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2022/3/5 7:00

SPドラマ『津田梅子』出演!武上陽奈インタビュー「男女平等を当然のことと感じるまでには、頑張っていた人たちがいたんだと分かった」

日本初の女子留学生であり、女子教育の先駆者として活躍した津田梅子の青春を描いたスペシャルドラマ『津田梅子~お札になった留学生』が3月5日(土)にテレビ朝日系で放送される。アメリカに留学した仲間のひとり、吉益亮の少女時代を演じた武上陽奈さんは現役中学生。男女平等のために尽力した明治の女性の生き方に感銘を受けたよう。

 

武上陽奈●たけがみ・はるな…2007年6月16日生まれ。千葉県出身。ドラマ『二月の勝者ー絶対合格の教室』第1話、日清オイリオグループ会社CM「未来を元気にするあなたへ、“植物のチカラR”を」篇に出演。ニコ動、YouTubeで配信中の「AI アクトレスインキュベーション 女優養成プロジェクト」に出演している。Instagram

 

【武上陽奈さんの撮りおろし写真】

 

悩んでいるとお母さんがアドバイスをくれての繰り返しでした

 

──芸能のお仕事を始めるきっかけから教えてください。

 

武上 原宿の竹下通りでスカウトされました。まだ小学生で「なに!? 怖い」と思ったんですけど、ずっと憧れていたのでやりたいと思いました。お母さんは「やってもいいんじゃない?」って感じでしたが、お父さんには「まだ早いんじゃないの?」って1年以上反対されて。それでも「やりたいやりたい!」と言い続けていたら、許可してもらえました。

 

──実際にお仕事を始めてみて、どんなことを感じていますか?

 

武上 毎回、ひとつお仕事が終わるたびに「もっとできることがあったんじゃないか」って思います。それで「できるようになるためには、もっと練習だ!」と思って、いつもお母さんと一緒に練習しています。お母さんはスパルタで(笑)。台本を読んでいるときに相手役をしてもらうんですけど、私が「このセリフはこれでいいんじゃないかな」と言っても、「もう1回やってみて!」って言われます。それで衝突してけんかになって仲直りするっていうのが毎回のパターンになっています。

 

──スペシャルドラマ『津田梅子〜お札になった留学生』に出演されますが、その練習もお母さんとしたんですか?

 

武上 練習しました。台本を読んでも自分が全然前に進めなくて、「これどうすればいいの?」ってずっと悩んでいると、お母さんが一言アドバイスをくれて進んで、ってその繰り返しでした(笑)。

 

──お母さんからどんなことを言われたか覚えてます?

 

武上 日本に帰らないといけなくなるシーンがあって、その哀しさをうまく表現できなかったんです。そのときにお母さんが「私はあなたのためにお家を売って受験させたの。でもあなたは受験に行くときに電車の中で寝ちゃって、受験できずに落ちたの。その哀しさでやりなさい!」って例え話をしてくれて(笑)。それで私が気持ちが入り過ぎて泣いちゃったら、「泣いちゃダメ!」って言われました(笑)。

 

──確かに熱血コーチだ(笑)。

 

武上 はい。「今泣くんじゃない!」って言われました(笑)。

──劇中では津田梅子の留学仲間のひとり、吉益亮の少女時代役。この役に決まったときの心境はいかがでした?

 

武上 オーディションの最終選考を一緒に受けた方がとても上手で、「こんなの受かるわけない!」って、帰り道で「落ちたかも」「でも良い経験だったし」ってお母さんと励まし合ったんです。その後、最終選考に受かっていたんですけど、お母さんが教えてくれてなくて(笑)。「ダメだったんだな……気持ちを切り換えていこう!」と思った頃に、急に「受かったよ!」って教えてくれて。その間は『津田梅子〜』のこともまったく考えていなかったので、夢のような話が降ってわいた感じでした。

 

──大人になった吉益亮は女子英語塾を開きたいという夢を持ちますが、武上さんは吉益亮をどんな女性だと思いましたか?

 

武上 最初は津田梅子さんのことも、女子留学生たちがどんな経緯でアメリカに行ったのかも知りませんでした。だから台本のセリフから、真面目で責任感が強いんだろうなって感じました。吉益亮という人というよりは、セリフや梅子ちゃんや周りの人たちとの関係性から役を作っていく感じでした。

勉強がんばろうと。そのためにお母さんにスマホを預けたりしました(笑)

 

──今回、吉益亮を演じたことによって、明治の女性たちについてどんなことを感じましたか?

