「MacBook Pro」の生産が再開との噂。それでも消えない値上げの可能性

ink_pen 2022/5/4
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「MacBook Pro」の生産が再開との噂。それでも消えない値上げの可能性
多根 清史
たねきよし
多根 清史

IT / ゲーム / アニメライター。著書に『宇宙政治の政治経済学』(宝島社)、『ガンダムと日本人』(文春新書)、『教養としてのゲーム史』(ちくま新書)、『PS3はなぜ失敗したのか』(晋遊舎)、共著に『超クソゲー2』『超アーケード』『超ファミコン』『PCエンジン大全』(以上、太田出版)がある。

Appleの製造パートナーである台湾Quantaが、中国・上海市でロックダウン(都市封鎖)が緩和されたことを受けて、中国工場でMacBookの生産を徐々に再開しているとの噂が伝えられています。

↑生産が遅れているMacBook Pro

 

記事執筆時点で、14インチおよび16インチのMacBook Proは配送日が6月末~となっている状況。つまり、2か月近く先ということで大変な納期遅れとなっており、3〜4月に注文した商品が届かないとの声も聞こえてきます。これはMacの生産拠点である中国の上海市が、いわゆる「ゼロコロナ」政策により事実上のロックダウンとなり、製造が止まっていたためと見られています。

 

上海市では3月28日に東部からロックダウンが始まり、4月11日には全体の8割に当たる2000万人以上が外出できない事態となっていました。そして、上海市および隣接する昆山市には台湾のEMS(電子機器の受託製造サービス)大手がApple製品の組み立て工場を置いているため、ゼロコロナ政策の直撃を受けたわけです。

 

しかし、台湾の電子部品業界情報誌『DigiTimes』は、上海のQuanta工場でMacBook Proモデル生産ラインの稼働率が上がり、ここ数週間もの納期遅れが解消されそうだと報じています。

 

Appleのサプライチェーンに詳しいアナリストMing-Chi Kuo氏は、QuantaはハイエンドMacBook Proを組み立てる唯一のサプライヤーであり、中国のロックダウン以降、納期が3週間から5週間まで延びていたと説明しています。

とはいえ、Appleのティム・クックCEOは半導体不足のため、消費者の強い需要を満たすために十分な製品を生産することが引き続き難しく、40億ドル~80億ドル(約5200〜1兆400億円※)相当の売上機会を失うかもしれないと述べていました

※1ドル=約130円で換算(2022年5月4日時点)

 

また、もし米ドルの為替レートが高止まりし続ければ、2022年秋のiPhone 14(仮)シリーズが米国外では価格が引き上げられるとの予想もあり、MacBook Proの品薄が解消されたとしても、Appleが日本での価格を改訂して値上げする可能性もありそうです。

 

Source:DigiTimes
via:MacRumors

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