家電
炊飯器
2017/11/30 19:00

「惜しい点が1つだけ…だが、想像以上のデキ!」タイガー最新炊飯器「JPG-X100」、前モデルと徹底的に比べてみたら?

タイガーの高級調理家電ブランド「GRAND X(グランエックス)」シリーズから、新型炊飯器「JPG-X100」が発売されました。本機は、土鍋(内釜)の素材の見直しなどで火力がさらに向上し、音声アシスト機能など使い勝手も向上したといいます。とはいえ、前機種から何がどれだけ進化したのか、細かくその違いがわかる人は少ないはず。その点、筆者はつい先日、タイガーの前機種および他社メーカー4モデルのテストをみっちり行ったばかり。

 

そこで今回、前機種「JPX-102X」とまったく同じ8項目テストを実施し、徹底的に違いを明らかにしてみることにしました。その結果は、大きな不満が1つだけあったものの、炊き上がり、操作性が思った以上に進化していることが判明。以下でその詳細をチェックしてみてください!

 

 

 

【今回テストするのはコチラ】

土鍋に新成分を配合し、熱伝導が大幅に向上!

20171129-s4-(36)

タイガー

土鍋圧力IH炊飯ジャーTHE炊きたて JPG-X100

実売価格13万8240円

陶器の本場・三重県四日市市 “四日市萬古焼”の本土鍋と本物の土のかまどを本体に搭載した炊飯器。土鍋に「炭化ケイ素」成分を新配合し、熱伝導が従来の約2.5倍に向上した。さらに土かまどの表面積も従来比で約11.4%アップし、高火力でふっくらごはんに炊き上げる。タッチパネル全体がスピーカーとして機能する新構造で、音声ガイドの音質もよりクリアに。

SPEC●炊飯容量:1〜5.5合●炊飯1回あたりの消費電力量:150Wh●保温1時間あたりの消費電力量:15.8Wh●加熱方式:土鍋圧力IH+可変W圧力IH●内釜:プレミアム本土鍋(四日市萬古焼)●サイズ/質量:約W261×H220×D325mm/約7.3kg

 

【比較した前モデルがコチラ】

タイガー

土鍋圧力IH炊飯ジャーTHE炊きたて JPX-102X

20170926-s2-38

 

【検証内容はコチラ】

前回の炊飯器比較検証連載と同様、「上質炊飯機能」「食感炊き分け」「少量炊飯」「保温性能」「操作性」「メンテナンス性」「独自機能」「設置性」の8項目をチェックしていきます。

 

タイガー

土鍋圧力IH炊飯ジャーTHE炊きたて JPG-X100

【テストその1 食感・味の傾向は?】

炊飯モードは「白米」、火加減は「中」、仕上がりは「標準」を選び、米3合を炊飯。炊き上がりの香りや味、食感をチェックしました。お米は宮城県産ひとめぼれの新米(平成29年産)を使用。ごはんの甘みやモチモチ感などのバランスの取れた品種です。

 

↑目次に戻る]

 

<炊き上がり>

ごはんのふっくら感もおこげの香りも前機種をしのぐ炊き上がり

本機の特徴は、その高い蓄熱性を活かした香り高いごはんが炊けることと、特におこげごはんが楽しめること。今回、土鍋の熱伝導率が2.5倍になったことで、その香りとおこげのつき方が圧倒的に高まりました。

20171129-s4 (4)

ふたを開けるとすでにおこげの香ばしい香り、みずみずしい新米ごはんの香りが周りに広がります。ごはんをほぐそうと、土鍋の鍋肌に沿ってしゃもじを入れると、しっかりおこげができています。前回のJPX-102Xの火加減「強」で炊いたときのおこげが、今回は火加減「中」ですでに実現できている印象。

 

そのおこげの部分はもちろんパリパリですが、鍋肌以外の部分はふっくら柔らかな炊き上がり。ただし、ごはんの粘り・弾力はかなり強く、米の粒感もあって食べ応えのある食感です。お米がひとめぼれということもあり、最初はやや甘みが控えめだと感じましたが、食べるうちにどんどん甘みが増幅。おかずなしでも大満足のおいしさでした。

