2025年に流行するモノは何か、専門家が大断言する「GetNavi NEXTトレンド」。今回取り上げるのはフード部門。
サントリー「翠」の登場以降、大手が次々と参入している「ジントニック缶」や、世界で市場を拡大させている「うどん」、若い女性を中心に話題となっている「麻辣湯」など、2025年話題のフードを紹介していく。
【ジントニック缶】「翠」が火付け役となったジン。いまや大手がこぞって参入
ほんのりビターで風味が多彩、食事に合わせやすく低糖質。こうした理由で、ウイスキーに次ぐ人気の洋酒となったジン。火付け役は、2020年に瓶が、22年に缶商品が発売されたサントリーの「翠」ブランド。近年は、アサヒがジンベースのチューハイ「GINON」、キリンがジンブランド「杜の香」、サッポロもジンの要素をもつ「クラフトスパイスソーダ 食の愉しみ」を発売している。
そこで迎えた今季、サントリーとキリンがほぼ同時期に、ジントニックの新作を発売。ソーダ割り以外の嗜み方が根付くか要注目!

ジュニパーベリー100%によるピュアなほろ苦さと爽快感
キリンビール
KIRIN Premium ジントニック 杜の香(期間限定)
実売価格190円
ジンの大半が複数の素材で味の個性をつくるなか、本品のベースに使われているジン「杜の香」は、ジンの最重要な原材料「ジュニパーベリー」100%で蒸留。24年8月にジンソーダ、11月にトニックが登場した。

ジンの苦さも甘さも熟知するサントリーの最新作
サントリービール
ジントニック専門店G&T
実売価格184円
●1都9県限定発売
「愛だろ、愛っ。」「GIN GIN ジングルベル」「ジンと肉」「友達がやってるバー」など、長年ジン市場に挑戦してきたサントリーの最新作。オリジナルとオレンジを24年11月、ライチを12月に発売した。
【ヒット確定の根拠】すでに開発競争の兆しが見えていて競合の動きに期待大
「ここ1〜2年でジンソーダの新ブランドが市場をいっそう盛り上げていたところ、今度はトニックの新作が登場。アサヒは数年前にジントニック缶を発売していましたから、出そうと思えば出せるはず。この開発競争に注目!」(フードアナリスト・中山秀明さん)
【うどん大躍進】世界規模のうどんチェーンに北九州の雄が関東で挑む!

もちもち食感と強いコシで、業界王者に君臨する讃岐うどんだが、「待った」をかける動きが起きている。それが、福岡うどんの雄、北九州市発祥の「資さんうどん」の関東進出だ。
23年夏に、東京・神田に限定出店した際は3日で1200人以上が行列を生み、24年12月は千葉、25年春には東京に各1号店が開業予定。最大のライバルはご存知「丸亀製麺」であろうが、同社も近年は47都道府県のつけ汁うどん企画や「丸亀うどーなつ」のヒットなど大盛況。激戦による市場拡大は必至だ。
味の向上や新作開発にも余念がない世界一のうどん店
丸亀製麺
2000年1号店オープン
海外店にも出店する讃岐うどんの王者が、25年に25周年。24年は国内全店に厳しい基準を満たした「麺職人」を配し味を向上させ、限定品も多数開発。

