ノイズキャンセリング機能やスタミナが向上するなど、進化がめざましく、最近は2〜3万円台に良作が続々登場。盟主・Apple AirPods Proに勝るとも劣らない3製品の実力をチェックした。
※こちらは「GetNavi」 2022年3月号に掲載された記事を再編集したものです。
2022年 完全ワイヤレスイヤホンの3か条
1 もはやNCは必須!精度やモードに注目
周囲の音を打ち消す「ノイズキャンセリング(NC)」は、もはやマストの機能。最新モデルでは、複数のマイクやプロセッサーによる精度の向上、外音取り込みモードの多彩さなどに注目したい。
2 長時間の使用も快適な装着感の良さを重視
歩行中にズレたり落ちたりしないことは第一条件。加えて、昨今テレワークで使う機会が増えたこともあり、長時間着けても耳が痛くならないかもチェックすべき。通話時の音声処理にも要注目だ!
3 スタミナ性能に加えて急速充電への対応も要確認
有線タイプと違い、充電が必要なワイヤレスではバッテリーの性能が重要。イヤホン本体で10時間以上(NCオフ時)持つ機種が理想だ。さらにNCオン時の再生時間や、急速充電への対応も確認すべし。
私が選出しました
音楽リスニングだけでなくテレワーク需要も増加
かつての完全ワイヤレスイヤホンは、「音が途切れる」「バッテリーが持たない」などの欠点を抱えていた。しかし現在ではそうした問題は大幅に改善されている。イヤホンジャックのないスマホが増えたこともあり、いまやイヤホンの主力とすらいえるジャンルだ。
昨今、音質の向上に加え、中〜上位製品では付加価値も求められている。例えば街なかでも安全に使える外音取り込み機能や、テレワークで必要な通話性能などだ。
ソニーのWF-1000XM4は、ユーザーの状態や位置によって自動的にNCや外音取り込みをオン/オフする機能を搭載。テクニクスのEAH-AZ60は、ビームフォーミング技術や音声解析により、通話の音声をハッキリと相手に伝達できる。そしてゼンハイザーのCX Plus True Wirelessは、わずか10分の充電で1時間のリスニングが可能なため、急な外出時も安心だ。
いずれもApple AirPods Proと同価格帯。用途を踏まえつつ、好みの製品を選ぼう。
第3位 最上位機種と同等のパーツで妥協のない高音質を楽しめる
ゼンハイザー
CX Plus True Wireless
実売価格2万1780円
ドライバー:φ7mm密閉ダイナミック型
連続再生時間:最大8時間(NCオフ時)
防水性能:IPX4相当
質量:約6g
※質量はイヤホン2つの合計の数値
ハイレゾ相当の高音質を楽しめるコーデック・aptX Adaptiveに対応。NCと外音取り込み機能を備えるほか、通話中には周囲の騒音を低減して自分の声を相手へクリアに届けられる。イヤーピースはXS、S、M、Lの4種類が付属。
SPEC●対応プロファイル:A2DP、AVRCP、HFP●対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive●充電時間:1.5時間(フルチャージ)/10分(1時間作動)●通信方式:Bluetooth Ver.5.2
【IMPRESSION】 付加機能は最小限だがノイキャン性能と音質は確か
「専用アプリは機能満載というわけではありませんが、ノイキャンで騒音がしっかり除去されますし、音質はクセがなく原音に忠実。極めてコスパの高い製品といえます」(湯浅さん)
第2位 「内」と「外」2つのマイクにより高精度なNCを実現
テクニクス
EAH-AZ60
実売価格2万8000円
ドライバー:φ8mm密閉ダイナミック型
連続再生時間:約7.5時間(NCオフ時)
防水性能:IPX4相当
質量:約7g
※質量はイヤホン2つの合計の数値
96kHz/24bitのハイレゾ音源をワイヤレス再生できるLDAC対応機。音響構造にこだわり、低域・ボーカル・高域と全体にわたってリアルな高音質を実現した。通話時に自分の声だけをクリアに相手に届けられる通話音声処理技術を採用。
SPEC●対応コーデック:LDAC、SBC、AAC●充電時間:約2時間(本体)/約2.5時間(充電ケース)●通信方式:Bluetooth Ver.5.2
【IMPRESSION】 騒音がピタリと止まる高性能ノイキャンに驚き
「装着感は非常に安定しており、ランニングなどの激しい動きでもまったく落ちる不安を感じませんでした。15分の充電で約80分(NCオフ時)使えるので、急な外出でも安心です」(湯浅さん)
第1位 周囲の状況に合わせて最適なNCと外音取り込みを行う
ソニー
WF-1000XM4
実売価格3万1050円
ドライバー:φ6mm密閉ダイナミック型
連続再生時間:約12時間(NCオフ時)
防水性能:IPX4相当
質量:約7.3g
※質量はイヤホン2つの合計の数値
ワイヤレスながら、最大転送速度990kbpsのLDAC規格に対応し、ハイレゾ品質での再生が可能。前モデル(1000XM3)を超えるNC性能を誇り、乗り物などの低周波ノイズから音声などの日常ノイズまで広い帯域にわたって騒音をカットする。充電ケースはQi規格のワイヤレス充電に対応。
SPEC●対応プロファイル:A2DP、AVRCP、HFP、HSP●対応コーデック:SBC、AAC、LDAC●充電時間:約1.5時間●充電方法:USB/ワイヤレス(いずれもケース使用)●通信方式:Bluetooth Ver.5.2
【IMPRESSION】 耳栓状のイヤーピースがノイキャン効果を増強!
「NCをオンにすると、騒音が劇的に低減します。バッテリーはNCオフなら最大12時間再生可能なスタミナが魅力。イヤホンが大きいためやや心配でしたが、外れることはありませんでした。広い空間と厚みを感じるサウンドも素晴らしい」(湯浅さん)