↑茶碗によそったごはんは、たっぷり水分をまとい、つやもたっぷり。うしろにはパリパリのおこげが
↑茶碗によそったごはんは、たっぷり水分をまとい、つやもたっぷり。うしろにはパリパリのおこげが

 

↑目次に戻る]

 

<冷やごはん(おにぎり)>

もちもちかつしっとりした食感はおにぎりに最適

冷やごはんは炊きたてをラップに包み、室温で5時間ほど冷ましたものを試食。炊きたてでは柔らかい食感でしたが、水分が適度に飛んでモチモチ感がより強くなり、しかもしっとり感はたっぷり残っています。甘みもしっかり感じられ、塩むすびにしただけでも十分満足できると感じました。

↑おこげの香りは弱いものの、炊きたてより弾力が増しています。しっとり感も十分で美味!
↑おこげの香りは弱いものの、炊きたてより弾力が増しています。しっとり感も十分で美味!

 

↑目次に戻る]

 

<冷凍・再加熱>

食感も味も炊きたてごはんの状態をかなり再現

冷凍ごはんは炊きたてをラップに包んで冷凍保存し、1日経ったものを電子レンジで再加熱しました。冷凍することで、おこげの香りは弱まりましたが、柔らかながらモチモチした粒感のある食感で、ごはんの甘みは健在です。ただし、おこげの部分は水分を含んで柔らかくなり、粘り気も出てきて、やや食べづらくなっていました。

20171129-s4 (9)
↑冷凍・再加熱しても、ごはんのつやはかなり復活しています

 

タイガー

土鍋圧力IH炊飯ジャーTHE炊きたて JPG-X100

↑目次に戻る]

 

【テストその2 食感炊き分けの幅は?】

好みに応じた幅広い食感炊き分け機能の搭載は、高級炊飯器の大きな魅力のひとつです。JPG-X100は食感の炊き分けが、前機種の3通りから5通りに細分化。「仕上り」キーを押すことで「しゃっきり/ややしゃっきり/標準/ややもっちり/もっちり」と炊き分けられます。おこげのつき方は前機種同様、「火かげん」キーにより3通りに変えることができます。

 

今回は、その中から「仕上り:しゃっきり/火かげん:弱」と「仕上り:もっちり/火かげん:強」の2通りで炊飯し、食感と味の違いを比較しました。

 

「しゃっきり」ではほぐれる食感に加え米の繊細なうまみを体感

「仕上り:しゃっきり/火かげん:弱」で炊いたごはんは、おこげの香りがなくなりましたが、炊きたてごはんの香りが濃厚。ごはんの甘みがやや控えめになる代わりに、米の甘み以外の繊細な“うまみ”が感じられるようになったのが新鮮でした。食感は柔らかですが粘りは少なく、ふっくらしつつも口の中でほぐれてくれます。この食感は、しゃっきり食感の代表的な機種、三菱電機の「本炭釜 KAMADO NJ-AW108」に近いものがありますが、三菱電機がしゃっきり感の中に弾力があるのに対して、本機はより柔らかで食べやすい炊き上がりです。

↑「仕上り:しゃっきり/火かげん:弱」で炊いたごはん。「仕上り:標準」で炊いたときより、米粒表面の水分量がやや少なめです
↑「仕上り:しゃっきり/火かげん:弱」で炊いたごはん。「仕上り:標準」で炊いたときより、米粒表面の水分量がやや少なめです

 

「もっちり」設定で弾力と甘みが、「火かげんアップ」でおこげの香ばしさがより強化

一方、「仕上り:もっちり/火かげん:強」で炊いた場合、おこげの香りがより濃厚になり、土鍋の鍋肌部分はおこげがパリパリに仕上がっていました。食感に関しては柔らかさが減退し(とはいえ「固い」わけではありません)、もちもち感が前面に出てきています。ごはんの甘みもさらに増していますが、それより香ばしさが主張する味わい。おこげ好きにはたまらないごはんだと思います。ただ、おこげの部分が固いと感じるのも事実。おこげをいきなりごはんに混ぜこむのでなく、まずはおこげ化していない柔らかいごはんを楽しみ、おこげの部分は別途お茶漬けやおこげスープで食べるといった、多彩な味わい方も堪能できます。