 

武上 考え方が全然違うんだなって思いました。今の時代は、女性と男性が平等であることは当然なこととして、いろんな物事が進んでいくのに、この時代は男性と女性の立場がかけ離れている。それがまず不思議だったので調べたりして。そして今私たちが男女平等を当然のことと感じるまでには、そのために頑張っていた人たちがいたんだなってびっくりしました。

 

──日本の女子教育のために尽力してきた女性を演じて自分も「勉強がんばらなきゃ」とか影響はありましたか?

 

武上 思いました。吉益亮さんはとても真面目で国のためにがんばると思っている女性だったので、「亮ちゃんみたいに生活しなきゃ!」と思って、勉強をがんばろうと。そのためにお母さんにスマホを預けたりしました(笑)。でも意外と耐えられなくて……。

 

──何日耐えられました?

 

武上 (小声で)2日(笑)。友達からの連絡が気になっちゃって(笑)。2日だけなのにクラスの話題にもついていけなくてつらかったです。その経験もあって、日本と簡単に連絡する手段もない時代に、家族とも友達とも別れて留学した亮ちゃんは本当にすごいなって思いました。

この前サウナに入ってすばらしさを知ってしまいました

 

──ではここからは好きなモノやコトのお話を聞かせてください。最近ハマっていることはありますか?

 

武上 小さい頃からおばあちゃんにお風呂屋さんに連れて行ってもらうんですけど、この前サウナに入ってすばらしさを知ってしまいました。

 

──え、意外な答え!(笑)

 

武上 昨日も行きました(笑)。まだまだ初心者も初心者なので、15分くらいが限界なんですけど、サウナに入ってからの水風呂が気持ちいいんです。足だけ入れたときは「冷たいな……」って思うけど、肩まで浸かった瞬間に「幸せだ!」って思います(笑)。

 

──サウナ好きとはちょっとビックリしました。プロフィールの特技の項目を見て気になったのですが、ルービックキューブが得意だとか。

 

武上 ルーブックキューブは大好きです。CMのオーディションがあって、受けられる人の条件が「ルービックキューブができる人」だったんです。書類で落ちてしまったんですけど、ルービックキューブにチャレンジしてみようかなと思ってやり始めたら、止まらなくなっちゃって。

 

──全面揃えられるようになった?

 

武上 はい。最初は2時間かかったけど、今は30秒で揃えられます。ひまだなーって思ったり、スマホを見続けているときに「ダメだ!」と思って、ルービックキューブをカチャカチャします。

──ではコレクションしているものはありますか?

 

武上 劇団四季がとても好きで、公演に行くたびにグッズを買って持ち歩いたりしています。特に「オペラ座の怪人」が大好きで、オペラ座の怪人のピンズを買って、「アラジン」を観に行ったときに買ったバッグにつけて、「劇団四季、行ってますよ」ってアピールしています(笑)。

 

──買うグッズはどんな基準で選ぶんですか?

 

武上 かわいいなって思ったものを買います。他にハンカチを持っていて、もっと増やしていきたいと思っているんですけど、お母さんには「お小遣い大変なんでしょ」って言われたりします(笑)。月にもらえるお小遣いの中でお友達と遊びに行ったり、グッズを買ったりしているので……。お小遣いを増やしてもらえるなら、部屋にグッズを飾るスペースを作りたいです。

 

──劇団四季はどんなところが好きですか?

 

武上 上演する作品によって雰囲気が全然違うところが大好きです。公演が始まる前のワクワク感も大好きで、開場時間に入れるように行って、何もしないでジッと座りながらワクワク感を味わっています。

 

──サウナと劇団四季のお話は学校のお友達できますか?

 

武上 劇団四季は語れるお友達がひとりいます。私よりツウなので、作品のお話をするとすぐにわかってくれます。サウナは友達に話すと「へえ、そうなんだー。でね……」って流されちゃいます(笑)。

 

 

スペシャルドラマ「津田梅子~お札になった留学生」
3月5日(土) テレビ朝日系 午後9:00~11:05

(STAFF&CAST)
脚本:橋部敦子
監督:藤田明二
音楽:葉加瀬太郎
出演:広瀬すず、池田エライザ、佐久間由衣、ディーン・フジオカ、田中圭、内田有紀、伊藤英明、原田美枝子

(STORY)
20年ぶりに発行される新しい五千円札の顔としても知られる津田梅子の青春を描いたドラマ。主演は広瀬すず。明治4年、6歳の津田梅は父の薦めで日本初の留学生としてアメリカへ渡る。明治15年、17歳となった梅は11年に及ぶ留学を終えて帰国。梅は誰もが学べる英語学校を作る夢を抱くが、日本における女性の地位の低さにカルチャーショックを受けてしまう。

 

撮影・関根和弘 取材・文/佐久間裕子