「肉ごぼ天うどん」が名物の、福岡を代表するチェーン
資さんうどん
2024年12月関東上陸
1976(昭和51)年に北九州で創業し、70店以上を展開。名物「肉ごぼ天うどん」を筆頭に、福岡の味が人気だ。2024年秋にすかいらーくグループとなり、全国規模へのさらなる拡大が期待されている。
【ヒット確定の根拠】外食は資さんvs丸亀だが、内食の名門ブランドも激アツ
「最大の注目株は『資さんうどん』の関東進出ですが、小売り商品もアツい! 日清食品が『日清のごんぶと』をチルドで復活させたほか、冷凍の名門『カトキチ』ブランドは発売50周年を機に大幅刷新。長く太く、この動向を見守りたい!」(フードアナリスト・中山秀明さん)
【オルタナティブチョコ】カカオ以外の原材料から、まるでチョコのようなスイーツを続々発明!
近年の技術革新によって食品業界にもオルタナティブ(型破り、代替の)な商品が生まれているが、スイーツで近年話題なのが、カカオ以外の素材で生み出されるチョコレート風の菓子だ。特に注目の2商品を紹介する。
アロマオイルも逃さずに豆を丸ごと使った食べるコーヒー
ゼロワンブースター
カフェレート
1280円(5枚入り)
飲むコーヒーでは豆の約7割がフィルターに残るが、独自製法で作られた本品なら、アロマオイルなども残さず凝縮したコーヒー本来の魅力を楽しめる。豆のかすが出ない、サステナブルな側面も魅力だ。
焙煎ごぼうの香気を生かし、チョコのような風味と食感を実現
あじかん
ゴボーチェ
648円(標準12枚入り)
焙煎ごぼうとカカオに、共通の香気成分が8種類あることを発見し開発。カット、乾燥、焙煎、粉砕、加工を経てチョコレートのような味と口どけを実現した。ノンカフェインなのもうれしい。
【ヒット確定の根拠】未体験の味が肝。先行するUCCは注文殺到する人気
「コーヒー最大手のUCCが手掛ける“コーヒーを食べるお菓子”こと「ヨインド」が、2023年から限定発売されており、すでに注文が殺到するほどの人気ぶり。未知の美味体験ができるスイーツとして、市場が広がるはず」(フードアナリスト・中山秀明さん)
【マーラータン】若い女性を中心に大行列のトレンド食が全国拡大へ
近年、首都圏を軸に新店が増え、若い女性を中心に行列となっているグルメが「マーラータン」だ。薬膳スパイスの香り高いシビ辛スープと春雨麺を組み合わせたヘルシーさと、選べる多彩なトッピングも人気の理由。
ラーメン店感覚で気軽にスープ春雨を味わえる行列店
カシュカシュ
七宝麻辣湯(チーパオマーラータン)
2007年1月 1号店オープン
スパイスが香るモダンアジアンな空間で、ひとりから気軽にマーラータンを味わえる。24年だけでも8店舗を新規開業し、千葉と神奈川にも進出。どの店も、昼夜問わず行列ができる人気ぶりだ。
人気店の味を簡単に作れる、お取り寄せの冷凍マーラータン
ネクスターホールディングス
おうちでマーラータン
999円〜
新大久保に本店を構える本家「頂マーラータン新大久保本店」の「新宿名物 元祖『和製マーラータン』」をお取り寄せで楽しめる。鶏とあごのだしがベースとなった日本人好みの味わいだ。
【ヒット確定の根拠】ビッグネームの強力タッグで全国拡大目前か!
「本命は『七宝麻辣湯』。創業者は“神の舌を持つ男”として知られる石神秀幸さんで、おいしさは折り紙付き。『焼肉ライク』などを手掛けるダイニングイノベーションとタッグを組んでおり、全国的に広がるのは時間の問題です!」(フードアナリスト・中山秀明さん)
【上京北海道グルメ】肥沃な大地から生まれた北の美食が続々上陸
完全にコロナ明けして人の往来が戻った東京では、各地の有名店やグルメブランドの進出が再過熱しているが、なかでもヒットを連発しているのが北海道発。背景には、豊かな土地に恵まれたおいしさや商品力がある。
地元産小麦を使った香り高いパンを焼き立てで提供
ペンギン
ペンギンベーカリー
北海道産小麦の使用、豊富なラインナップ、常に焼きたてを提供するシステムが特徴の北海道発のベーカリー。ミルク味の食パンとカレーパンが二大名物。16年の創業から8年で50店舗を超え、24年秋には東京1号店を開業した。
北海道内のテスト販売で、ひと月14万袋を売った革新的スナック
北海道
コンフェクトグループ
RAMEN CLUB
1080円(5袋入)、1674円(8袋入)
口内温度が約33℃になるとコーティングしているスープが広がる麺と、真空フライにした具材が味わえるラーメンのスナック菓子。北海道とオンラインでのテスト販売では1か月で14万袋を販売し、24年秋には東京駅に直営店を開業した。
【ヒット確定の根拠】美食の宝庫の本気グルメが訪日客にささる!
「47都道府県のなかで最も広く、北国の大自然に育まれた山海の幸がそろう北海道は美食の宝庫。酪農生産量もトップであるためスイーツは特に強く、国内外の観光客で年々にぎわう大都市を中心に、より道産子グルメが増えるでしょう」(フードアナリスト・中山秀明さん)
フードアナリスト:中山秀明さん
内食外食問わずトレンドに詳しい。スイーツではコンビニや上陸系による第6次ドーナツブームとドバイチョコに注目。
※「GetNavi」2025月2・3月合併号に掲載された記事を再編集したものです。
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