デジタル
2019/7/3 10:50

AIレシピで料理をもっと楽しく! 「GAN」がシェフの新たな右腕になる

料理好きや美味しいものにすぐ惹かれてしまう方なら、食欲をそそる料理の写真を見て、「どうやって作っているんだろう?」とか「同じものを自分も作ってみたい」などと思った経験があることでしょう。そんな料理写真をもとにしたレシピの再現をAIがやってくれる日が近づいているようです。2019年6月、ピザの写真からそのレシピを作ってしまうAIツールがアメリカで発表されました。

 

この料理はどうやって作るのかな?

Photo by Lim Lin

 

ピザのレシピを再現するAIツールを開発したのは、マサチューセッツ工科大学のメンバーたち。彼らが着目したのは、通称「GAN」と呼ばれる「敵対的生成ネットワーク」という技術。これはデータを学習して、実在しないものも画像生成する手法で、そのポテンシャルに大きな注目が集まっています。

 

この敵対的生成ネットワークを利用して開発されたツール「ピザGAN」では、まず様々なピザの写真9213枚と、トッピングに使われている食材の情報をもとにデータセットを作成しました。

 

完成した「ピザGAN」は、どうやって写真からピザのレシピを導き出すのでしょうか?

 

ピザGANは、まずピザの写真からトッピングに使われている食材を判別します。次に、各食材ごとに生地からの深さを予測し、どの順番にトッピングが重ねられているかを推測。例えばサラミ、マッシュルーム、オリーブの3種類のトッピングが使われているピザの場合、最初に画像からサラミだけを削除したり、そこにサラミを追加したりしながら、食材が重ねられた順番を予想します。また、焼きあがったピザの写真から、焼く前のピザの画像を生成したり、その逆も可能です。

Photo by Jeff Sheldon

 

料理のレシピは、経験を積んだシェフがインスピレーションなどを得て作るものですが、そんなレシピでさえもAIが作り出す世の中が近づいているようです。将来的には、ピザGANでレシピを作り、さらにAIがそのレシピに基づいてピザを焼き上げるまで、一連のプロセスをすべて機械に任せてしまうこともできるかもしれません。

 

ウイスキーづくりに新機軸! 世界初の「AIウィスキー」は可能性がいっぱい