文生産に近いモデルは、店舗に展示されることもほとんどありません。今回は純国産のハイエンドヘッドホンアンプメーカーOJI Specialのブースで「BDI-DC44B-R EX Limited」を試聴することができました。
同社は以前からバランス駆動にこだわりS/N感の良さを追求してきましたが、その結果、LR独立電源を発展させたHL独立電源を搭載したモデルに到達しました。高周波チューニングを施したBモデルをベースにして、スパイクとインシュレーターをカスタマイズするSilBフル装備、さらに特別選別したアンプと基板、内部シールド配線を見直し、フルテック製ロジウムメッキACアウトレットを装備しています。
バランス接続のbeyerdynamic「T1 2nd Generation」で試聴すると何もない空間から女性ボーカルがポッと浮かび上がるように歌ってくれます。音像定位が非常にシャープで頭の中の奥深い1点から密度の濃いボーカルが定位して、その周囲に楽器が配置されたように聞こえます。
トータルの試聴システムは数百万円になってしまいますが、手持ちのDAPやスマホ用にステレオミニケーブルも接続されていて、普段、使っている機器と楽曲でのアンプ試聴もできます。これはOJI Specialの自信の表れで、確かにDAPからのライン出力でも同社の音の良さは実感できました。新製品でなく愛用のヘッドホンでも、まだ音が良くなる可能性を教えてくれるヘッドホンアンプです。
次回は、秋のヘッドフォン祭2019で見つけた注目のイヤホン&ヘッドホンを紹介しますので、お楽しみに!
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