ツイッター社のイーロン・マスクCEOは、ツイッターで「シャドウバン」(アカウントは凍結されていないが、自分のプロフィールや投稿が他のユーザーに見えなくなる措置)表示機能を開発中だと述べていました。
が、マスク氏のプライベートジェットを追跡して現在位置をツイートする追跡ボットを運営する人物が、シャドウバンされたと主張しています。
このボットの所有者はジャック・スウィーニーという青年であり、一般に公開されている航空トラフィックデータからビル・ゲイツ氏やジェフ・ベゾス氏など有名人のプライベートジェットを個別に追跡するボットをいくつか公開しています。そのなかでもマスク氏の飛行機を追跡する「ElonJet」は52万人以上にフォローされる大人気となっています。
Landed in Oakland, California, US. Apx. flt. time 5 Hours : 18 Mins. pic.twitter.com/ZzA122xWoi
— ElonJet (@ElonJet) December 5, 2022
そのスウィーニー氏は、匿名のツイッター社員からElonJetが12月2日から「厳しく」公開範囲が制限されたと教えられたと主張。さらに同社の信頼・安全担当副社長エラ・アーウィン氏が部下に「@Elonjetにすぐに重いVF(可視性フィルタリング)を適用する」よう命じたというスクリーンショットも投稿しています。
Screenshots show Ella Irwin VP at Twitter Trust and Safety requesting elonjet to have heavy VF (visibility filtering) pic.twitter.com/ehHJpo4zQR
— Jack Sweeney (@JxckSweeney) December 11, 2022
もっとも、このツイートが公開されて海外メディアに報じられた数時間後、スウィーニー氏はツイッターが制限を解除したようだと発言。「僕のツイートに気づいて撤回したようだ」と述べつつ、シャドウバンを検知すると称するサービスのスクリーンショットを公開しました。
以前スウィーニー氏は、マスク氏からツイッターのDMで連絡があり、5000ドルを払うのでElonJetを削除するよう求めてきたと明かしていました。これに対してスウィーニー氏は5万ドルもしくはマスク氏の会社でのインターンシップを条件にしたものの、マスク氏は「考えておく」と言っただけで、交渉は物別れに終わっています。
その後マスク氏がツイッターを買収したため、ElonJetの存続も危ぶまれることに。しかし、マスク氏は表現の自由を守る信念が「たとえそれが直接的な個人の安全のリスクであっても、私の飛行機を追うアカウントを禁止しないことにまで及ぶ」と述べています。
スウィーニー氏はこのツイートに返信し、マスク氏の決断に感謝するとともに、自分のアカウントのフォロワーの圧倒的多数はマスク氏を支持すると語っていました。
Thank you backing your commitment to free speech. Overwhelmingly the followers of my account are supporters and admirers of your endeavors. Which was my (@JxckSweeney) motivation for creating @ElonJet.
— ElonJet (@ElonJet) November 7, 2022
それから約1か月後、しかもシャドウバン状態が分かるツールを開発中と言った直後に、マスク氏が自らに好ましくないボットに対してシャドウバンを行った疑いが浮上した、という流れです。表現の自由を絶対視しているとの立場上、マスク氏も沈黙を守り続けることは難しいかもしれません。
Source:Gizmodo(US)