現在放送中のドラマ『卒業式に、神谷詩子がいない』(日本テレビ)に出演する杢代和人さん。高校生のリアルな日常を描くドラマの中で、杢代さんが演じたのはジェンダーレス男子。美しく繊細な男の子を存在感たっぷりに演じている。他にも現在出演中のドラマ『あせとせっけん』(MBSほか)の話や、ご自身も興味があるというスキンケアやスニーカーなど、「好きなモノ」についても楽しそうに語ってくれた。
【杢代和人さんの撮りおろし写真】
小林真斗はこういう子って僕の中で気づいた瞬間でもありました
──ドラマ2作が放送中で、『卒業式に、神谷詩子がいない』は高校生を演じています。杢代さんご自身も現役高校生ですが、脚本を読んでどんなことを感じましたか?
杢代 すごくリアルで、いい意味でドラマっぽくないと思いました。ドラマって劇的に落ちて劇的に復活する展開があることが多いと思うんです。でも、この作品は「こういうこと全然あるな。この子たちは実在するかも」って思うような脚本で、これは自然に演じないといけないなって思いました。
──杢代さん演じる小林真斗は美意識の高いジェンダーレス男子という設定ですが、どんな男の子だと思いましたか?
杢代 真斗は幼い頃から周りの男の子とは違っていて、意識的には女の子のほうに近かったんでしょうね。最初はそういう自分を受け入れようとはせず、周りとは好きなものや考え方が違うことを知られたくないと思っている。そんな自分を知られたくなくて、周りと少し距離を作ってしまうんだろうなと思いました。
──真斗に共感できる部分はありましたか?
杢代 共感というか……ジェンダーレスって難しいと思いました。知ることは大切だけど、自分で知ったつもりになるのは違うし、実際にジェンダーレスでないとわからないことがたくさんあると思うんです。深い部分を理解してジェンダーレスに近づいていくのは、僕には不可能に近いから、優しさや言葉遣いといった、表面から伝わることを寄せるようにしました。といっても、真斗にはそんなに悩みあるわけではないんです。幼い頃からずっとそうやって生きてきたから。悩みはあるけど、僕の普通はこれだから……真斗のそういう部分を表現するのが難しかったです。
──悩みはあるけど、普通の高校生を演じるのが難しかったと。
杢代 特に難しかったのは、楽しいときもその不安定な気持ちを持ち続けているのかということでした。本読みでは、みんなと一緒にいるときもその気持ちを持つようにしていたんです。真斗には不安があるから、楽しいときも静かに盛り上げないとなって。でも監督から言われたんです。「それは違わない? 高校生ってどんな悩みがあったとしても、楽しいときはそんなこと忘れて楽しんでない?」って。それで「確かに。悩みがあっても、みんな楽しいときは楽しんでるな」って気がつきました。そう思ってからは、しっかり切り替えができて、小林真斗はこういう子って僕の中で気づいた瞬間でもありました。
──劇中ではダンスをきっかけに男女6人で「ファンファーレ」というチームを結成しますが、6人そろうとどんな雰囲気でした?
杢代 すごく明るくてめっちゃ楽しい。楽しいシーンを録ったら、そのシーンのままご飯を食べてました。本当に同級生かと思いました(笑)。こんな学校生活だったら絶対に楽しいだろうなって。男2、女2だったら周りに何か言われて照れくさくなって離れたりしそうだけど、男3女3は心強い気がしました。「オレらが一緒にいたいんだからそれでいい」って感じがすごくいいなと思いました。
「笑いたい人は見てください!」と言いたいくらいおもしろい(笑)
──コメディータッチの恋愛ドラマ『あせとせっけん』にも出演中。こちらの八重島桂太はお姉ちゃん大好きな弟役ですね。
杢代 僕もお姉ちゃんがいて、お姉ちゃん大好きなんです。料理の配信番組も持っていて料理もします。ただ性格はめちゃくちゃ近いけど、桂太は24歳で、僕の実年齢と年が離れていたので、しゃべり方、立ち方、雰囲気は大人っぽくするようにしました。
──大人っぽくするポイントは見つかりました?
