運動会や行楽シーズンの秋。屋外で動き回る子どもの撮影の機会が増える、という方も多いのではないでしょうか。パパ・ママにとって子どもの撮影は、成長の様子を記録できる大きなチャンス! ですが、予想のできない動きをするからブレてしまったり、ピンボケしてしまったりと、なかなか良い写真が撮れない……という失敗体験談もちらほら聞かれます。そこで、動き回る子どもでもしっかり撮影できるデジタル一眼カメラをプロカメラマンの吉森信哉さんが推薦! オススメの3モデルを厳選し、その性能を実際に使って検証してもらいました。今年こそシャッターチャンスをモノにしたいと思うパパさん・ママさんは必見です!
【今回のガイド】
カメラマン
吉森信哉さん
風景や寺社仏閣撮影をライフワークとするプロカメラマン。カメラの新製品レビューや評価の経験も豊富。
【3項目CHECK】
今回、子ども撮影の際に意識しておきたいカメラの3つの性能を評価しました。
①AF(オートフォーカス)性能
画面の広範囲に測距点があると、動く被写体にピントが合いやすくなります。AF速度の面では、「位相差AF」という仕組みを採用しているほうがよいとされています。購入前にチェックしておきましょう。
② 色再現
子どもをはじめ、人物を撮る場合は、肌の色再現が重要になります。適度に明るく、そして滑らかな質感で再現できるかに注目しました。
③手ブレ補正
運動会などでは、子どもを望遠域で撮る機会が多くなります。手ブレ補正機能が強力だと、望遠レンズ使用時もブレにくくなり、失敗が少なくなります。
強力なAF性能で被写体の動きを確実に捉える
ソニー
α6000
実売価格7万7000円(パワーズームレンズキット)
コントラストAFと像面位相差AFを合わせた「ファストハイブリッドAF」という機能によって、高速で正確なピント合わせができます。最高約11コマ/秒の連写もでき、動体撮影に最適なモデルです。小型ボディながら、大型グリップを採用し操作性も◎。
【SPEC】
●有効画素数:2430万画素 ●撮像素子:APS-C型 ●ISO:100-25600 ●連写:約11コマ/秒
↑レンズ付きボディとバッテリー、メモリーカードの実測でたったの461g。極めて軽量で軽快にハンドリングできるモデルです。
【3項目CHECK!】
①AF性能 ★★★★★
179点の像面位相差AFと25点のコントラストAFが同時に作動。画面の広い範囲で高速なAFを実現します。
②色再現 ★★★★★
顔認識性能に優れ、人物の肌が明るく滑らかに写ります。子どもや女性の撮影に最適な仕上がりといえます。
③手ブレ補正 ★★★
レンズ内の補正のみを採用。約4段分の補正効果があり、広角~標準域での室内撮影などに効果的に機能します。
【作例】
防塵・防滴機能と5軸手ブレ補正でタフに使える
オリンパス
OM-D E-M5 MarkⅡ
実売価格13万4550円(14-150mmレンズキット)
5軸手ぶれ補正を搭載し、防塵・防滴仕様で耐低温性能も備えるなど、信頼性が高いモデルです。アートフィルターも豊富で実用的な1台だといえます。
【SPEC】
●有効画素数:1605万画素 ●撮像素子:4/3型 ●ISO:100-25600 ●連写:約10コマ/秒
↑ボディ・レンズともに防塵・防滴仕様でタフに使えます。山や海など、場所を問わず子どもを安心して撮影できるのはうれしいポイントです。
【3項目CHECK!】
①AF性能 ★★★★
81点のコントラストAF方式を採用。撮影タイムラグが短く、ストレスを感じないAF速度でした。
②色再現 ★★★★
顔認識により肌が適度な明るさで再現され、色再現も自然にまとまっています。人物全般に適した仕上がりです。
③手ブレ補正 ★★★★★
本体に5軸手ぶれ補正を搭載。約シャッター速度5段分の補正で、望遠域での子どもの撮影にも高い効果が期待できます。
【作例】
4K動画にも対応するハイエンド一眼レフ
ニコン
D500
実売価格34万200円(16-80VRレンズキット)
プロ機並みの約10コマ/秒連写が可能で4K動画にも対応する、APS-Cセンサーのハイエンド機。可動式タッチパネル液晶を搭載するのでライブビュー撮影も快適に行えます。
【SPEC】
●有効画素数:2088万画素 ●撮像素子:APS-C型 ●ISO:100-51200 ●連写:約10コマ/秒
↑高速なXQDカードとSDカード(SDXC・UHS-Ⅱ対応)のダブルスロットを採用。連写や4K動画など、大容量が必要な撮影でも確実に記録できます。
【3項目CHECK!】
①AF性能 ★★★★★
動きに強い、153点の位相差AFセンサーを採用しています。画面の広い範囲をカバーしており、高速なAFが特徴のモデルです。
②色再現 ★★★★
3機種中では、やや暗めに見えますが正確な露出です。肌の色再現も誇張のない仕上がりといえます。
③手ブレ補正 ★★★
レンズ内補正式で、最新レンズはシャッター速度4段程度の効果。広角~標準域なら、低速シャッターでの撮影もストレスなく行えます。
【作例】