皆さんの周囲でも紙巻きタバコから加熱式タバコに切り替えている人は多いと思います。中でもフィリップ・モリスが販売している「IQOS」は、満足度の高さから愛用者が増加中。加熱式タバコは紙巻きタバコに比べて、健康に対する被害が少ないとされ、シェアが拡大しつつあります。果たして、本当にそうなのでしょうか。
仮に、加熱式タバコの健康被害が紙巻きタバコと同等だったとしても、喫煙者にとってはある意味、自業自得なところ。問題なのは非喫煙者が受動喫煙によって受ける健康被害です。
IQOS使用による健康被害はなかったという研究結果
IQOSを販売するフィリップ モリス インターナショナル(PMI)は、今年4月、「IQOS使用による周囲の人への悪影響はなし」という主旨の研究結果を発表しました。
PMIによると、タバコの煙に含まれるアセトアルデヒドなどの有害物質は、タバコを吸わない日常的な環境にも微量ながら存在するとした上で、IQOSを使用しても、空気中のそれらの物質が増加しないことが臨床試験によって明らかになったとのこと。
日常的な環境というのは、例えばレストランで調理や食事をしたり、スポーツジムなどで汗をかいたり、人の呼気などが排出されるようなシチュエーションのこと。そんな中にも、厳密に言えば有害物質は漂っているとのこと。ただし、基準値を大幅に下回る数値のため、人体に影響はないとされているほど、ごく微量という結果が出たそうです。
実際のレストランにて臨床試験
では、どのようにしてIQOSを吸っても周囲の人に悪影響がなかったと検証したのでしょうか。PMIによると、実在のレストランに約400人の被験者を数回に分けて、臨床試験を行ったそうです。被験者の中には、紙巻きタバコ喫煙者、IQOS使用者、非喫煙者が含まれ、試験の前後に尿のサンプルを採取して、数値を比較しました。また、レストラン内の空気も試験の前後でサンプルを採取し有害物質の含有量を比較するという試験方法です。
試験中は、実際のレストランと同じように会食をしてもらった上で、IQOS使用者がIQOSを吸った場合と、誰もIQOSを吸わなかった場合の2パターンで行われました。試験中に吸われたIQOSのヒートステックは170~220本前後。その結果、双方のパターンにおいて、被験者の尿サンプルや空気中に含まれる有害物質の量に違いがなかったということが、今回のPMIの臨床試験によって明らかにされました。