紙をめくる感覚が蘇る!「折りたたみ可能な電子書籍リーダー」のプロトタイプが公開

ink_pen 2022/4/28
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紙をめくる感覚が蘇る!「折りたたみ可能な電子書籍リーダー」のプロトタイプが公開
多根 清史
たねきよし
多根 清史

IT / ゲーム / アニメライター。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)がある。

電子書籍デバイスの人気ブランドE Ink社は、新製品のプロトタイプをYouTube動画にて公開しました。これまで様々な電子書籍ハードウェアを手がけてきたE Ink社ですが、本製品はおそらく世界初の「カラー電子ペーパー(E Ink)折りたたみ電子書籍リーダー」です。

 

電子書籍リーダーや、電子ペーパーを使ったタブレットやデジタルメモは、もう何年も前から商品化されて市販されています。Amazonの初代Kindle端末が登場したのは2007年のことで、すでに15年近くが経過しましたが、「本物の紙のようにページを畳んだり、めくれたりする」製品はいまだに現れていません。

 

デモ動画によれば、E Ink社による「8” Foldable E Ink Gallery 3 Color ePaper」は本物の紙の本のように折りたためるもの。端末を畳んでは開くごとにページが更新され、ページをめくる感覚で表示内容が更新されています。

 

実はE Ink社は2020年に、東京にある研究施設で開発された10.3インチの電子ペーパー端末の動画を公開していました。最近の折りたたみスマートフォン画面に使われる有機ELと違い、電子ペーパーは画素が自発光しないため、上部のバーにLEDを搭載するなどの工夫が凝らされていましたが、それから2年近くの進歩の跡が窺えるようです。

 

今回のカラー型プロトタイプはリフレッシュレートが低いためか画面の書き換えが遅く、まだまだ改良の余地がありそう。とはいえ「紙をめくるような感覚」が蘇るのは紙の本好きにとって歓迎されそうでもあり、また見開きの絵をじっくりと見る子ども向けの絵本ならば問題は少ないかもしれません。

 

そしてE Ink社のような規模が大きくない企業でこれが実現できたということは、Amazonのような大企業であれば製品化へのハードルは低くなるはず。今後「折りたたみ、めくれるカラーのKindle端末」が登場すると期待したいところです。

 

Source:8” Foldable E Ink Gallery 3 Color ePaper(YouTube) 
via:BGR

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