麻辣湯、福岡うどん、粉末味ぽんまで!フードライターが読み解く2025年上半期のヒット食品

ink_pen 2025/8/13
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麻辣湯、福岡うどん、粉末味ぽんまで!フードライターが読み解く2025年上半期のヒット食品
GetNavi編集部
げっとなびへんしゅうぶ
GetNavi編集部

1999年創刊。「新しくていいモノ」を吟味して取り上げる月刊の新製品情報誌。生活家電とIT・デジタルガジェットを中心に、モビリティ・雑貨日用品・グルメ・お酒まで、モノ好きの「欲しい!」に結論を出す、がコンセプト。

2025年上半期、“食”の主役はシビれる麻辣湯から福岡うどん、粉末味ぽん、ドバイチョコまで超多彩!SNS映え、全国出店ラッシュ、意外すぎる商品化……ヒットの裏側には共通の法則があった。フードライター・中山秀明が徹底分析する最新トレンドとは?

フードライター・中山秀明さん

フードアナリストで、食のトレンドに詳しい。マーラータンとうどんの大ヒットは、約半年前のGetNavi「2025NEXTトレンド」特集でも予測していた。

【麻辣湯】若い女性に刺さる要素が満載で新店は軒並み行列&派生商品が続出

ビッグネームのサポートで今年は全国拡大がより加速

カシュカシュ
七宝麻辣湯

2021年に、「焼肉ライク」などで知られるダイニングイノベ—ションが運営元とマスターライセンス契約を締結。今年は九州、関西、東北にも進出し、半年で13店舗もオープン。直近開業した「仙台青葉通一番店」は、初日に200人以上並んだ。

↑麺、スープ、トッピングなどを自由にカスタマイズできるエンタメ性の高さも人気の理由。
量も量り売りで、少量ずつ楽しめる。

シビ辛なガチウマを再現し8か月で累計15万個を突破

医食同源
即席春雨 麻辣燙タン
267円

本場の味を目指し、中国河南省出身の担当者が開発。シャープなシビ辛さと、もちもちの食感が魅力だ。一時は欠品するほど人気となり、累計出荷数量は発売8か月で約15万個を突破している。

ココがヒットの理由】
「七宝」の出店攻勢がカギ。2027年で50店計画とか!
「韓国でのヒット、国内での麻辣ブームの延長、春雨麺で低カロリーなど背景は多々。なかでも急拡大した一番の理由は、国内の草分け店『七宝麻辣湯』のフランチャイズ強化でしょう」(中山さん)

今夏人気チェーンのメニューにも登場!

「しゃぶしゃぶ温野菜」(写真)では5月21日より期間限定で、マーラータン食べ放題4コースと御膳メニューを発売。また「バーミヤン」では登場から累計240万食販売し、今夏3種へメニュー数が増加した。

【福岡うどん】東京1号店には初日に170人以上が行列。他ブランドも続々!

やわもちの麺と魚介が豊かに香るつゆにサクサクごぼ天が美味

↑関東1号店となった、千葉の八千代店。昨年末の開店初日は約100人の行列に。
また、東京1号店の両国店は初日に170人以上が並んだ。

資さんう(すけさん)どん

1976年に北九州で開業。九州を中心に、関西、関東を含め計79店舗以上を展開し、今年は21もの新規出店を予定。かつお節、こんぶ、しいたけなどによるうまみ豊かなだしで愛されている。人気メニューは「肉ごぼ天うどん」(写真)。

【ココがヒットの理由】
北九州の超有名店が待望の関東上陸!大手グループ入りでさらなる拡大に期待


「北九州市のソウルフードとして長く愛されてきた『資さんうどん』が、昨年末、待望の関東上陸。さらに昨年、すかいらーく傘下となったので、関東への出店がより加速するはず!」(中山さん)

福岡の人気店が続々上京!

福岡の老舗「因幡うどん」が今春、原宿店で初の県外進出。ベーカリー「小麦の奴隷」を運営する「こむぎの」も、博多うどんブランド「うちだ屋」と資本提携し全国展開を発表。勢いは止まらない!

【缶ビール】個性的な味をわかりやすく訴求し発売数か月で年間目標の4〜5割を達成「苦味の黒、まろやかな白」

小麦麦芽の魅力を生かしたまろやかで飲みやすいビール

キリンビール
キリン一番搾り ホワイトビール
実売価格224円

一部に小麦麦芽を使い、「一番搾り製法」でやわらかく繊細なうまみを引き出した。さらに無ろ過で仕上げ、まろやかで飲みやすい味を実現。発売約2か月で年間目標の約5割となる100万箱を突破した。

特別なホップと酵母を駆使しビターでキレのあるおいしさに

アサヒビール
ザ・ビタリスト
実売価格237円

爽やかな香りと苦味が特徴の「タラス」などのホップを採用。さらに、シャープなキレを生み出す酵母を使い、おかわりしたくなるおいしさに仕上げた。発売2か月で年間計画の5割となる100万箱を突破。

【ココがヒットの理由】クラフトビール的な個性をお手頃価格で楽しめる

「『ザ・ビタリスト』は苦味の効いた味、『一番搾り』はおだやかな苦味とまろやかな口当たりによる飲みやすさが個性的。クラフトビール的な味を、通常のビール同様の価格で楽しめる点も◎」

