デジタル
2019/12/27 18:21

スマホ依存症気味ライターによる「脱スマホ生活」! 唯一許されたシンプルケータイ「Punkt. MP02」との1か月(前編)

あなたは「スマホを持たない生活」を考えたことありますか? ほとんどの人はないと思います。私も持たない日が来るなんて思ってもいませんでしたが、ある日、ゲットナビウェブ編集部のデジタル担当・玉造さんと打ち合わせをしていたら「スマホがなくてどれくらい周りに迷惑かかるか検証するって面白そうですよね! ね!」なんて明るく相談されまして「や、やりましょう!」と笑顔とノリで答えてしまったのです!

 

↑ふてぶてしくスマホの代わりに何かを渡してくる編集部の玉造さん…。「何か」の正体はこの後発表します

 

今までスマホと共に過ごした約10年、本当に片時も離れる日はなく、トイレもお風呂もどこへいくのも一緒だった私にとってはなかなか勇気がいる企画でした。“でも、やるしかない!”ということで、唐突ですが1か月のスマホなし生活がスタート! 私自身にどんな変化が起こったのか、そして周りの人にはどれくらい迷惑をかけてしまったのかをお伝えします。

 

Punkt.MP02ってどんな携帯?

とは言っても、優しい編集部の玉造さんは、「これ使っていいっすよ」と私に一台のガラケーを手渡してくれました。その名も「Punkt.MP02」

 

↑+Styleから販売されているPunkt.MP02。価格は税込で4万4880円となる

 

めっちゃ可愛い手頃サイズで、おもちゃみたいな携帯なのですが、いまだにフリック入力のできない34歳にとっては嬉しいカチカチ入力のボタンで愛らしいデザイン。

 

搭載されている機能は

・通話
・SMS
・電話帳
・テザリング
・時計機能

のみで、画面はモノクロとめちゃくちゃシンプル! 朝は、野性的な鳩の声で起こしてくれて、結構驚くので、二度寝もしません(笑)

 

 

Punkt. MP02は、スイスのメーカーが作った携帯電話で、もちろん日本語にも対応しているので、お手持ちのスマホからSIMを取り出し入れ替えれば、そのまま使用可能。電話番号もそのままでオーケー!

 

機能が少ないので、説明書がなくても30分も操作していれば慣れてしまいますが、スマホのいろんな機能に慣れている私にとっては「これだけでは不安」…そんな気持ちはずっと拭えずにいたのでした。

 

1か月スマホなし生活のルール

私は普段、フリーランスのライターを生業としているのですが、自宅かコワーキングスペースで仕事をしているので、固定のオフィスで仕事をするということはありません。そのためノートPCが仕事には欠かせません。取引先とは電話はもちろんメールやチャットワーク等のチャットツールがメインなので、通話とテキストを送れる環境があれば、なんとか仕事はできる人です。

 

では、実際にどんなルールで生活するかをお伝えしましょう。

 

【ルール】
・1か月間スマホを使わない(棚に監禁)
・通話はPunkt.MP02を使う

 

と、至ってシンプル! 気軽に「やります」と言ったことを後悔しても遅いし、仕事にどんな支障があるのか想像もできませんが、スマホなし生活をスタートさせたのです。

 

スマホがないことによるつらみトップ3

実際にスマホなし生活を始めた初日、とにかくソワソワしていました。何よりハッとしたのは、アラームの設定。0時になった瞬間にスマホを棚にしまったので、「あ、明日の朝どうやって起きよう……」と思ったのです。すでにスマホの呪縛が……!

 

朝起きてからも「もし夜のうちに誰かから連絡がきていたらどうしよう」と不安になり、起きてトイレにいくよりも先にPCを開いてしまう異常行動(笑)こんな感じで初日から不安いっぱいでしたが、実際に1か月過ごしてみてどんな大変なことが起こったのか、ランキング形式でご紹介していきます。

 

第3位 キャッシュレスの波に乗れない

↑モバイルSuica中心の生活のため、最初は支払いが大変だった…

 

「モバイルSuica」「PayPay」「スターバックス」「ドトールコーヒー」の決済アプリを入れていたので、それを使えないというのは本当に辛かったです。しかも消費税10%になったこの秋、キャッシュレス決済の波に乗れないというのは取り残されているような気持ちで寂しかったぁ〜(笑)

 

スマホにはいろんなアプリを入れていますが、自分が頻繁に使っているアプリが何かって実はあんまりわかっていないですよね。iPhoneをお使いの方はスクリーンタイムで使っている「時間」は把握できますが、重要度は時間だけでは計れません。だから、いざ「使えない」という状況になると、本当に使っていたアプリの有り難さを実感できるように思いました。そして私にとってスマホはお財布としても使っていたのだなと痛感したのでした。

 

第2位 目に見えない様々な不安

 

・移動中、誰かからチャットがきていたらどうしよう
・待ち合わせ場所を間違えていたらどうしよう
・違う電車に乗っていたらどうしよう
・「あれなんだっけ?」をすぐ調べられない
・Twitterのトレンドなんだろう
・至急とかの仕事依頼されていてもすぐに確認できない

 

などなど、スマホがあれば常に連絡が取れる「オン」な状態でいられるのですが、スマホがないことによってPCの前にいない場合は常に「オフ」。そのオフにしている自分が不安で不安で仕方ありませんでした。

 

ただこの目に見えない不安を抱えていたのは最初の1〜2週間ほどで、後半は不思議なことに消えていたのです。この消えてしまった「目に見えない不安」については後編でゆっくりお伝えしますが、スマホがないことの不安は絶対ある! ということで第2位に入れています。

 

第1位 地図が使えない

これが一番困りました。特に初めて行く場所だと、いつもならGoogleマップに登録すればアプリが導いてくれましたが、地図を印刷しても見知らぬ土地だと現在地すらわからないので、「今」どこにいて、どこへ行くのかがわからないのです。

 

そのため、困った時にはテザリングができるPunkt.MP02を使い、道端でPCを開き現在地を確認。そこからある程度歩いて、目星を付けたらまたPCを開き現在地チェック!

 

↑MacBook Air片手での地図探索が、すっかり板につきました

 

そんなことを続けた結果、いつの間にか地図を読む力が身につき、今では出発する前に地図をチェックしておけばGoogleマップがなくてもビシっと目的地にたどり着けるくらい地図に強くなり、つらみが強みに変わったのです! これは思ってもいない誤算でした(笑)。

 

他にも

・待ち合わせ場所を詳細に伝えておく必要がある
・Twitterが見れない
・QRコードスキャンができない
・すぐにググれないから余計な本をいっぱい買ってしまう
・自販機で10円をドブに落とした
・サッと写真が撮れない

などもありましたが、「絶対ないと困る」なんてことではなかったということが正直な感想でした。

 

2週間あれば人は慣れてしまう恐ろしさ

最初のうちはソワソワしてしまい、スマホがないからと言って他人に迷惑をかけてはいけない! と緊張していた状態もあったのですが、2週間ほどで「あ、私なくてもいいかも」と思えるようになったのです。

 

私自身10年間も一緒にいたスマホだから「ない生活」なんて考えられないと思っていましたが、”なければないで、なんともない”と思えて、失恋した時を思い出したようなそんな気持ちになったのでした。

 

待ち合わせも一度「できた!」があれば不安はなくなるし、あんなにやってたSNSも見なくても生きていけると思えたし、逆にこんなに「自由」になれたのは新感覚でした。では、こんな感覚を持ち始めた私が、実際に1か月過ごしてみてどんな変化をもたらしたのかは……後半へ続く!

 

撮影/我妻慶一