 

「しゃっきり」「もっちり」両方の炊き上がりを比較すると、その食感の幅は全機種JPX-102Xより大きくなった印象。おこげ好きだけでなく、幅広いユーザーに受け入れられるごはんの炊き分けが可能になったと感じました。

↑「火かげん:強」にするとよりおこげがしっかりできています。米粒にもしっかりとしたハリが見られます
↑「火かげん:強」にするとよりおこげがしっかりできています。米粒にもしっかりとしたハリが見られます

 

タイガー

土鍋圧力IH炊飯ジャーTHE炊きたて JPG-X100

↑目次に戻る]

 

【テストその3 少量炊飯の炊き上がりは?】

独り暮らしや夫婦2人世帯でも毎回炊きたてが食べたいという場合、少量炊飯でもおいしいごはんが炊けるかどうかは気になるところ。ここでは、「仕上り:標準/火かげん:中」でお米1合を炊いて、3合で炊いた場合との味と食感の違いをチェックしました。

 

香りと味はまずまずだがもちもち感がかなり弱まる結果に

炊き上がってふたを開けると、おこげごはんのいい香りが広がりますが、香り自体は3合炊いたときよりやや弱く感じます。食感は3合炊きより柔らかく、弾力も少なめに。味に関しては、最初やや弱くなったかなと感じましたが、口の中に残る味の余韻は3合炊きとほぼ同等でした。

 

結論としては、香りと味では健闘しているものの、食感、特にもちもち感が減退しており、もちもち食感が好みの人には、やや物足りない仕上りになるようです。

↑米の表面に水分をまといつつ、つやはやや弱め。おこげも3合炊きのときより弱くなっていました
↑米の表面に水分をまといつつ、つやはやや弱め。おこげも3合炊きのときより弱くなっていました

 

タイガー

土鍋圧力IH炊飯ジャーTHE炊きたて JPG-X100

↑目次に戻る]

 

【テストその4 保温性能は?】

メーカーが推奨する本機の最大保温時間は24時間。ここでは、炊飯後6時間経ったものと、24時間後のごはんの味をチェックしました。

 

6時間後も香ばしさが残る保温性能が見事!

6時間保温したごはんで驚いたのは、香ばしいおこげの香りがまだ残っていたこと。これは冷やごはんや冷凍ごはんにはないメリットです。甘みは炊きたて同様に強く、ごはんの劣化によるニオイも感じられません。柔らかさが炊きたてより少し増しましたが、もちもち感はしっかり残っています。全体にかなり炊きたてのクオリティを維持しており、6時間保温は十分に実用的だと感じました。前機種で試したときに比べると、6時間保温時の味わいは向上していると感じました。

↑つやはややなくなり、米の表面がぐずつき始めていましたが、味はほぼ問題なし。おこげ部分はさすがに蒸気で柔らかくなっていました
↑つやはややなくなり、米の表面がぐずつき始めていましたが、味はほぼ問題なし。おこげ部分はさすがに蒸気で柔らかくなっていました

 

一方、24時間後のごはんは、ややごはんの劣化したニオイが立ち始め、おこげの香りもなくなっていました。ただ、ごはんのもちもち感はかなり残っていて、ふっくら感はありませんが、べちゃっとした食感までには至らず、甘みも十分感じられます。ただ、やはり24時間保温したものよりは、炊きたてを冷凍保存したもののほうが、炊きたてのおいしさに近い味と食感を楽しめます。

↑24時間保温後のごはん。見た目はみずみずしいつやをかなり保持しています
↑24時間保温後のごはん。見た目はみずみずしいつやをかなり保持しています

 

タイガー

土鍋圧力IH炊飯ジャーTHE炊きたて JPG-X100

↑目次に戻る]

 

【テストその5 操作性/メンテナンス性は?】

炊飯器は炊飯性能や保温性能に注目しがち。ですが、毎日使うのもだけに炊飯設定のしやすさやお手入れのしやすさもしっかりチェックすることが肝心です。

 

