アップルが自動運転のEV(電気自動車)を開発中であることは、韓国の現代自動車やその傘下にある起亜自動車との協議が物別れに終わったとの報道や、機密情報を盗んだ元従業員が有罪になったこともあり、ほぼ公然の秘密と言えます。
そんな通称「アップルカー」の開発では、テスト車両のドライバーが一度は減っていました。しかし最近、また増員されたことが明らかとなっています。
2023年1月、アップルが自動運転車の公道テストを行っている米カリフォルニア州では、登録されたテストドライバーは過去最大の201人に達していました。それが4月には56人も削減、実に約25%も縮小していた経緯があります。
なぜ人数まで分かるかといえば、カリフォルニア州で公道テストが認可された車両やドライバーは届け出る必要があり、それをDMV(カリフォルニア州車両管理局)が公開しているからです。
しかし、7月7日時点では、登録ドライバー数は145人から152人となり、約5%の増加に転じています。これは2022年の同時期に相当し、現地で自動運転車をテストしている競合他社の中では中間に位置するものです。
もっとも自動運転車の台数は、4月から変わらず66台のまま。以下の表は、カリフォルニア州でテスト走行している自動車メーカーの一覧(英語表記)ですが、例えば、テスラはドライバーが59人でテスト車両が14人、NVIDIAは294人に対して13人といったところです。
さらに興味深い情報が2つ。1つは、アップルがドライバーレス(無人走行)の許可を申請していないこと。もう1つは、5月に衝突事故を1件起こしていることです。これは信号待ちで追突されたとのことで、事故を避けるためスピードを抑える自動運転車では珍しくありません。
一時は大いに注目を集めていたアップルカー計画ですが、昨年末にはハンドルやペダルのない完全自動運転車は不可能として諦められ、2026年に発売予定との報道がありました。価格は10万ドル(約1390万円※)以下を目指しているとのことで、テスラ・モデルXの良きライバルとなるのかもしれません。
※1ドル=約138.5円で換算(2023年7月13日現在)
Source:macReports
via:9to5Mac