2016年の「バットモービル」はいかにして作られたか? その模様がわかるスケッチ、CADデータ、制作パーツ

ink_pen 2018/3/14
  • X
  • Facebook
  • LINE
2016年の「バットモービル」はいかにして作られたか? その模様がわかるスケッチ、CADデータ、制作パーツ
若旦那
わかだんな
若旦那

IT、経営、マーケティング等の領域において海外の最新トレンド発信中。 現在、南米コロンビアに拠点を構えており中南米のトレンドにも詳しい。 運営ブログhttps://kaigaihanno.com/kaigai/

ハリウッドきってのヒット映画バットマンシリーズでひと際目を引くのはバットモービルです。しかし、あのバットモービル、誰がどのように作っているのでしょうか。

 

バットモービルはシリーズによってデザインが異なるようですが、2016年公開の『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』のバットモービルのコンセプトを固めたのはフランス人のプロダクションデザイナーPatrick Tatopoulos氏。バットモービルは実際に走ることができる仕様になっています。

20180305_kubo16

車両の設計は日系アメリカ人のセットデザイナーJoseph Hiura氏が担当。Hiura氏はロサンゼルスで開催された「SOLIDWORKS World 2018」にもゲストスピーカーとして登壇し、設計の工程を説明。誰もが見たことのあるバットモービルですので、観衆は食い入るようにHiura氏の説明を聞いていました。

20180305_kubo14

バットモービルのタイヤでは、巨大で理想のタイヤがなかなか見つからかったそうですが、最終的にイスラエルの農業用トラクターのタイヤを見つけたとのこと。タイヤは削ることで車両にフィットするようにしたそうです。

20180305_kubo12

バットモービルの実際の車両のフレームを製作しながら並行して、3D-CADツールSOLIDWORKSを活用しました。

20180305_kubo11

フレームを製作するメリットは、バットモービルが実際にどれくらいの高さ、幅になるのかを見れる点にありました。

20180305_kubo17

また、車両フレームができると実際の走行テストも可能となります。撮影にあたりバットモービルの乗り心地も重要となるため、走行テストは必須です。

 

SOLIDWORKSを利用するメリットは、車両のパーツを設計し製造するまでの期間を短縮できる点にあります。また、組み合わせたパーツがどのように機能し、可動するのかをシミュレーションできる点も利点。複雑なパーツをスムーズに組み合わせることができます。

20180305_kubo13

車両フレームとSOLIDWORKSで設計し製作したパーツを組み合わせるとバットモービルが完成。この状態で走行テストを実施します。

20180305_kubo19

上の写真は完成したバットモービルです。奥のジープと比べてもその巨大さがわかります。リアルなバットモービルだからこそハリウッドの迫力あるバットマンシリーズの映画が撮影できるのでしょうね。

 

作るのに時間をかけられる本物の自動車と異なり、バットモービルは映画のセットの1つであり、制作に長い時間をかけられません。バットモービルの完成には5か月を要したそうです。

 

これからバットマンの映画を観る際には舞台裏のことを想像してみると、また違った映画の楽しみ方ができるかもしれません。

 

(写真出典:ダッソーシステムズ)

 

Related Articles

関連記事

もっと知りたい!に応える記事
Special Tie-up

注目記事

作り手のモノ語りをGetNavi流で