【今日の1冊】ラジオを聞いて映画を見よう――『町山智浩の「アメリカ流れ者」』

ink_pen 2018/5/18
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【今日の1冊】ラジオを聞いて映画を見よう――『町山智浩の「アメリカ流れ者」』
つるた ちかこ
つるたちかこ
つるた ちかこ

1985年生まれ、岩手県育ち、下町在住。喫茶店やレストランに出てくる「お冷」について考察する初代・お冷研究家。本人はあまり自覚していないが、相当なこじらせ女…らしい。 instagram:https://www.instagram.com/chika_ziburi/

町山さんの魅力その3「ネタバレせずに引きつける言葉力」

映画でよく聞く「ネタバレ」。ラストのオチを言われてしまったら「ふーん」で終わってしまいますし、オチだけでなくラストにつながる重要な場面だったりもあまり言われたくないですよね。でもどうして町山さんの解説を聞いてしまうのか? それは、ネタバレを絶対にしない! と安心して解説を聞けるからです。

 

しかし、ネタバレをペロリと言ってしまった映画があります。それは、本誌には紹介されていませんでしたが、2014年ゴーストライター騒動で世間をわかせた佐村河内守さんのドキュメンタリー『FAKE』(2016年)です。

 

しかもこの映画の「ラスト12分は絶対に口外するな」という条件が付いているのにも関わらず「スペシャルウィークだから言っちゃいます!」と、核心には触れないギリギリラインでネタバレさせます。ぜひなんちゃらチューブにアップされている音源を聞いてもらえれば幸いです(笑)。

 

私は、町山さんの解説を聞くまでこの映画の存在を知りませんでしたが、知ってからは見たくて見たくて仕方なくなってしまいました。どうしてこんなに見たくなってしまうんだろう…町山マジックですね!

 

人からオススメされることに慣れた時代だからこそ

町山さんへの愛が強すぎて、若干うざくなってきてしまいましたが、最後にこの言葉をご紹介させてください。

 

映画は、

何も知らずに観ても面白い。

でも、知ってから観ると100倍面白い。

観てから知っても100倍面白い。

(『町山智浩の「アメリカ流れ者」』より引用)

 

今はキュレーションメディアだったり、待ちの姿勢でもどんどん情報が入ってくるようになりました。そんな情報に溢れている時代だからこそ、自分で選ぶ力が大切になってくると感じています。本や映画、ラジオは娯楽ですから、これらがなくなっても生きていけますが、この娯楽が自分の「選ぶ力」を養ってくれるのではないかと思うのです。まずは騙されたと思って、『町山智浩の「アメリカ流れ者」』に掲載されている映画をご覧になって見てください。どんどんハマっちゃうこと間違いなしです。ラジオが聞けるアプリ「radiko」のタイムフリーであれば、最新の「アメリカ流れ者」が聞けちゃいますよ。

 

【書籍紹介】

町山智浩の「アメリカ流れ者」

著者:町山智浩
発行:スモール出版

映画は、何も知らずに観ても面白い。でも、知ってから観ると100倍面白い。観てから知っても100倍面白い! 人種差別・戦争・ドラッグ…映画が映し出す光と闇。合計21本の傑作コラムを収録!

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