AI研究者にも衝撃! サルや鳥に続いてミツバチも「ゼロ」を理解していた

ink_pen 2018/7/27
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AI研究者にも衝撃! サルや鳥に続いてミツバチも「ゼロ」を理解していた
佐藤まきこ
さとうまきこ
佐藤まきこ

大学時代に細胞培養の研究を専攻した後、メディア・広告の世界へ。雑誌編集者や広告のプランナー、コピーライターとして長年経験を積み、フリーランスのプランナー、エディターとして活動中。ハワイ、オアフ島在住。Instagram: @hawaii_milestone

何もないことを意味する「ゼロ」という概念。これは、モノの数を数える以上に高度なことで、幼い子どもは「ゼロ」について理解することは難しいそうです。そんな「ゼロ」をミツバチが理解していることが最新の研究で判明しました。今後のAI技術にも転用できる可能性があるというミツバチの能力とは、どんなものなのでしょうか?

 

「ゼロ」の概念を持つのはヒトだけではない

「ゼロ」には、2つの概念があると考えられています。ひとつは「存在が何もない」という意味。もうひとつが、「0、1、2、3…」という順列としてのゼロです。「ゼロ」の考え方は古代インドで生まれたといわれ、これによって位取りや計算が飛躍的に進歩しました。

 

しかし、目に見えるモノを数えることと違って、何もないことを「ゼロ」と捉えることは、人間の子どもであっても理解することは簡単ではありません。そのため、動物などにはできない、人間ならではの概念であると長く考えられていました。

 

しかし、2015年に東北大学の研究チームが、サルの脳に「ゼロ」に強く反応する細胞があること世界で初めて発見。言葉や数字記号がなくても、「ゼロ」を認識できる可能性が示唆されたのです。

 

ミツバチが「何もない=ゼロ」と認識

サルの他に、鳥についても、「ゼロ」を認識することがわかっていましたが、今回の研究者たちが注目したのはミツバチでした。ミツバチは、他のミツバチの複雑な技術を学んだり、一致するモノと異なるモノがわかったり、高度な知能を持っている昆虫だと知られています。

 

科学誌「サイエンス」に発表された内容によると、研究者はまずミツバチに数を教えるところからスタート。四角や三角のマークが複数描かれたカードを用意して、マークの数が少ないカードの方を選ぶように訓練しました。たとえば、四角いマークが4つ描かれたカードと、3つ描かれたカードを見せた場合、3のカードを選ぶという具合です。

 

そして、何もマークが描かれていないカードと、1つ以上のマークが描かれたカードを見せたとき、ミツバチは真っ白なカードの方を選んだというのです。白いカードを見せたことはなかったのに、「何もない」ということが、他の数字よりも少ないものだと理解していたとわかります。

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