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2021/6/2 19:20

“じゃないほう新ジャンル”の「キリンのどごし<生>」が突き抜けた! 進化の秘密を担当者に直撃

新ジャンル(第3のビール)のなかでも屈指のロングセラー「キリン のどごし<生>」が、2021年春に大幅リニューアル。そこで筆者はふと思いました。「最近の新ジャンルって、コク系ブランドが多いけど爽快系の『キリン のどごし<生>』の立ち位置ってどうなっているのだろう?」と。

 

そう思ったら矢も盾もたまらず、担当者へのQ&Aと新旧飲み比べを中心に、「キリン のどごし<生>」のいまを明らかにしていくことにしました。

↑「キリン のどごし<生>」は350mlで参考価格149円(税込)。本稿後半では新旧飲み比べレポートも

 

“じゃないほう”にこだわるワケ

まずは、新ジャンルの歴史と「キリン のどごし<生>」の歩みを簡単に解説しましょう。新ジャンルは、ビールや発泡酒(キリン「淡麗」シリーズなど)より酒税が低くて安価なカテゴリーとして、2004年に第1号商品が発売されました。

 

メーカー間による開発競争の中で多くの商品が生まれては消えてを繰り返すなか、勝ち残った銘柄のひとつが、今回取り上げる「キリン のどごし<生>」です。誕生は2005年で、現在の各社主力新ジャンルのなかでは先駆的存在といっていいでしょう。現在にも受け継がれる最大の特徴は、商品名にもなっている圧倒的な“のどごし“の良さ。飲み始めの鮮烈なアタック、からの余韻でスッと消えるシャープなキレ。この“ドンシャリ感“が「のどごし<生>」に代表される爽快系新ジャンルの魅力です。

↑2005年の発売当初と比べ、飲んだ瞬間の「グッとくる飲みごたえ」は約2倍、飲んだ後の「爽快な後キレ」は約3倍にクオリティアップしたとのこと(図はキリン提供)

 

とはいえ、昨今の新ジャンル市場は、爽快感よりもボディ感をウリとするコク系勢力が拡大。コク系大型新ブランドの登場なども影響し、爽快系の王者である「のどごし<生>」にとっては受難の時代となっているのですが、「のどごし<生>」はコク系トレンドに流されることなく独自の強みを磨く戦略を徹底。そのうえで、「今回、16年目のリニューアルとなりました」と「のどごし<生>」ブランドマネージャーの松村孝弘さんは言います。

↑松村孝弘さん。キリンビールのマーケティング部、ビール類カテゴリー戦略担当で「のどごし<生>」のブランドマネージャーを務めています

 

「リニューアルの大きなポイントは、前半の飲みごたえを高めるための仕込み工程の見直しに加え、後半の後キレをよりスッキリさせるために、キリンの特許技術である『新ブラウニング製法』を改良したことです。この前半から後半の落差を強化することで、突き抜けるような爽快な“のどごし”を実現しました」(松村さん)

 

筆者が最も気になっているのは、いまや「のどごし<生>」独自といえる原材料。というのも、「のどごし<生>」は現在の新ジャンルの主流である麦芽などを主とした「リキュール」タイプではなく、大豆たんぱくなどを用いる「その他の醸造酒」タイプです。“じゃないほう”ともいえる、この「その他の醸造酒」タイプの特徴を聞きました。

↑左の「のどごし<生>」は「その他の醸造酒」に。右は「本麒麟」で「リキュール」に分類されます

 

「『その他の醸造酒』の特徴としては、やはり麦を使用していないという部分があります。これによって一般的に、麦由来の複雑な香味に対して、「ゴクゴク飲める」「爽快さ」につながるスッキリとした香味印象となります。『のどごし<生>』では『糖類、ホップ、水、大豆たんぱく及び酵母エキス』の原料を用いてこれを実現し、さらに『新ブラウニング製法』で「飲みごたえ」「味の落差からくるキレ」につながる味の厚みやコクを表現しました」(松村さん)

 

松村さんに「リキュール」が市場の主流になった理由を聞くと「各社がよりおいしい新ジャンルの研究開発やリニューアルを繰り返すことで、結果的に『リキュール』商品が消費者に選ばれ、その一方で『その他醸造酒』の商品は減少していったのではないか」とのこと。逆に言えば「その他醸造酒」でおいしい新ジャンルを作ることは難しい、ということでしょう。

↑ということで、新旧の「のどごし<生>」を飲み比べすることに。左の「新!」がリニューアル版です

 

 

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