<操作性>

操作パネルの配置変更と「モーションセンサー」の改良で操作の快適性が向上

JPG-X100は従来機から操作パネルのレイアウトを変更。液晶表示部の大きさを従来より大きく取れるようになり、視認性もアップしました。「仕上り」と「火かげん」の表示も、従来の操作キーの上部ではなく、液晶表示部内に収められています。一方、人が近づいたのを感知して自動で点灯する「モーションセンサー」は、操作なしで消灯するまでの時間が前機種の20秒から、今回60秒に延長。全機種で気になっていた、「操作に迷っている間に表示が消えてしまう問題」がほぼ解消されました。

↑従来液晶の左側に2列4個並んでいたキーが1列3個になり、右側の「もどる・すすむ」キーも表示が「<|>」になってスリムに。これにより、液晶パネルが大きくなっています
↑従来液晶の左側に2列4個並んでいたキーが1列3個になり、右側の「もどる・すすむ」キーも表示が「<|>」になってスリムに。これにより、液晶パネルが大きくなっています

 

↑メニュー選択の場合、「<|>」キーでなく「玄米」などメニュー表示を直接タッチして選択することもできました
↑メニュー選択の場合、「<|>」キーでなく「玄米」などメニュー表示を直接タッチして選択することもできました

 

音声ガイド機能も、液晶全体を使って音が出るようになり、音質も向上したとのこと。筆者は両方を交互に聞き比べたわけではないので、どの程度聴きやすくなったかはよくわかりませんが、音声が明瞭に聴こえるのは実感しました。また、タッチパネルに触れると振動が指に伝わり、従来では得られなかったタッチ感が実感できます。キーを押すとわずかに押し返すような刺激があり、クリック感を再現。操作感の向上に貢献する秀逸な工夫です。

 

ひとつ残念なのは、炊飯器の外ぶたが閉めづらいときがあること。圧力式のIH炊飯器は、ふたを閉めるときに内部の圧力を上げるため、ふたを閉めるのに力がいるのですが、本機は特に閉まりにくい場合があります。象印の最上位機種、NW-AT10のような、電動でふたが閉まるボタンの搭載をぜひ検討してほしいところです。

20171129-s4 (18)

また、ふたの閉まり方にムラがあり、軽い力で閉まるときと、強く押し込まないとうまく閉まらないときがあります。個体差があるのかもしれませんが、かなりストレスを感じました。

 

タイガー

土鍋圧力IH炊飯ジャーTHE炊きたて JPG-X100

↑目次に戻る]

 

<メンテナンス性>

土鍋の強度が上がったものの取り扱いにはなお注意が必要

お手入れするパーツは内釜(土鍋)と内ぶたとスチームキャップの3つ。本モデルから、スチームキャップが外ぶたの外側でなく内側に搭載されるようになりました。内ぶたを外すとその裏にスチームキャップが付いています。

↑写真右から土鍋、内ぶた、スチームキャップ。メンテナンスするパーツはかなり少なめです
↑写真右から土鍋、内ぶた、スチームキャップ。メンテナンスするパーツはかなり少なめです

 

内ぶたは調圧ボールと安全弁が付いていて、汚れが付くと洗うのが面倒ですが、白米を3合炊きした限りでは、汚れが付くことはありませんでした。スチームキャップもスチームが凝結した水は溜まりますが、一瞬の水洗いでキレイになります。

 

土鍋の重さは1238g。土鍋を4度焼きすることで、強度も前モデルよりアップしているとのことです。ただ、それでも金属製と違って「割れない」というわけではないので、取り扱いには注意しましょう。

↑調圧ボールのすき間などに汚れがたまると、洗うのがやや大変
↑調圧ボールのすき間などに汚れがたまると、洗うのがやや大変

 

↑内釜の重さは前モデルより100g重くなっています
↑前機種は1138gで、本機は1238g内釜の重さは前モデルより100g重くなっています

 

フレームのお手入れに関しては、フレーム表面に細かいシボ(凹凸)があります。メーカーの説明では、このシボにより汚れが付いても落ちやすいとのこと。試しに米粒を擦り付け、乾かしたあと乾いた布巾で拭き取ってみたところ、確かに大部分の汚れは簡単に落ちます。わずかに凹凸のすき間に残った汚れも、濡れた布巾で簡単に取れました。