杢代 僕はお姉ちゃんと一緒のシーンもシスコン感を出したんです。あえてかっこつけてる感じが出たほうがおもしろいのかなと思って。でも監督からお姉ちゃんといるときは普通にかっこつけて、ひとりになったときに100%動揺しているシスコン感を出したほうがいいと言われました(笑)。
──確かにひとりになった途端に様子がおかしいくらいお姉ちゃんの心配をしていて、演じるのも撮影も楽しそうだなと思いました(笑)。
杢代 とても楽しかったです! 主演の大原優乃ちゃんと佐藤寛太さんにも良くしていただきました。見どころを聞かれると、最初は「キュンとするところです」と言っていたんですけど、今は「笑いたい人は見てください!」と言いたいくらいおもしろいと思います(笑)。もちろんキュンキュンポイントも見逃さないでほしいです!
Sacai×NIKEのヴェイパーワッフルのブラックを卒業祝いに自分で買いました
──ここからは好きなモノ、興味があるモノのお話しをお聞きします。今、興味があるモノを教えてください。
杢代 洋服が大好きで、ずっと興味があります。好きなスタイルはモードカジュアル。どこか変わったデザインの服をモノトーンでまとめたり、スラッとしたシルエットで派手じゃないけど目を引く服装が好きです。
──買い物するときのこだわりは?
杢代 絶対に試着します。だからネットでは買わないです。ショップに行って試着して自分に合ったら買います。ネットの写真を見て自分に似合うかどうかわかるけど、生地の厚さや重さなど、実際に着てみないとわからないことだらけだから、実際に着て確かめるようにしています。
──スキンケアにも興味があるという情報が入っています。
杢代 あります。もともとスキンケアを始めたときは、デパコスを集めたんです。でも肌の調子がどんどん悪くなってしまって。そしたらメイクさんが「高いスキンケアに良い成分がたくさん入っているのは、大人が使うからなんだよ。若いからそんなにいろんな成分が入ってなくて良いものを使ったほうがいい」って教えてくださったんです。それをきっかけにほぼ無印良品で揃えるようにしました。使ってみたらみるみる肌が良くなって。今は化粧水導入液、化粧水、乳液と美容液をリピートして使ってます。あとは韓国のシカクリームとシカパックを使ってます。
──確かにお肌つるんつるんですね。
杢代 ありがとうございます。これでも少し荒れてるほうで。いい日はもっといいです(笑)。
──コレクションしているものはありますか?
杢代 洋服も好きだけど、持っている数は靴のほうが多いんです。服のブランドとのコラボレーションのスニーカーを集めてます。
──集めているスニーカーは履きます?
杢代 履きます。僕、靴を見る用にしている人の気持ちがわからなくて。かっこいい靴を自分が履くからかっこいい!って思うんです。見てるだけなら僕が履きますよ! って言いたいです(笑)。
──履くことによってかっこいい靴もさらによく見えると(笑)。ではお気に入りの一足を教えてください。
杢代 Sacai×NIKEのヴェイパーワッフルのブラック。本当に欲しかったので、中学生の卒業祝いとして買ったんです。今でもきれいに履いてます。汚れがついたら消しゴムで落としたり。今後はソールが減らないように底にシートをつけようか検討してるんですけど、すり減るのもたくさん使ってる証拠だし、かわいいなって思うんです。
──お気に入りはいつまでも履きたいですからね。
杢代 そうなんです。なるべく劣化しないように気をつけたいけど、多分今の靴が壊れたとしても買うと思います(笑)。それくらいお気に入りです。
『卒業式に、神谷詩子がいない』
日本テレビ 毎週(日)後1・45~2・15
(STAFF&CAST)
演出:伊藤彰記 脚本:嶋田うれ葉
出演:茅島みずき、奥平大兼、田鍋梨々花、中川大輔、莉子、杢代和人
公式HP https://www.ntv.co.jp/utako-ga-inai/
『あせとせっけん』
MBSドラマ特区 毎週(木)深0・59~1・29ほかで放送
(STAFF&CAST)
監督:渋江修平、熊谷祐紀
脚本:モラル、井上テテ、池亀三太
出演:佐藤寛太、大原優乃ほか
公式HP https://www.mbs.jp/asetosekken/
撮影/映美 取材・文/佐久間裕子 ヘアメイク/SUGANAKATA(GLEAM) スタイリスト/清水拓郎