ビール類市場では、新ジャンル(第三のビール)の新作ラッシュが止まりません。背景には、昨秋の消費税増税による消費マインドの変化や、技術革新による新ジャンルのクオリティアップなどが挙げられます。そんななか、画期的な新作が登場。3月17日に新発売となる「アサヒ ザ・リッチ」です。
本稿では発表会で得た商品特徴とともに、ひと足早く飲んでみた感想などをお伝えします。
濃さや強さだけでなくキレも十分。豪華というより優雅なリッチ
商品名通り、発売元はアサヒビール。最大の特徴は、プレミアムビールの味わいを目指して作られていること。“ジェネリックプレミアムビール”とでも言いましょうか。個人的にはありそうでなかった発想だと思います。ただこれは“ありそうでなかった”というよりも、実現が難しいため誰も手を付けなかった領域といえるでしょう。
未踏の味わいを叶えるために、同商品にはかつてない醸造法が採用されています。ひとつが、アサヒビールの新ジャンル史上、最大級の原麦汁エキス濃度にしていること。これによってコク深い味わいを実現。また、チェコ・ザーツ産の最高級ファインアロマホップを一部使って爽やかな香りを加え、食事に合う好バランスな味に仕上げています。
加えて、醸造の仕込み工程では、同社初となる「微煮沸製法」という技術を採用。挽きたての麦芽由来の力強く芳醇な麦の香りが低減されないよう煮沸工程を制御管理し、十分な殺菌は担保しつつ、力強く芳醇な麦の香りを両立しています。
発表会では試飲の機会も。飲んでみると、麦の甘味に由来するボリューム感の豊かなうまみが広がり、心地よい苦味や香りを残しながら爽快にスッと引いていきます。コク深いものの決して濃さや強さだけに特化するのではなく、すっきり感や同社ならではのキレもあって、ドリンカビリティが高い(飽きない。飲み疲れない。おかわりしたくなる)印象。どことなく“余裕”を感じさせる味わいです。