↑乾いた布巾で汚れをふき取ったあと。わずかに汚れのこびりつきがありました
↑細かいシボのあるフレーム。乾いた布でこびりついた米粒をふき取ると、わずかに汚れのこびりつきが残りますが、大部分の汚れは落ちました

 

タイガー

土鍋圧力IH炊飯ジャーTHE炊きたて JPG-X100

【テストその6 独自機能/設置性は?】

「独自機能」は、ごはんのおいしさや炊飯のバリエーションアップにつながる、本機ならではの機能や技術をチェックします。使い勝手の向上やメンテナンスの手間を省く機能も見ていきます。「設置性」は横幅と奥行き、重さを確認。また、炊飯器の設置場所の自由度を左右する炊飯中の蒸気の出方もチェックしました。

 

↑目次に戻る]

 

<独自機能>

火力強化や操作性向上のための独自機能がチューンアップ

本機の最大の特徴であり、かつ前機種から進化した点は、熱伝導率が約2.5倍になったことによる火力アップ。これによりおこげごはんの香ばしさが大きく向上しました。また、内ぶたに親水加工を施し、水分がしずくになりにくく、炊き上がり後や保温中のつゆだれを抑制。また、保温中に内ぶたに水分の膜を作ることで、ごはんをしっとり保温できます。

↑「プレミアム本土鍋」に炭化ケイ素成分を配合し、より高火力な炊飯が可能に。鍋底には「波紋底」を採用しており、沸騰時の泡立ちを均一にし、お米がムラなく炊き上がります
↑「プレミアム本土鍋」に炭化ケイ素成分を配合し、より高火力な炊飯が可能に。鍋底には「波紋底」を採用しており、沸騰時の泡立ちを均一にし、お米がムラなく炊き上がります

 

↑表面に親水性の高い塗膜をつけた「つや艶内ふた」を採用。加熱時には表面に付いた水分が素早く蒸発します。保温時には内ぶた表面に長く留まり、ごはんの乾燥を防ぎます
↑表面に親水性の高い塗膜をつけた「つや艶内ふた」を採用。加熱時には表面に付いた水分が素早く蒸発します。保温時には内ぶた表面に長く留まり、ごはんの乾燥を防ぎます

 

本機では、ごはんの食感(粘り)も5通りに炊き分け可能になりました。これに火かげんキーで3通りのおこげのつき方が調節でき、多彩な香りや食感を楽しめます。火かげん設定を、さらに弱めや強めにシフトすることも、前モデル同様に可能です。

 

炊飯機能では2種類の「麦めし」モードを搭載しているのも特徴。今回、「もち麦」モードで炊飯したところ、もち麦独特の甘みと、プチプチもちもちした食感が楽しい絶品ごはんに炊き上がりました。

↑白米にもち麦3割を混ぜて炊飯。白米だけ炊いたときとは違う粘り気のあるつや、大麦独特の甘い香りが楽しめる麦ごはんができました。パサつきは皆無。日常的に使ってみたいモードです
↑白米にもち麦3割を混ぜて炊飯。白米だけ炊いたときとは違う粘り気のあるつや、大麦独特の甘い香りが楽しめる麦ごはんができました。パサつきは皆無。日常的に使ってみたいモードです

 

そのほか、操作の快適さにつながる「モーションセンサー」や「音声ガイド」機能も前機種からさらに実用性がアップ。土鍋ふたも付属し、土鍋ごとおひつとして食卓に出すことができます。

 

↑目次に戻る]

 

<設置性>

前モデル同様、本体はコンパクトだがやや重めで設置場所を選ぶ

本体の横幅は26.1cmで、奥行きは32.5cm。前モデルと比べ、幅が0.4cm狭く、奥行きが1.6cm長くなっていて、大手メーカーの高級炊飯器の中でもコンパクトな部類に入ります。重さは約7.3kgでやや重め。取っ手がないので、移動時は両手で持つことになります。

 

火力がアップしていることで、水蒸気もかなりの量を放出します。上部に十分な空間のある場所かレンジフード(換気扇)の近くで炊飯するのがいいでしょう。

20171129-s4 (31)
↑火力が強くなるにつれ、水蒸気の量も増加。特に炊飯中に減圧する際に、大量の蒸気が出ます

 

タイガー

土鍋圧力IH炊飯ジャーTHE炊きたて JPG-X100

↑目次に戻る]

 

【テストのまとめ】

おこげの香り以外にも多彩なおいしさを楽しめる製品に進化!