【冷凍きゅうり】利便性と安定した価格がSNSで話題!想定の2倍の売れ行きで展開店舗も拡大

イオン
スライスきゅうり
実売価格213円

水分が多い野菜は冷凍化が難しかったが、近年の技術革新で課題をクリア。SNSでは「包丁もまな板も要らない」「酢の物にすぐ使える」など話題となり、当初計画比の約2倍の売れ行きに。展開店舗も拡大。

【ココがヒットの理由】割安で人気の冷凍野菜に万能に使える救世主が出現

「不作になると高騰しやすい青果市場にあって、収穫時季を問わない冷凍野菜は価格も安定しており注目の的。そこに、ほぼ一般流通していなかったきゅうりが登場し、使い勝手も良く話題に」(中山さん)

【粉末味ぽん】国民的調味料がまさかの粉末化!2か月分の販売数量が4日で完売

ミツカン
無限さっぱりスパイスby味ぽん
実売価格539円

定番調味料「味ぽん」をベースにガーリックなどを加えて粉末化。液体ではないため、かけても料理の食感が損なわれない。約2か月ぶんの在庫が4日で完売、SNSでも注目され、さらに入手困難となった。

【ココがヒットの理由】「粉末味ぽんってどんな味?」という好奇心がヒットを牽引

「『味ぽん』はポン酢しょうゆの王道であり、万能調味料。それが粉末化されれば『使ってみたい』という人は多いでしょう。インパクトがあり、SNSで話題となったこともポイントです」(中山さん)

【「Cook Do」極シリーズ】“リミッター解除”のガチでリッチな味が受け累計100万食突破!

味の素 「Cook Do」
極(プレミアム)シリーズ
実売価格390円

コンセプトは“リミッター解除”。大人が驚き感動する美食を目指した、刺激的ながらも止まらない、本場そのままのリッチなおいしさで人気。2品とも発売から約5週間で、累計食数が100万食を突破した。

【ココがヒットの理由】シリーズへの熱い支持と期待以上のウマさで話題に

「本シリーズは、2023年に誕生した第1弾の麻婆豆腐が大ヒット。そのガチな味わいから2月発売の新商品への期待が高まり、しかも食べたら想像以上のおいしさ。再びヒットしたのは当然でしょう」(中山さん)

【ペプシの原液】持ち味の商品力にSNS販促を掛け合わせ発売2週間で過去発売商品の約2倍も売れた!

サントリー
おうちドリンクバー
ペプシコーラ

実売価格354円

家庭用では日本初となる「ペプシコーラ」の濃縮タイプ。ペプシコーラを好きな濃さで作るほか、アイスにかけたりカクテルにしたり、アレンジできるのも魅力だ。発売後2週間で、過去発売商品の約2倍の週販実績を獲得。

【ココがヒットの理由】安定感抜群のおいしさと秀逸なマーケティング手法

「味とユニークなマーケティングでヒット。アントニオ猪木さん風の男性が『ゲンエキがあれば何でもできる』『迷わず割れよ 割ればわかるさ』と紹介するアニメ動画も、推したくなります!」(中山さん)

【ドバイチョコレート】発売3日で2万枚が完売し入手困難が続いた中東スイーツ

贅沢なピスタチオとザクザク食感のメリハリがクセになる

リンツ
ドバイスタイルチョコレートタブレット 
2900円

配合量45%と贅沢に使ったピスタチオペーストのまろやかで濃厚な甘さと、カダイフのザクザクした食感が好アクセント。販売開始3日で2万枚が完売し、ECでは再入荷待ちが1万人を超えた。※数量限定商品

繊細な食感を楽しめる日本製のドバイチョコ

成城石井
Radiant ドバイチョコ
755円

多くのドバイチョコは輸入品だが、本品は日本製。繊細なカダイフのサクサクとした食感とピスタチオの香ばしさを楽しめる。同店ではほかにも、自家製のドバイチョコ風ケーキやケーキバーも販売。※販売が終了している可能性があります。

【ココがヒットの理由】継続中の中東ブームが韓国バズでさらに過熱

「カダイフ(※)とピスタチオが入ったドバイ発祥のチョコ。韓国でバズり、日本にも。日本では数年前に中東の菓子『バクラヴァ』がヒットし、中東の味が身近になっている点も見逃せません」(中山さん)

※:アラブ世界で最も有名なお菓子で、極細の麺状の生地

【じゃがボルダ】お土産激戦区の東京駅で大人気!定番チップスは1か月で計6万箱を販売

じゃがボルダ
Calbee+×東京ばな奈
じゃがボルダチップス 4袋入

1047円〜

“高みを目指して 旨味をつかむ”がテーマ。一番人気の「黄金コンソメ味」は、グランスタ東京「2024年新商品 東京駅限定手土産(スイーツ)ランキング」で1位に。チップス5種(写真は季節限定味以外の4種)は5月のひと月だけで約6万箱を販売。

【ココがヒットの理由】希少性が盛りだくさんで東京土産に買いたくなる

「手土産で人気の「Calbee+」と、「東京ばな奈」が奇跡のコラボ。オフラインでは東京駅の駅ナカでしか買えない希少性と、期待を超えるエレガントなおいしさで、購買欲をくすぐります」(中山さん)

※「GetNavi」2025月8月号に掲載された記事を再編集したものです。
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