缶チューハイの最新トレンドは“やさしさ”だ! 麹を使ったレモンサワーも登場

ink_pen 2020/11/1
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缶チューハイの最新トレンドは“やさしさ”だ! 麹を使ったレモンサワーも登場
中山秀明
なかやまひであき
中山秀明

GetNaviお酒・グルメアドバイザー。GetNavi内食・外食のトレンドに精通した、食情報の専門家。現場取材をモットーとし、全国各地へ赴いて、大手メーカーや大手小売りから小規模事業者まで、幅広く取材している。酒類に関する知識量の多さでは、大手ビールメーカーでも一目置かれる存在。GetNavi・GetNavi webのほかに、テレビや大手企業サイトのコメンテーターなど幅広く活躍。

麹のうまみでまろやか爽快なレモンサワー

9月に「キリン ベジバル」シリーズが発売し、筆者は「やっぱりコロナでRTDのトレンドも変わってくるのかな~?」と思っていましたが、10月になって予感は確信となりました。それがこれから紹介する、やさしいRTDの第2弾。「キリン 麹レモンサワー」です。

↑「キリン 麹レモンサワー」はアルコール7%。この350ml缶のほか、500mlも同時発売されました

 

マーケティングリサーチ企業のインテージによると、コロナ禍によって納豆やヨーグルトをはじめとする発酵食品が伸長。また、「日本の伝統的な発酵食品を意識して食べるようになったという人が増えている」というデータも。

↑それぞれ、インテージとキリンの市場調査によるデータ

 

キリンは、もともと約10年前から伝統的な発酵食である麹(こうじ)に着目しており、その可能性を模索していました。また、冒頭で触れたようにRTDのなかで最も活況なフレーバーがレモンですが、消費者の期待のなかに「人工感の低減」「果汁のうまみアップ」「食事との相性の改善」があることをキャッチ。そこで、麹を活用した自然派RTDの開発を急ぎ、約1年半をかけて「キリン 麹レモンサワー」が完成したのです。

↑ルックスは一般的なレモンサワーと同様。果たしてその味は?

 

ちなみに、麹とは蒸したお米などの穀物に麹菌を繁殖させて発酵したもの。麹菌の酵素の働きにより、多様なうまみ成分を含んでいます。2011年ごろに「塩麹」が大ブームになったことを覚えている人も多いでしょう。あのトレンドも健康志向が関係していますが、麹自体のやさしいうまみが一般認知されるきっかけともなりました。

↑香りはレモンサワーのフレッシュ感そのまま。ブライトで心地よいフレーバーです

 

飲んでみると、想像以上にやさしいテイストであることを実感。これが麹のソフトパワーなのでしょう。レモンの酸味が引き立つすっきりした爽快感と、まろやかな飲み口が両立した、ふくよかなボディのレモンサワーです。

 

なお、麹自体が伝統的な日本食とよく合うため、「キリン 麹レモンサワー」は和食と一緒に味わうのがオススメとのこと。そこで、刺身、だし巻き卵、魚介を具にしたおにぎりと合わせてみました。

↑レモンサワーは料理との汎用性の高さも魅力ですが、特に和食と合うというのは興味深いところ

 

なるほど! 確かに、「キリン 麹レモンサワー」のコアな部分にあるやさしいボディが、刺身やだしのうまみ、そしてお米のはんなりとした甘やかさとも調和します。ほかに、おでんや天ぷら、柿の種などにもよく合うと思いました。

↑パッケージも個性的。店頭で見かけたらぜひチェックを

 

今年10月に酒税改定となり、ビールは安く、新ジャンル(第3のビール)は高くなりましたが、RTDは非対象だったので価格は据え置き。このことから、一部の新ジャンルユーザーがRTDに流れるという見立てもあり、RTD市場はより活況になるとも予想されます。そこに登場した、やさしい自然派という新提案。お酒の需要が伸びる年末年始をふまえ、どこまでヒットするか、要注目です。

 

 

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