20171129-s4 (43)

タイガーの高級炊飯器「THE炊きたて」シリーズの魅力は、まず第一に「香ばしいおこげごはんが楽しめる」ことだと筆者は考えていました。が、今回最新モデルを使ってその考えが変わりました。本機は火かげん弱にすればおこげなし、炊きたての香り豊かでふっくらもちもちのごはんが楽しめます。また、そこから火かげんを強めることで、おこげの香ばしい香りをプラスすることが可能。「しゃっきり」と「もっちり」の食感の幅も、前機種の段階で最も大きな差が感じられましたが、今回さらにその幅が大きくなった印象です。

 

食感炊き分けも3通りから5通りに増加。柔らかめな炊き上がりの中で「しゃっきり」から「もっちり」までの食感の強弱がしっかりつき、いろいろ設定を変えるたびに、異なるおいしさが楽しめました。おこげだけでなく、より多彩な味わいが表現できるように進化したというイメージです。

 

冷やごはんはもちもち感がアップし、お弁当やおにぎりに最適。冷凍・再加熱したごはんは、炊きたてのふっくらもちもちした食感と甘みが蘇りましたが、おこげの部分はやや粘り気が出過ぎて食べづらく感じました。

20171129-s4 (40)

 

保温機能も6時間までなら極めて優秀!

本機は前機種と比べて保温性能も進化。6時間程度の保温なら、粒感を残したもちもち感や甘みはもちろん、おこげの風味まで維持できていました。ただし、24時間経つとさすがにやや劣化が目立ってくるので、冷凍・再加熱のほうがオススメです。

↑操作パネルやモーションセンサーの改良で炊飯設定がよりスムーズに
↑操作パネルやモーションセンサーの改良で炊飯設定がよりスムーズに

 

操作性ではキーのレイアウトが変わったことで、液晶画面が大きくなったのが特徴。食感や火加減の表示も液晶画面内にまとめられました。音声ガイド機能付きで操作に安心感があるのも魅力。モーションセンサーの消灯までの時間が60秒に伸びたことで、操作中のストレスが大幅に軽減されました。ただし、外ぶたの閉めにくさは減点対象です。

 

メンテナンス面では内ぶたの調圧ボール、安全弁に汚れがついたときの手入れがやや面倒。土鍋は強度が増しましたが、そのためか重さも100g増加し、洗うときの扱いにも注意が必要です。

 

独自機能に磨きがかかって製品の魅力もアップ!

独自機能では、火力アップに加え、食感炊き分けのバリエーションが5通りに増加。おこげのつき方も好みや用途に応じて変えられます。また「麦めし」モードは従来機種からの継続機能ですが、パサつきもなく何度でも食べたいと思わせる炊き上がりでした。モーションセンサーの実用性アップも見逃せないポイントです。

20171129-s4 (32)

設置性の面では、各メーカーの最上位機の中では小さめなサイズですが、それでもかなりの場所を取ります。また、蒸気も出るので設置場所は相変わらず限定されます。これらの結果を踏まえ、本機がオススメな人を考察してみました。結果は以下の通りです。

●ふっくら柔らかめなごはんが好きな人

●おこげの香り豊かなごはんが好きな人

●好みの食感が決まっていない人、いろいろな食感のごはんを楽しみたい人。炊き分け機能が5通りに増え、より細かな食感の違いが楽しめます

●お弁当、おにぎりを作る機会の多い人

●多機能炊飯器の操作に慣れていない人。液晶パネルやモーションセンサーの改良と音声ガイドでさらに操作性がアップ

20171129-s4-(35)

JPG-X100は、前モデルよりもごはんの香りとふっくら感がアップ。「しゃっきり」と「もっちり」それぞれでよりおいしくなりました。炊飯設定もよりわかりやすくなり、ごはん好きにとって、満足感が極めて高い1台です。

 

協力:楽天市場